+ 赤石路代 + | ||
P.A. 全8巻+特別編 | 小学館fc | くるくるアクトレス度 ★★ |
天才的な演技の才能を持つ女子高生、小早川志緒。彼女のアルバイトは個人的に依頼された人間を演じるプライベート・アクトレスだった。 Part1 たとえばハイネみたいに(1)…本当は死んでしまった娘を演じる話。この作品を読んでハイネに興味を持ちました。全編を通して1番よくまとまっていた話ではないでしょうか?悲しい話だけど、こういうの好きです。。 Part2 正しいショパンの楽しみ方(1)…志緒の兄登場。今回演じるのはその兄の恋人。ちなみに志緒の父は妻子ある俳優、母は未婚の女優。なかなかすごいプロフィールです。 Part3 シェイクスピアの卵(1)…離婚するための不倫相手を演じる話。志緒が学校で病弱な美少女で通っているのがすごい。ぼろはで ないのか?台本すぐ覚えたり、クラスの芝居にでたりしたら、一発で演技上手いのはばれてるだろうに・・・。 「ヴィヴィアン・リーが殺した」(1)…人気アイドル神崎ゆなが死んだ。現場には誰かが居た形跡が。事件を担当する刑事は彼女とそっくりなもう1人のゆなに出会うが・・・。ミステリィっぽくてなかなか面白かったです。ヴィヴィアン・リーって「風と共に去りぬ」しか知らなかった。 Part4 ウエディングはヒッチコック風(2)…大女優を母に持つ男のお嫁さんを演じる話。殺されかけても演じるというのが、まさにPAという感じ。 Part5 ルノアールのささやく日(2)…演じるのは死んだはずの母親。「はず」という所が微妙で・・・。この回の志緒はアップヘアが多かった。たまには(作者が)気分転換?ルノアールの絵は好きです。 Part6.7ナイチンゲールはどこへいった(2)…知臣登場の回。後半すっかり足を洗って忘れてたけど、彼もP.Aでしたね。今回、志緒のP.Aはなかったです。 Part8 ヴェルレーヌの手紙(3)…入院した少女の代わりに文通相手に会いに行く話。P.Aの依頼主の杏子ちゃんが初々しくて可愛かったです。 Part9 だから赤毛のアンは嫌い(3)…演じるのは身辺整理をしたい男の婚約者。ドロドロしてますね。私は「赤毛のアン」わりと好きだったんだけどなぁ。 Part10 アガサは4:00にお茶を飲む(3)・・・志緒の家のペルパー森さんの娘を演じる話。森さんは優しく強い「母」でした。 Part11 ディケンズをみてごらん(3)・・・クリスマスに志緒が引き受けたP.Aは、お手伝いさん。普通のお手伝いさんかと思いきや、死んでいる奥さんが生きているふりをしなければならなくて・・・。クリスマスということで少しロマンチックな話でした。 Part12 ダリのいる部屋(4)・・・今回は、お隣に引っ越してきた女の親友役。そいうえば、ご近所は志緒の母親が永沢さゆりと知っているのだろうか? Part13・14 モナリザは微笑む(4)・・・十文字花菜登場。女子学園内で起こる不可解な死亡事故の謎を探るため中学生になってのりこむ志緒。PAというより探偵のようだ。ちなみに十文字花菜は再登場します。 Part15 サロメの口づけ(4)・・・志緒ではなく知臣のPA。演じるのは志緒のクラスメートの彼氏。お見合いを断るためだというが、実はその話には裏があった!!・・・知臣がPAやめるのってけっこう早い巻だったのですね(意外) Part16 ヨハネの消えた町(5)・・・占い師ヨハネ。彼を演じた後、知臣が姿を消してしまう。残された志緒は知臣を探そうとヨハネと接触するが・・・。知臣の家族関係が出てきます。やたらと複雑な出生の2人です。) Part17 Queenで終わる夏(5)・・・志緒の初PAの話。HIVに感染した男の子のGF役だったが、実は志緒は相手のことが好きで・・・。追悼の夏という感じ。中学生の志緒がかわいいです。 