なぜ泰明は髪形を変えたのか3
――な…なんだというのだ。私のどこかが変だというのか?
泰明は自分の服やら何やらを見回した。だが、別段おかしなところは見あたらない。しかし、やはり通る親子、通る親子がみんな泰明の方をじろじろ見ながら何やらささやいている。
――いったいなんだというのだ!!
憮然とした表情で待つ泰明に清浄な気が近づいてきた。それは、もちろん泰明の最愛の人、あかねだった。
「ごめんなさい、泰明さん。ホームルーム、長引いちゃって。」
あかねは手を振りながら走り寄って来た。