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+ 江國香織 +
すみれの花の砂糖づけ 新潮社文庫 赤裸々コトバ度 ★
本屋さんで突発的に手にとった詩集。タイトルから極甘な砂糖菓子めいた印象を受けた。読み始めれば,最初の極甘な印象はどこへやら。サッパリした口調に、際どい所をズバリ言ってしまう潔さ。甘さなんて、何処かへ飛んでいってしまった。恋愛してるのに、頭が冷めていくような感じだ。けれど、酷く冷静にみえて、実はとても優しい言葉の集合体だったりする。きっと、この方は人間がとても好きなのだろう。個人的な嗜好になると、1番気に入ったのは「ぐわりとさびしくなるでしょう」。ゾクゾクした。「ぐわりと寂しくなる」なんて言い方、はじめて聞いたのに、これ以上の言葉なんかみつけられないと思う。
                                                         2002.12.5

 

+ 佐藤弓生 +
新集 月的現象 沖積舎 月の見えた世界度 ★★★
高校生の時に図書館で手にしました。私の書く詩はこの詩集の影響を多大に受けているようです。「月的現象」というタイトルですが、ちゃんと昼の詩も多数あります(笑)なんというか、独特の不思議な感触のする詩たちです。個人的に「花園」と2章の冒頭詩(文かな?)が好きです。読んでるとどっか遠くへ頭の中を連れていかれてしまいます。そういえば、表紙折返しに長野まゆみさんがコメントを書かれてます。

 

+ 双 +
魚ノうた HP:月ノ舟 詩的紙的コトバのコエ度 ★★★
HP「月ノ舟」の双さんが作られた手作り詩集です。和紙とブルーインクの和綴じ本。とっても雰囲気があります。書かれている詩はHP掲載作品から。アンケート結果によって選ばれたそうです。もともと胸が痛くなるような素敵な詩の数々なのですが、画面上で見るのと紙面で見るのとでは、また違った味わいがあります。1人静かに物思いにふける夜更けに手に取りたい…そんな詩集です。(※この和綴じ本の販売は終了しました)

 

+ 前叶人 +
水の月 新風舎 鋭利な繊細度 ★★★
HP「砂漠の魚」の前什人(さきとをり)さんの詩集です。HPで公開されている詩もとても繊細なのですが、さらに昔の作品達ということで鋭いナイフのような危うさが漂っております。たぶんその「危うさ」がこの詩集の魅力なのだと思います。最後の「ながいながい海辺の昼」が苦しいような哀しさでいっぱいです。この詩集にかぎらないのですが、擬音語の使い方がとても上手い方です。

 

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