Part18 ジャック・ザ・リバーへの伝言(5)・・・死んだ娘の生まれ変わりを演じる志緒。いい話した。父親がらみのPA多いですね。 Part19 グレース・ケリー発見記録(5)・・・演じるは冷泉院家の令嬢碧子。たしかに本物より本物っぽい。はてさて、志緒はグレース・ケリーになれるのか? Patr20 吉宗とティータイム(6)・・・家出した孫娘を演じて祖母に会いにいく志緒。志緒のすずを待っていてくれたおばあさんが暖かいです。 Patr21 2人の源氏(6)・・・今回の役は人気モデルの婚約者。なんなく終わったPAだが、志緒はその後が気にかかり・・・。源氏といっても頼朝ではない。わりとマイナなのをタイトルに持ってきた気がするのは私だけ? Part22 ナポレオンの泣いた夜(6)・・・永沢さゆりの乗った船が事故に!志緒は父と共に母を捜しにバルト海へ向かう。とうとう父親に志緒が娘だとばれてしまいました。母も事故に巻き込まれるし、知臣は前回から実家のお家騒動に巻き込まれるし・・・。波乱模様です。 Part23 その時ロミオは16だった(6)・・・かけおち相手を演じることになった志緒。実は目くらまし用で本人達は志緒が気をそらしてる間にかけおち実行予定。はたして成功するのか?かけおち・・・最近あまり少女マンガでもみなくなったな。 Part24 夏色のモンロー(7)・・・母のライバル大地瑠璃子の付き人役の話。いい性格した母子です。 Part25.26 クレオパトラの瞳(7)・・・1人の女優が死んだ。彼女の役を受け継いだのは付き人だったという少女、両堂沙都香。志緒は彼女が十文字花菜だと確信する。というわけで、十文字花菜再登場。なんとなくパワーアップしてる気がします。が、花菜の方が迫力はあったかも・・・。 Part27 マスオさんになりたい(7)・・・ほのぼのPA。今回はパッとしないサラリーマンにラブレターを送る謎の少女を演じる。マスオさんからしてみれば、まさに謎の少女だろう。 Part28 ルビーになりたくて(8)・・・志緒が偶然出会った外国人の女の子。父に会うために女優を目指す彼女を志緒は応援するが・・・。唇が気になる。ルビー・モレノって何演じた人かしらん? Part29 キリストは来ないだろう(8)・・・フィレンツェ映画祭に来た志緒は、そこで爆弾爆破事件に巻き込まれる。再登場のメンバーが何人か出てます。 Part30 キング・アーサーの一週間(8)・・・本格的に映画デビューが決まった志緒。しかし、知臣のゴシップ記事が耳に入り演技に集中できなくて・・・。今回はPAないです。最近、沙都香が目立っててすっかり知臣の存在を忘れてました。 Part31 SHIO'S LAST ACT(8)・・・十文字花菜との最終対決。そして、志緒の最後のPA。再び共演することになった2人が最終対決をする。とうとう最終和になってしまいました。ちょっと寂しいです。ところで、作中の芝居がかなり気になりました。明治か大正辺りの雰囲気の衣装を着てますよね。気になるなぁ。キャスト志緒と花菜のままでいいから、そっちも読みたかったです。 特別編P.A1 ジェームス・ディーンに花束を・・・志緒は交通事故で死んだ男のために花を供えて欲しいと依頼される。しかし、事故には意外な真相が隠されていた。ドラマを含んだ真相でした。2時間サスペンスができそうです。 特別編P.A2 ヘプバーンは休日中・・・大富豪の息子の見合い相手を演じる志緒。やんわり断って終わるはずの仕事で・・・。よく読み返してみれば、確かにPart9にサイードが!ヘプバーンというより「ローマの休日」というところでしょうか(人名なくなっちゃうか)。 特別編P.A3 3時間のドイル・・・玲子の芝居を観劇にいった志緒は稽古中に負傷した彼女の依頼でP.Aとして舞台に立つことに。はたして、玲子を負傷させた犯人は誰なのか?「サイレント・アイ」の主人公、槇村愛梨も登場してます。 かたつむりの時間・・・学園サスペンス。カタツムリって雌雄同体だったのですね。知らなかったです。 |
