+ 案内 + + 伝言 +
+ 宇野千代 +
行動することが生きることである
 生き方についての343の知恵
集英社文庫 夢中で進む人生も有り度 ★★
各章のタイトルテーマにあわせて、宇野さんの言葉や文章が抜粋された持論集。
343もの知恵が集まると、一見、矛盾するような言葉も現れてくる気がするが、そこは匙加減だろう。はきはきした潔い文章は気持ちが良い。この位、颯爽と生きられたらいいなと思う。といっても、渦中の時の宇野さんは颯爽というよりも無我夢中という感じではあるが…。無我夢中で進んでいるから、後々時間を経て降り返った時にこんなにも爽やかなのかもしれない。とりあえず、無条件に信じてあてにしてもよい言葉が、1つはあると思う。
                                                          2002.12.8
幸福人生まっしぐら 大和書房 「あきれちゃうわ」な人生度 ★★★
今が苦しくて仕方なくなったら、再読します。どんな時でも「あきれるでしょ」と笑って言えたらスゴイと思う。

 

+ 忍足亜希子 +
私が私らしくあるために 大和出版 誰の前にも世界は開く度 ★★★
ろうの女優、忍足亜希子さんの書かれたエッセイ集です。芝居をする彼女を見て読んでみようと思いました。個人的に、エッセイ集は著者の(いろいろな方向の)エネルギーをひしひしと感じるものが好きです。この方も舞台に立たれる方だけあってパワーがみなぎってます。目が見えないというハンデがあるとは思えないバイタリティと好奇心です。どんなことにも「なんでもやってやろう!」という姿勢、とても頼もしいなと思いつつ読める1冊でした。
                                                          2002.10.1

 

+ 川原亜矢子 +
シンプル・ビューティー 幻冬舎 美は一日にしてならず度 ★
モデルであり、女優でもある川原亜矢子さんのおしゃれに関するエッセイ。
美容やおしゃれに関して、川原さんの実体験を基にするアドバイスが主な話題でした。、エッセイというよりは実用的な本ですね。比較的簡単な実例が多いので、すぐに試せます。洋服のポラロイド写真を使った整理法が面白そうでした。文章も内容もアクが強くないので、サラリと読めました。川原さんといえば愛犬ソレイユちゃんも有名ですが、口絵写真に一緒に映っているソレイユがかわいいです。やっぱり、レトリバーはかわいい♪
                                                          2003.1.12

 

+ さくらももこ +
そういうふうにできている 新潮文庫 かくて女は苦闘する度 ★
「ちびまるこちゃん」のさくらももこが、自分の出産体験にまつわるドタバタを書いたエッセイ。妊娠判明からはじまって、産院選びやらマタニティブルー、さらには命名作業など、様々な話題が登場する。一応、自分も女性なのでいつかは訳に立つかもしれないと思い読んでみた。が、読んでみたら可笑しい。渦中では大騒ぎしていたことも、後になるとまるで他人事のように冷静に振りかえっている所が面白い。実用面(出産に訳に立つか)は謎だが、読み物としては面白かった。巻末にビートたけしとの対談もあり。
                                                          2003.1.25

 

+ 陳舜臣 +
妖のある話 中公文庫 世に妖しきは女なり度 ★★
中国文献に残る女性や女性に関するエピソードを元に、著者が思うままに綴るエッセイ風読み物。
女性に宰相にはついて欲しくないとか、感情的だとかいう部分が気にならなくもないが、あんまりむきにならず「そうなのかなぁ?」と思いながら、気楽に読める本。面白かったのは年齢の話。若くして死ぬことを「夭折」というが、男は50才まで、女は10才未満だそうだ。死んだ年齢により言い方が決まっていて、男は長生きするほどめでたくなる。(福・寿・祥など)反対に女は、甚、変、魅(魑魅魍魎の意味)など長生きする程酷い言われようで、ついには、「怪」となる。「そこまで言うか!」という感じだが、分からなくない気もするので困ってしまう。(ちなみに怪(80代で死ぬこと)の前は妖(70代で死ぬこと)。「アヤシイ」。併せると「妖怪」になる。)有名所の王昭君やディズニー映画にもなった木蘭なんかの話もあって、中国好きには楽しい1冊だった。
                                                          2002.12.11

