阿蘇の山々

五岳イラスト

ア 阿蘇五岳
 九州の中央に位置し、火の国熊本のシンボルとして親しまれている阿蘇は、阿蘇五岳を中心に世界最大のカルデラと広大な外輪山から成り立っています。阿蘇五岳とは、中央火口丘を構成する山のうち、東から根子岳、高岳、中岳、鳥帽子岳、杵島岳の5峰の総称で、このうち中岳だけが今日でも火山活動を繰り返し噴煙を上げています。北外輪山方面、特に大観峰からの眺望はすばらしく、五岳の山容が釈迦の寝姿に似ているところから涅槃像と呼ばれ親しまれています。

イ 根子岳(1433メートル)
 涅槃像にたとえられる阿蘇五岳の顔にあたる部分が根子岳で高くそびえる鼻が天狗岩である。ギザギサの稜線は特徴的で化け猫の伝説などで良く知られた山である。その後の研究で陥没した旧火山の一部(外輪山の一部)で、後で現出した中央火丘とは別であるといわれている。

ウ 高岳(1592メートル)
 岩だらけの貫禄のある山、阿蘇 五岳の盟主と言われるだけに堂々としている。ツツジで有名な仙酔峡からの登山口やロープウェイで登るルートもある。

エ 楢尾岳(1323メートル)
 高岳、根子岳、杵島、烏帽子、中岳を阿蘇五岳というが、この山は目立たない存在である。仙酔谷の上部、ロープウェイの山上駅付近から十分足らずで山頂に達する。山頂は荒涼とした岩の世界である。

オ 中岳
 県内唯一の活火山で阿蘇のシンボルである。
噴火口は長さ1.1キロ、幅400メートルの三重火口である。爆発の激しい時期は噴石、火山灰などを大量に吹き出し田畑に大規模な被害をもたらす。


カ 杵島岳(1321メートル)
 西側から見るときれいな円錐形であるが浸食により多くの放射谷が刻みつけられている。
頂上には古い火口あとが窪地として残っている。


キ 往生岳(1238メートル)
 頂上には3つの火口があり、東西2個の火口の西縁が欠けているため西側麓から見ると二つのなだらかな山頂に見える。

ク 烏帽子岳(1337メートル)
 風化浸食が進んでいるが、山頂は鋭く尖りその形からこの名前がついたと思われる。
西は立野火口瀬、北は草千里ヶ浜につながっている。山頂からは熊本平野、有明海、雲仙までも一望できるところから国見山の別名もあった。


ケ 米塚(954メートル)
 杵島岳の北東2キロに火山の模型のように見えるかわいらしい山がある。地面から95メートルのすり鉢を伏せたような形をしている。昔健磐竜命が山頂部の米をすくって与えたとされる伝説がある。山頂部には噴火興亜とがある。北側から見ると中央部に境界土手があって牛馬の飼料として刈り取り、野焼きを行うところとの差が雪が降ったときに色分けされるのでおもしろい景観を示す。

コ 大観峰(935メートル)
 阿蘇外輪山の全周は28キロ、阿蘇谷には七鼻八石と呼ばれるものがある。古来、遠見ヶ鼻と呼ばれていたが、昭和7年に徳富蘇峰が名付けて以来定着している。ここから眺める阿蘇五岳や久住連峰はすばらしく、特に雲海がたちこめた阿蘇谷の眺めは最高です。考古学の研究などで、阿蘇に住み着いた大昔の人はこのルートをたどって来たのではないかと考えられている。

サ 二重の峠
 阿蘇外輪山の中でも最も低い二重の峠。ここに参勤交代の時に作られた石畳が残っています。熊本を出発した行列が最初にぶつかる難所には、当時の苦難の影が今なお残っています。