+ あしべゆうほ + | ||
悪魔の花嫁 | 秋田文庫 | はっきりしない悪魔度 ★★ |
手元に本がないので詳細な内容が書けませんが、悪魔に惚れられてしまった美少女の恐怖オムニバス。 心弱い人間達や、無邪気で残酷な天使、打算的で妙に人間臭い神様などの中でヒロインの美奈子だけが妙に清純です。「清く正しく美しく」を地でいっております。(しかし、その「清く〜」も時に罪作り。なんだかなぁと思うことも多々あったり)円満解決する話がめったになく、人間(時に神)が欲や打算・または弱い心で身を滅ぼす(?)というものがほとんどです。 私はヒロインの美奈子より、彼女の前世でディモスの恋人のヴィーナスが好きでした。ドロドロに不幸な人です。あまりの不幸っぷりに性格が歪みまくってます。それでも一途にディモスを思いつづける…もう執念ですね。結局、三角関係の方(花嫁うんぬん)は完結しないままに完結なのかな?なにはともあれ、面白いです。 |
+ 川原泉 + | ||
空の食欲魔人 | 白泉社文庫 | 食欲そそる度 ★★★ |
食欲魔人が集まった傑作集。よくも、これだけ「食べること」をネタに笑いが発生するものだと感動する。笑いながら、哲学と妙な知識が増える漫画。(ただしダイエット中に読むのは危険!) 「空の食欲魔人」…くだらないことだが「あるある!」と手を打つこと多し。多分、多くの人が登場人物に奇妙な親しみを感じるのだろう、とマーブルチョコ喧嘩を読んで思った。 「空の食欲魔人 カレーの王子さま」…食欲の前には理論は通じない。が、弘文もみすずも、お互い人を見る目だけはあったということか。 「陸の食欲魔人 アップル・ジャック」…意味もなく自衛隊の知識がちょっとつく。「意味もなく」というところがポイント。 「海の食欲魔人 不思議なマリナー」…意味もなくサカナの知識がちょっとつく。釣りから、海上保安庁、果ては大和の海神へ。何処まで広がる魔人ワールド。 「青い瞳の食欲魔人 ミソ・スープは哲学する」…偶然の回数は無視しよう。大雑把に笑いとばそう。そう読んだ方が絶対に面白い。 「宇宙の食欲魔人 アンドロイドはミスティ・ブルーの夢をみるか」…ついに宇宙へ進出したか、食欲魔人よ!ナッシュの壊れっぷりがみごとだ。 「進駐軍(GHQ)にいうからね」…暗いおじさんと宿無し女子高生の話。この程度の年齢差、問題にならなかった頃の作品。今だったら女子高生と付き合うおじさんなんて「援交」とか言われてしまうな。 「3月革命」…ラブロマンス。少女漫画。ロマンチックな話のわりに、妙に現実的な2人だ。 「月夜のドレス」…「3月革命」より少女漫画の空気を感じる。ラスト・ダンスの2人が幸せそうだった。 2002.1.16 |
+ CLAMP + | ||
白姫抄 | ASUKAコミックス(角川書店) | ザ・日本昔ばなし度 ★★ |
「降る雪は白姫の涙」。雪山を舞台に繰り広げられる3つの悲劇。昔話のパターンをふしゅうした物語と和物風の絵柄が良い感じの1冊。 「牙狼の山」…父の敵を討つために雪山へ入った娘と彼女を助けた狼との交流。「動物と娘もの」。ちなみに狼の名前は「犬鬼」。どこかで聞いた名前ですね(笑) 「氷の花」…再開を約束して判れた男と女。男は長い歳月の後にやっと女の元を訪れる。「待つ女もの」です。往々にして女は死んでたりするんですよね。さて、この女性の場合は…? 「比翼の鳥」…戦に借り出され、雪山に迷った男。彼の前に現われた髑髏を抱く女。女は救いの神か、それとも死神か…。「化けて出るもの」とでも呼びましょうか。CLAMPはこういう儚げな女性を書くのが上手いですね。 2003.12.30 |
