銀河漂流バイファム
  地球側メカデザイン
 
 永野護氏
  デザインメカキャラ大全
極一部の主要メカ及び小物などのゲストデザインを担当している(主要なメカは大河原邦夫氏、キャラクターは芦田豊雄氏が担当している)。
永野氏が一番最初にデザインしたメカであるパペット・ファイターなどが有名。 

 
主要メカとして活躍したパペットファイターや、序盤に登場したゲストメカなどをデザインしている。
その他にも一部RVのラフデザインが確認されている。
  
 
 
 パペットファイター
 
[機体の概要]
主人公達が乗り込むジェイナス号に格納されていた宇宙用戦闘機。
主にマキなどが搭乗していた。
 
永野氏によると、自身にとって初めて採用されたデザインであるとのこと。
その為か永野氏がバイファムのデザインについて言及する際に、当時のデザイン能力や苦労した話と併せて語られることが多い。
デザインソースとしては80年代のF1マシンであるらしい。
 
デザインされた時期については、同時期にデザインされたと思われるトレーラーが1983年5/17(設定画にて確認)なので、その前後であると思われる。
なお、ゴーグのダイノソアと同じ時期にデザインしているとのことである(ダイノソアの設定画には1983年5/27とサイン・日付が書かれている)。
永野氏がサンライズに入社したのは1983年3月〜4月頃と思われるので、本当に入社後すぐにデザインが採用されたんですね・・・(そら本人もビックリだろ)。
井上伸一郎氏の著書「マモルマニア」によると、サンライズ入社後2か月後頃に描かれたものであるとのこと。
放映当時バイファムのプロデューサーだった植田氏によると、まずパペット・ファイターのデザインを発注して永野氏のデザイン能力を測ってみたとのことである。
「「バイファム」で、永野さんがデザインなさったものは何になるのでしょうか? いちばんよく知られているのがパペット・ファイターですね」 [マイアニメ1985年5月号]
2月頃だったかなぁ。植田さんから”お話があるからサンライズに来なさい”と言われてね。で、行ってみると、専務の山浦さんがいて”サンライズに来ないか”って言われて−で、3スタの「バイファム」に入ったんです。 −最初にデザインしたものは? 一番最初はパペット・ファイター。同時位に「ゴーグ」のダイノソアがあって。あと、ボツになったけど、ビルバインの変形パターンもあった」 [アニメック1985年5月号]
「(インタビュアー)一番最初に採用されたデザインはパペット・ファイターとか。 まさかあのメカがレギュラーとは思いませんでしたね。丁度、大河原さんが「ボトムズ」をやっていらした時期で、同時に2つの番組のメカを全部やるのは手に負えない・・・ということで、サブのメカが僕の方に廻ってきたんです。それはパペット・ファイターを描く前から決まってたのですが、あんなに早くOKが出ると思っていなかったんです」 [スパークリングバイファム]
「今になっても永野は言うのだ。「バイファムのパペットファイターは、どう見てもF-1マシンだからね。僕は当時からF-1マニアだったから」」 [マモルマニア]
「2か月あまりの間に、永野は小型ロケット・パペットファイターを生み出し−とんがったノーズにF-1マシンのボディ、当時の永野の全力を投入したメカだった−。さらに、初めて正式採用された敵メカ=バザムのデザインを任された」 [マモルマニア]
当時はホントにね、スキルもなければ何もないというときに一生懸命描いたものだから、みんなお里ばれしちゃいますよね。このパペットファイターも余分なパーツを取るとわかるんですけどね。これは、F1マシンなんですよ。'80年代のウイングカーというのがいまならわかりますよね。当時はだけもわかってくれなかった(笑)、まぁ、しかたないですね」 [ISSUE・OUTLINE]
「試しにパペットファイターのデザインを発注した。上がったやさしい曲線のデザイン、その両極端の絵に、護の奥深さを感じた。デザインの横に子どもたちのキャラの絵が描いてあり、生き生きとした子どもたちが中心という作品の意図を理解した、護の無邪気な遊び心の駅に温かい気持ちになった自分を思い出した。あー懐かしい」 [ニュータイプ2011年4月号 植田益朗氏]
 
 
[設定画について]
設定画に関しては、永野氏の書き込みやシートタイトル、サインなどが描かれた状態の、所謂完全状態の設定画は現時点では確認されていない
個々の設定画という点では、前面図・下面図・背部図・着艦フック展開図・兵装オープン図・コクピットの6点が確認されている。
(それらはマイアニメ1984年10月号付録設定資料集やコンプリートアートワークスに一括で掲載されている)
なお、当時のプロデューサーである植田益朗氏によると、パペットファイターの設定画の横には子どもたちの絵が描いてあったらしいが、現時点で全く不明な状態。
 
上記のとおり、永野氏の書き込みは現時点で確認されていない。
コンプリートワークスには第三者による書き込みが掲載されているが永野氏の書き込みを転写したものであるのかは不明である。
 
 
[初期稿について]
パペットファイターについては、いくつか初期稿が確認されている。
パーフェクトメモリーP225に掲載された2機と、STUDIOライブの本「らでぃっくVOL.1」に掲載された初期設定、第2稿、第3稿(第2稿はパーフェクトメモリーに掲載された機体と同一)。
これらの機体が永野氏によるものであるか、もしくは他のデザイナーによるものであるかは判明していない。
 
ちなみに大河原氏以外にゲストメカデザインとしてクレジットされているのは市橋一美氏、松岡伸氏、佐藤正浩氏の3名。
佐藤氏はパーフェクトメモリーP249に掲載されたご本人のコメントで27話からの参加であることが判明しており、初期稿に関与している可能性はないと思われる。
市橋氏・松岡氏についても、スパークリングバイファムP151に掲載されたスタッフリストに17・18話のゲストメカデザインである旨が記載されている。
これらの事から、初期稿については大河原氏もしくは永野氏のデザインである可能性が高いが、現時点では誰がデザインしたものであるか不明である。
 
