甲本ヒロトとのエトセトラ5

ー音楽編ー



「浩人さん、楽譜読めるんですか?」



と聞いたことがある。



「俺なー。楽譜なんかちっとも読めないんよ!」



が回答。私はミュージシャンは絶対、楽譜読めて当然と思っていたのに、この回答には素朴にびっくりした。でも、もっともなんか浩人さんらしい回答である。


浩人さんの部屋からは、歌っている声というのはほとんど聞こえてこなかった。どちらかというと、アンプなしのエレキギターをじゃりじゃりひいている音のほうが、よく聞こえたかな。


なにを思ったのか、ハーモニカを購入して吹いていたこともあった。

何を吹いていたのかは忘れたが、スローテンポな曲がメインだったと思う。でも、そんなに長続きはしなかったけど。


しかも、へたくそだった。



浩人さんが所属していたバンド「コーツ」のライブの様子を、一度だけ浩人さんの部屋でビデオで見たことがある。

ちなみに浩人さんも、私の影響を受けて後にビデオを買っていた。


私が今はなきβに対し、浩人さんは21世紀もばりばりのVHS。先見の目があったのか?


しかし、浩人さんのビデオは何故か



押し入れの棚の中



で稼動していた気がする。




それはそうとして、そのビデオは六本木の小さいライブハウスでのものだった。

最初ヘンテコな奴が歌ってて、そいつからマイクを譲り受け歌い始める。

格好は緑系のジャケットに黒のスリムジーンズ。ジャケットの下は白黒のしましまTシャツ。

なんか、踊るもなく、叫ぶように歌っていた。途中、ボーカルの合間にポーズを取っていたが、ライブにまだなれてないせいか

ポージングが多少ぎこちなく見えた。



「リンダリンダ」が浩人さんが歌っていることを初めて知ったとき、その声の太さに驚いた。

ビデオで見た叫ぶように歌っていた時代とは、明らかに違っていたからだ。多少がっかり。





浩人さんの部屋からは、わけのわからんレコードの曲(多分、私だけがしらないだけ)が、薄い4畳半の壁をつきぬけて私の耳に飛び込んできていた。

浩人さんからいろいろ教えてもらったが、2つのアーチストが結構頻繁にかかっていた気がする。



一つは
セックスピストルズ。

そしてもう一つは

ローリングストーンズ。

セックスピストルズに関しては私自身興味ないので、ノーコメント。

ローリングストーンズはレコードというよりは、ビデオをよく見ていた気がする。

当時レンタルビデオがスタートしたての時代、ストーンズのライブビデオを浩人さんが借りてきて、私も見させていただいた。


ハイドパーク、セントラルパーク


私の記憶に残っているのは、

ギミーシェルター

とかいうライブビデオ。



確か、このライブ中に殺人がおきたとかいう
奴だった。ライブはまじめにみてませんでしたが、こーゆー決定的瞬間ものは興味があるので記憶に残っている。

「これこれ、ここ!ここで人殺してるんだぜ!うぇーー!」

という浩人さんの解説でした。

また、当時公開された映画「Let's spend the night together」を公開初日か、試写会でみたのかかなり速い段階でみたことが感動したみたいで


「ミックがオープニングでUnder my samを歌うとき、ステージにあがったとたん、すごい人が見えてくるんだぜーー。すごかったーー!」




てな、ことを言っておりました。

浩人さんはほとんどブリティッシュロックしか聞いてませんでした。

それでも、当時の「Best hit USA」や「Tokyo Rock TV」等を見ながら私にいろいろ教えてくれたり、ぐたぐた言ったりしてました。
そこで私の記憶に残るアーチストとそれにまつわる浩人さんとのトピックをざっくばらんに羅列しよう!



ーブームタウンラッツー
「I don't like Monday」の大ヒットを生み出したグループ。ボーカルがたしか、かなりのカリスマ性のある
人だったとと思ったが、名前をド忘れしてしまった。その人が「I don't like Monday」を歌う際
浩人さんは

「ライブにきてる奴がみんなが、その曲の間中ずーっと片腕を上げっぱなしにするんだぜ!かっこええーーよ!」

とか言って絶賛していた。



ーKaja Goo Gooー
もうとっくに解散しているのでは?と思うグループ。リードボーカルのリマールが「Never Ending Story」の主題歌を歌ってたと思う。

浩人さん音楽には何もブーブー言ってなかったが、一時期リマールの髪型に
近くしていた時期があったかね。リマールを意識してたかどうかは知らないが。その後ウルトラセブン級モヒカンに早変わり。



ーUltravox−
浩人さんに「おれどっちかっていうと、ギターがガンガンでボーカルがうるさいよりは、もっと
キーボードが入ってて、ドラマチックな音楽がいい。」と私の好みを行ったことがある。その回答が



「それじゃNew Romantics Movementがええで。」



と推奨音楽ジャンルを教えてもらった。New Romantics Movementはグループ名ではなく、当時の音楽ジャンルの一つらしい。この一言で私は「Ultravox」のとりこになってしまう。



ーBilly Idol−
昔はかなりのパンクロッカーだったらしい。それが、ソロになって「Best Hit USA」にでるようになってきた。

ちょうど”Level Yell”なる曲を歌ってたころ。その姿が浩人さんにはかなりひ弱に見えたのか、

「お前ー!もっとパンクれーー!パンクってくれーーー!お前はこんなはずじゃなかったはずだーーー!」

と嘆いておりました。私は、今でも十分パンクしていると思ってたので、これ以上パンクるとどーなるのか?
と素朴な疑問を抱きました。



ー日本の某ロックグループー
名前忘れた。「スコーピオ」だったかな?まちがってたらごめん。

糞尿を投げつけるバンドということで、ライブ会場が鬼気迫るものがあるということを浩人さんから教えてもらった。

そんなとこだれが行くか?まさに「くそ食らえ!」と思った。




まだ、いっぱいありましたが忘れてしまいました。そのうちフラッシュバックの如く思い出すかもしれません。



甲本ヒロトとのエトセトラは次で じ・えんど。

ライン