サイコ・ドーラ  (永野版ヤクト・ドーガ)
 
永野護氏デザインMS大全       
 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 1988公開
残念ながら一切公開されていない。
  
 
 
 
 
 サイコ・ドーラ(永野版ヤクト・ドーガ)
      
 
Zガンダムエースの永野護氏のインタビューで判明した、逆襲のシャアのために描かれたと思われるネオジオン側のモビルスーツ。
ただし永野氏が降板したことにより、一切が謎なままであり、まさに幻のMSである。 
リブート2巻にてこの機体の設定画が掲載された。
設定画には「サイコ.ドーラ」と名称が記載されていたが、男の子用と女の子用の2機が存在、永野氏のコメントでこの機体に乗るのがクエスであると言及している、ファンネルを装備したニュータイプ専用機であることから、ヤクト・ドーガに当たる機体であると考えられる。

 
例によってかなりブッ飛んだデザインであったらしい。それにしても怪獣とは、これ如何に(笑)?
ちなみに、永野氏が「逆襲のシャア」の為にデザインしたMSは、全て怪獣や恐竜をモチーフにした超重装甲のMSであるらしい。
このMSは、デザイン上の系統としてリック・ディアスを継ぐ機体でもあったとのこと。
リブート2巻でついに掲載されたこの機体のデザインは、まさに怪獣といってよい、極めてT常識はずれの外観であった。
何より目を引くのは頭部の形状であり、ハエ叩きが2本角のように生えたデザインを見て、当時のスタッフがどのような感想を抱いたかを容易に想像できる、まさにブっ飛んだデザインといえよう。
上記の通り、ナイチンゲールと似通っている箇所(装甲のスリットや脚部の形状など)も散見され、共通のテーマでデザインされていることが非常によくわかる。 
「ヤクト・ドーガやギラ・ドーガも描いていたけど、それを見て「何これ?怪獣?」とか「いい加減にしろ」とまで言われて。」 [Zガンダムエース]
「ナハトガルのデザインだけでなく、当時富野監督と考えていたMSのラインは全て「ごつく怖い」デザインで進行していたと記憶してます。そのため僕が「逆襲のシャア」で用意したMSのデザインは全て恐竜や怪獣をモチーフとしており、リック・ディアスのラインを進めたイメージとなって、キラドーガやヤクトドーガ、そして再登場する予定だった「Zガンダム改」(リ・ガズィ)までもが超重装甲のデザインとなっておりました。」 
「Newtype2007年1月号綴じ込みポスター]「ある劇場アニメーションに登場する予定だったロボット。ナイチン・・・じゃなかった、謎の未発表ロボット1と同じデザインラインをもつ」 [ファイブスター物語リブート2巻]
 
劇中での登場シーンはα・ジールと同じような役回りを意図していたと思われ、リブートにはクエスが最後に乗る機体(予定)と記載されていた。
ただし、この機体はクエスともう一人の男のキャラが乗ると記載されており、そのあたりはヤクト・ドーガのイメージと重なる。
「クエ・・じゃなかった。まあ、とにかくヒロインの女の子が最後の戦いで乗るロボットとしてデザインされた」 [ファイブスター物語リブート2巻]
(設定画の胸部と腰部に描かれた1というマークについて)1は男. 2は女の子用」 [ファイブスター物語リブート2巻] 
  
このMSが永野氏にとって、ZGから逆襲のシャアまでにおける最後のモビルスーツであったとのことである。
このデザインが後のモーターヘッド群(初代ブーレイ、二代目ブーレイ[ボストーク、T233]、アシュラテンプル)に活かされて言った旨、永野氏により解説されている。 
「その時に、完全にガンダムとの縁が切れたんです。そこまで話さないと、多分僕の「Zガンダム」は語れないし。僕が最初に描いて百式になったプロトタイプのZガンダムから、その帰結点であるヤクトドーガまで、3〜4年かかっているけど、そこに僕の考えるモビルスーツ進化論があったんですよ。」 [Zガンダムエース]
「このロボットはあらゆるMHデザインに流用されたといえるほどだ。シルエットやパーツではなく、装甲ラインのひな形となっている。並べてみればアシュラ・テンプルの腕の装甲や、首から胸部につながる装甲はそのものズバリである。」 [ファイブスター物語リブート2巻]
「ブーレイを経由して謎のロボット2(サイコ・ドーラ)から生み出されたのがこの第3話に登場するMHアシュラ・テンプルである。また、このロボットは第6話の「マジェスティック・スタンド」に登場する2代目のブーレイ、ボストークにもイメージが使用されている。」 [ファイブスター物語リブート2巻]
(2代目ブーレイ[ボストーク]は)見たとおり謎のロボット2の頭部イメージをかなり受け継いでいる」 [ファイブスター物語リブート2巻] 
 
 

 
設定画
デザインされた1987年から23年後、ついにリブート2巻にて初公開された。
正面からの立ちポーズ1枚のみであるが、永野氏によるタイトル、サインも掲載されている。
「For HiS.GUNDUM.the.moviery picture.  サイコ.ドーラ. Mamoru Nagano 87.」) ←一部永野氏による造語と思われる英単語アリ
 

サイコ・ドーラの設定画の横にはクエスと思われる女の子の顔イラストが描かれている。
実際に映画に登場したクエスとはかなり印象が異なっており、永野版クエスといってもよいのではないだろうか。 


 
掲載雑誌
ZガンダムエースNo.001 P84
永野氏のインタビューの中でこのMSについての話が掲載されている。
ニュータイプ2007年1月号 綴じ込みポスター 
永野氏のインタビューの中でこのMSについての話が掲載されている。
ファイブスター物語リブート2巻 P244 
設定画及び永野氏による解説文が掲載されている。
  
 

 

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