蛍

 

小倉どら様より

 

泰継は呆然とその場に立ち尽くした。

 

――幻だった…というのか…あれだけ鮮明なものが…

  なぜ私に見えたのだ。

 

そんな泰継のもとに先ほどの光が近づいて来た。そして、泰継が手に

している笛に止まった。よく見るとそれは一匹の蛍だった。

 

――やはり蛍?

 

その蛍は再び笛から離れ、泰継の周りをゆっくりと回った。

泰継はその蛍からよく見知った気を感じ取った。

 

――これは…永泉!?

 

蛍は嬉しそうに泰継の頭の上を旋回すると、やがて上空へと飛び去って

行った…

  

                 『ガラスの器』番外編「蛍」より

 

こちらのイラストも小倉どら様より頂戴いたしました。

本編の方ではなく、番外編の「蛍」のイラでございます。

永泉の笛をギュッと握りしめたまま淋しげな表情で

蛍をじっと見上げながらたたずむ泰継さん…

う〜、もうたまらないですね。p(≧▽≦)q

駆け寄って、思わずギュ〜したくなっちゃいます〜

 

どら様、素敵な泰継画を本当にありがとうございました! 

 

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