 

 
設定画
上記のとおりシート状の設定画が確認されていないため、各設定画を個別に記載する。
 
当然シート及び各設定画名称は永野氏が描いたものではなく、サンライズスタッフ記載の名称に準拠する。
永野氏によるシートタイトル及びサインも確認されていない。
 

●前面図
斜め前からの視点で描かれた設定画で最もオーソドックスな立ち位置の設定画。
比較的多くの書籍に設定画が掲載されている。
パーフェクトメモリーに掲載された設定画には機体後部に「←諸機能」と注釈が打たれているが、永野氏がそういった書き込みをしたのかは不明。
掲載書籍:アニメック1985年5月号(P61)・マイアニメ1984年10月号付録設定資料集(P31)・パーフェクトメモリー(P166)・コンプリートアートワークス(P64)
 
下面図
機体の下部を描いた設定画。
サンライズスタッフの注釈として「下面 網目部はライディング・スキッド(着艦用ソリ) 車線部はアレスティング・フック(着艦用フック)」と記載されている(コンプリートアートワークスにて確認)。
掲載書籍:マイアニメ1984年10月号付録設定資料集(P31)・パーフェクトメモリー(P166)・コンプリートアートワークス(P64
  
背部図
機体の背部を描いた設定画。
サンライズスタッフの注釈として「背部の後部にはもう1人のパペットが乗ったりモノや武器を積んだりします。」と記載されている(コンプリートアートワークスにて確認)。
掲載雑誌:マイアニメ1984年10月号付録設定資料集(P31)・パーフェクトメモリー(P166)・コンプリートアートワークス(P64
 
着艦フック展開図
機体先端下部の着艦フックと、左右のミサイルポッド下部から着艦用ソリが展開した状態のパペットファイターが描かれた設定画。
サンライズスタッフの注釈として「着艦フックを出した状態」と記載されている(コンプリートアートワークスにて確認)
掲載書籍:マイアニメ1984年10月号付録設定資料集(P31)・パーフェクトメモリー(P166)・スパークリングバイファム(P112)・コンプリートアートワークス(P64
 
●兵装オープン図
原画左右のミサイルポットからミサイルが露出した状態の設定画で、脇にはミサイルの設定画も掲載されている。
ミサイルポット及び機体先端のビーム砲、機体後部のトランク、操縦者の頭部固定部を開設するために描かれた設定画。
サンライズスタッフの注釈が各所に記入(「兵装オープン」「ミサイル」「←ビーム砲」「パペットの頭をロックする」「トランクにパペットの武器等が入る」「パペットのトランク」「←ミサイル・ポッド」)されている。
掲載書籍:アニメック1985年5月号(P61)・マイアニメ1984年10月号付録設定資料集(P31)・パーフェクトメモリー(P166)・コンプリートアートワークス(P64
 
●コクピット詳細図
原コクピット内部及びコンソールパネル・操縦桿などが描かれた設定画。
サンライズスタッフの注釈として「コクピット」「←ミサイル発射ボタン」「ふっとペダルはかなり奥にある」と記載されている(コンプリートアートワークスにて確認)
掲載書籍:アニメック1985年5月号(P61)・マイアニメ1984年10月号付録設定資料集(P31)・パーフェクトメモリー(P166)・コンプリートアートワークス(P64
 
  

 
掲載雑誌
上記設定画及びコメントが掲載されている書籍等多数(というか特筆すべき書籍はない)
※設定画に関しては上記以外にも多数の雑誌・書籍に掲載されていると思われる。
  
 
 トレーラー (1話ゲストデザイン)
 
[機体の概要]
1話用のゲストメカデザイン。
惑星クレアドで使用されている(設定画に書かれたメモ書きによるとスコットが運転したとのこと)

 
永野氏によると、1話で唯一採用されたデザインであるとのこと。
パペットファイターと同様に、永野氏にとって最初期のデザインである(設定画の日付は1983年5月17日)。
「(インタビュアー)一番最初に採用されたデザインはパペット・ファイターとか。 まさかあのメカがレギュラーとは思いませんでしたね。丁度、大河原さんが「ボトムズ」をやっていらした時期で、同時に2つの番組のメカを全部やるのは手に負えない・・・ということで、サブのメカが僕の方に廻ってきたんです。それはパペット・ファイターを描く前から決まってたのですが、あんなに早くOKが出ると思っていなかったんです。1話のゲスト・メカも大河原さんが殆どお描きになったんですが、僕はトラックだけやらせてもらって。2話から小物やゲストメカをやらせてもらったんだけど、僕がこの作品でやった中物って、あのトラックと戦車とパペット・ファイターだけじゃないだろうかって思います。」 [スパークリングバイファム]
 
 
[設定画について]
設定画に関しては、1枚のみが確認されている。
永野氏の書き込みやサインなどが描かれた状態では書籍には掲載されておらず、スタッフ用資料にて確認した。
 
10話にこのデザインを一部改造した幌付トレーラーが登場するが、永野氏によるものなのかは現在確認できていない。
 

 
設定画
設定画は現在か確認されているのは1枚のみ。
トレーラー
斜め前からの視点で描かれた設定画で最もオーソドックスな立ち位置の設定画斜め前2点、斜め後ろ1点が1枚のシートに描かれている。
永野氏による書き込みは「C-9 トレーラー」「くりす830517」の2点。
その他に第三者による「スコットの運転するトレーラー」「右ハンドルです」の書き込みあり。
掲載書籍:コンプリートアートワークス(P87
 

 
掲載雑誌
上記参照
     
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