 

+ 藤沢優月 +
夢をかなえる人の手帳術  ディスカヴァー 手帳は時の軸なり度 ★
手帳を上手に活用した時間管理法の本。
友人の発表会の日にちを勘違いしてダブルで予定をいれてしまったのがショックで、その帰り道でついつい買ってしまった本。格別目新しいことが書いてあるわけでもないのですが、大きな流れの「旬予定」とか「時間軸のある手帳」とか、今まであまり活用したことのないものもあったので利用してみようか検討中。これで、多少でも無駄な時間が減ると嬉しい(でも、ボ~っとするの大好きだからなぁ)
                                                          2003.11.22

 

+ 群洋子 +
ネコの住所録 文藝春秋 珍妙なるはネコなり度 ★
生物について思うままに綴られたエッセイ。こう書くとかなり高尚な内容の本に聞こえるが、そんなご大層なものではない。楽しく読んで、楽しく笑う。それが醍醐味。1話が短いのでちょっとした休憩に読めた。内容も「そういうことってあるな」と頷ける物多数。タイトルにあるネコから、お馴染みのペットのイヌ・トリ、はては昆虫やら「ろくろっ首」やら…。いろんな話題が出るが、著者はどちらかといえばネコ贔屓。イヌ派の私としては少し悔しいが、ネコの日常もとても面白いので許せる。近所に散歩に出てノラネコに会いたくなる1冊だった。
                                                           2003.4.2

 

+ 森博嗣 +
封印サイトは詩的私的手記 幻冬舎 ヘリクツは思考なり度 ★★
日記的エッセイ集、第3段。1999年にHPで実際に毎日更新されていたものです。
緻密と怠惰が入り混じった日常と、論理的なのか適当なのか判らないヘリクツ。しかも365日分。書いた人も書いた人なら、出版する方も出版する方。それ以上に、買ってしまった自分が悲しい。書店に数日通って迷いまくって、ソフト・カバーで買ってしまいました。(つまり文庫じゃない。現時点で前作2作が文庫化されているので、もうちょっと待てば文庫がでるかもしれないのに…。)しかも、この本は厚いので保管場所に困ります。まぁ、おまけ漫画と折込み紙「日刊トーマ日報」で十分もとはとったかな。
                                                          2003.1.18
すべてがEになる 幻冬舎 継続は量なり度 ★★★
本屋や目録で一瞬目を疑うタイトル。森博嗣のミステリィ「すべてはFになる」の誤植かと疑いました。中身は彼が自分のサイトで公開していた日記(本として発刊予定だったのだからエッセイ?)。365日分の日記は読みごたえがありました。そして森博嗣的ヘリクツも読みごたえがあります。こんなに長い日記を書けるなんて、どうやって時間を使ってるのでしょう。(仕事の量も半端じゃなさそう)     

 

+ 森茉莉 +
魔利のひとりごと 筑間書房 贅沢は精神なり度 ★
森茉莉の美意識あふれるエッセィ集。但し、あくまで森茉莉自身のこだわりである。一般的美意識ではない。石鹸を「サヴォン」と読んだり、「風呂」ではなく「沐浴」をしたりする世界である。彼女と波長が合えば面白くよめるだろう。彼女が好むためルビにはフランス語が多い。音の響きは綺麗であるが、カタカナとしてはどうにも読みにくい。フランス語を選択していない私としては、声に出して読みたくない本の1冊である。毎回1枚、佐野洋子によるイラストが付いている。そちらも中々の見物だった。
                                                          2003.5.16

 

+ 宮部みゆき/室井滋 +
チチンプイプイ 文藝春秋 類は友なり度 ★★★
宮部みゆきと室井滋の対談集。
毎度毎度、美味しいご飯と供におかしな話題に興じるお二人。エッセィやテレビでお馴染みの室井滋は元より、作家宮部みゆきもこんなに面白い人なのかと認識を改めた(もっとも、あれだけ面白い小説を書く方なのだからご本人も面白くないはずはないか?)味のある下町話や嘘のようなタクシー話もよかったが、やはり故郷訪問のご飯のくだり。非常に美味しそうだった。ダイエットしてる人は読んではいけない本である。
                                                          2003.5.18

 

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