シャラン・・・

シャラン・・・シャラン・・・・

今はもう聞こえなくなったはずの鈴の音が

あかねの耳に届いた

『愛しの我が神子・・・・』

さらに聞こえてきたのは龍神の声

『龍神様！？』

夢のなのだろうか・・今自分は泰明の腕の中で眠っているはず

『神子・・・私から聖なる日を祝い贈り物を・・・地の玄武ともに、大きな木がある丘へ』

シャラン・・・

シャラン・・・シャラン・・・

鈴の音が再び鳴るとあかねは眠りへと引き込まれていった

『大きな・・・木・・・・』

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「そうか・・・あながち夢だけでは片づけられないかもな・・・」

あかねから夢の事を聞いた泰明は暫し考えた

「泰明さん・・・・」

「行ってみよう・・・その場所へ。今日はクリスマスイブだろう・・・何かあるのかもしれない」

泰明の言葉にあかねはカレンダーを見た・・そう今日は１２／２４クリスマスイブだった

「うん・・・大きな木がある丘って・・・きっとあそこだね」

二人が現代へ戻ってきて初めて遠出した場所が、大きな木が１本だけ立っていた丘

その丘から眺める景色はとても美しくて・・・

泰明とあかねは時間があればそこへ出かけて二人だけの時間を過ごしていた

「早速出かけようか？あかね」

「はい、泰明さん」

二人はすぐに支度を整えると、目的の丘へと目指した





そしてそこで見た物は・・・・

金色に輝いた木

「これは・・・・」

「泰明さん・・どうなってるの？」

驚いている二人の耳に懐かしい人たちの声が聞こえてきた

金色に輝く木から光の玉ととも現れた影

光の中から現れたのは鬼との闘いを共にした仲間達だった。

「みんな・・・藤姫まで・・・」

「これは一体・・・・」

「俺達もいるぜ！！」

「龍神様からの贈り物だよ、あかねちゃん」

泰明とあかねが声のする方へ振りかえると、そこにはいつの間にか天真と詩紋が立っていた

「天真君に詩紋君！！」

「なるほど・・・聖なる日に私達と元八葉を逢わせてくれたのか」

二度と逢うことはないと思った仲間達との再会に

あかねの瞳に涙が浮かんだ

「嬉しい・・・ほんのわずかな時間でもみんなと過ごせるのね」

「はい・・藤も嬉しゅうございます」

「天真・・久しぶりだな」

「おう・・頼久も変わらなさそうだな」

「イノリ君、元気だった？」

「おう！！俺はいつでも元気だぜ、詩紋も元気だったみてーだな」

「こうしてかつての仲間と過ごせる時間をくださった龍神に感謝ですね」

「ふふふ、相変わらずだね、鷹道。今日は思う存分楽しまないとね、せっかく神子殿と泰明殿・・・

そして天真、詩紋もいることだから」

「泰明殿・・・神子とお幸せに暮らしているようですね、安心いたしました」

「永泉・・・」


金色に輝く木の下で、再会を祝いあうあかね、泰明そして元八葉達

そしてそんなあかねたちの元に天からさらなる贈り物が・・・


ふわ・・・

ふわふわ・・・・

ふわり・・・

「雪・・・」とあかね

「雪ですね、神子様」頷く藤姫

「これも龍神からの贈り物ようだな」目を細める泰明

「ああ・・・やってくれるな、龍神」笑顔の天真

「ええ・・・素晴らしい贈り物ですね」天を仰ぐ鷹道

「大切な思い出ができました・・・」感慨深げな頼久

「私もです・・・八葉であったからこそこうしてここにいられるのですね」降る雪に手を差し出す永泉

「聖なる夜・・・僕達にとって一生忘れられない日になったね」詩紋も嬉しそうに呟く

「そうだな・・・俺も絶対忘れないぜ、今日見た雪とみんなのことさ」詩紋の隣でイノリも

「ああ・・・どんなに遠く離れても今日という日を忘れることはない」友雅の横顔も嬉しさに満ちていた


シャラン・・・・


『愛しの我が神子と仲間達へ・・・私からささやかな贈り物を・・・』


「泰明さん・・・聞こえた？」

「ああ・・・しっかり聞こえた。龍神に感謝だな」

そっと肩を抱き寄せた泰明に身体を預けるあかね

静かに舞う雪を見ながら

泰明とあかねはみんなと共に聖なる夜を過ごした






Merry Christmas
＆
Since it is a friend forever