甲本ヒロトとのエトセトラ3


ープロレス編ー


浩人さんとプロレスは良く見た。私の部屋にあった今は無いに等しいベータマックスのビデオで新日本プロレスを録画しては、二人で良く見ていた。

当時は、初代タイガーマスク(佐山 悟)が全盛期の時代で、毎週金曜日の新日本プロレス中継を録画後は決まって私の部屋に集まり、酒とポテチを飲み食いしながら


「うお-!」


「すげ-!」


「いて-!」


など、夜遅くまで叫んでいた。そういったワイワイがやがやは、だいたい「Best Hit USA」が始まるPM11時30分頃まで続いた。「Best Hit USA」では浩人さんがいろいろ解説してくれるので、プロレスの騒ぎはだいたいおさまった。

浩人さんは特にタイガーマスクのマスクを破く小林邦明を

「こぎたねーこいつ!」

といつもブーブーいっていた。私もそうでしたが...
何故か全日本プロレスはちっとも見なかった。浩人さんいわく

「馬場はノロイ!だめ!あっぽー!」

だと。そのとうりである。

ジャーマンスープレックスホールドや卍固めなんかのポーズを二人で写真に撮って遊んだことがあった。
その写真がでてきたらプレミアものだろう。なんせ、そのときの浩人さんは


ウルトラセブン級のモヒカン刈り

だったからだ!


ある日のスペシャルマッチ。プロレスファンには歴史に残る、アントニオ猪木VS国際軍団の1対3の変則マッチがあった。俗にいう「猪木の髪斬り事件」のあった有名な試合である。

あのとき髪を切られた猪木が、マイクパフォーマンス。

「お前らな、男の恥を知れこの野郎!」

「お前らな、永久追放させてやるから見てろ!」 ダー!


観衆を一つにまとめる猪木のカリスマ性がすごかったこのシーン。二人で何回も見た記憶がある。飽きが全然こなかった。何回も何回も見た。

私はちなみに浩人さんがデビューしてからのライブは恥ずかしながら見たことがない!

が、きっとこの猪木のカリスマ性をベースに観客と一体になっているのではないかなー。



ある日、浩人さんが変なレコードを聞かせてくれるという。

タイトルは

「イノキボンバイエ!」

猪木の入場シーンに流れるおきまりの猪木のテーマである。別に変なレコードでもないんじゃない?しかし、


「これがおもろいんよ!まあ、聞いてみ!」
とおっしゃる浩人さん。

「イノキボンバイエ!イノキボンバイエ!イノキボンバイエ!」

とお決まりの猪木コールが流れてきた。そのあと良く聞くと

「Fight!Fight!Fight!」

といままで聞いたことの無い声が聞こえる。

「これ、猪木自信がFight!Fight!いうとるんやで!おもろいやろ!」だと。

この部分は、今でこそ流れているが当時の猪木の入場シーンではカットされていた部分なのである。

その後、いつもはトランペットによる演奏が始まるのだが、このレコードでは変な女性ボーカルが始まった。


「いーーーつもーー、いーーーしょなのーー、あーーーいがーーー、あーーるーーーかーーらーー♪」

なんだこれ?

「おもろいやろ!これ、賠償美津子(猪木の前夫人)が歌ってるんやで。」

「いーーつもーー♪だと!」ケタケタケタ



よほど気に入ったらしくいつまでも浩人さんは笑っていた。浩人さんがどこから入手してきたのかは不明である。あのレコード今持ってたらこれもプレミアがついたかも。でも多分、もってないだろーなー。


甲本ヒロトとのエトセトラはまだ続く。

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