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聖伝 RG VEDA | WINGC | 死亡率高し度 ★★★ |
CLAMPの初期作品。絵と内容が濃いです。しかし、カラーイラストは綺麗だった。 天の神々達を主人公にした宿命と絆の物語。 北に住む夜叉族の若長、夜叉王は、その武勇から「北の武神将」とも呼ばれていた。ある時、彼は昔馴染みの星見(預言者)「九曜」の星見に従って、自分を殺すという滅びの子を目覚めさせる。その子どもこそ、闘神阿修羅王の御子「阿修羅」だった。運命の歯車は廻り出す。星見の予言通りに…。 「阿修羅復活篇」(1)…初登場の阿修羅って小さくてかわいかった。微妙に成長してるんですね。 「ほし祭」(1)…前回に引き続き、暗い話です。技藝が強くてさばさばしててよい感じです。阿修羅はここからラストまで髪留めをしたまんまです。 「非天の炎 天主の雷」(1)…番外。阿修羅王と帝釈天の過去話。十二神将の仮面って変です。阿修羅王はいつも、こんなむさ苦しいのを12人も連れてるのか。 「道灯」(1)…阿修羅と夜叉の親子ほのぼの劇場。もう「かってにやってくれ」です。 「六星群嵐篇1」(2)…帝釈天の御世を打ち破ると予言された「六星」が続々と登場してきます。(阿修羅・夜叉も含む)登場人物達がどっぷり不幸です。そんな中、一際爽やかな龍王。その明るさに拍手です。 「六星群嵐篇2」(3)…不幸度ヒートアップの第3巻。迦羅、倶魔羅、迦陵頻伽、続々と不幸になってゆきます。 「氷城炎獄篇」(4)…カバーの紫と金がきれいです。魔族退治の話。夜叉と阿修羅より孔雀が目立ってます。 「蒼王飛翔篇」(5)…迦楼羅王がとうとう出奔。佳境かと思うきや、一方では、天王を巡る恋の争い。天王って平和です。う〜ん、それでも阿修羅と双子か?(あの両親から生まれたとは思えん) 「追想」(5)…番外。龍王ママの過去話。チビ那迦はかわいかった。 「牙狼争覇篇」(6)…夜叉王には弟がいた!兄弟対決と夜叉王の決意の巻です。ちょっと感動する話です。本編には全く関係ありませんが、あとがき漫画に登場した増長天の幼妻にびっくりです。 「非天征戮篇」(7)…また新たな登場人物です。彼女も例にもれず、悲しい運命を辿ります。今更ですが、けっこうグロテスクですね。流血とか…。 「非天夢魔」(7)…番外。阿修羅王の回想(先見?)。阿修羅王って阿修羅以外の人はどうでもいいみたい。もっとも、この作品の登場人物って1番大事な誰か以外は眼中にない人ばかりですね。 「非天征戮篇」(8)…加瑠羅王の合流で、六星があと1人になりました。阿修羅と天王の邂逅編です。 「往世」(8)…別題「天王の恋」。こんなほのぼのした話が本当に聖伝なのか!というくらい幸せモードです。(死人が出ないし←これが1番の驚きだ)。 「双城炎雷篇」(9)…膳見城へ突入でクライマックスです。とうとうけんだっぱ王が正体を現しました。全員の運命がかなり衝撃的な結末を迎えます。 「双城炎雷篇2」(10)…どうして殺しあわなくてはならないのでしょうか。不条理を感じます。10巻かけて、このラストへ向かってきたと思うとそれなりに納得はできますが、やはり神様の話なんですね。(不条理な辺りが)それにしても死亡率の高い漫画です。 2002.1.15 |
+ 曽祢まさこ + | ||
魔女に白い花束を | 講談社漫画文庫 | ザ・不幸度 ★★★ |
母を魔女裁判で奪われ、自分も魔女にされてしまった少女の物語。原作の絵本があるようです。主人公のグレートリに対して、これでもか、これでもかというくらい不幸がおしよせます。誰か救ってあげてくれ。気持ちが沈んでいる時には読まない方がよいです。 |
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