健康&病気についてのエトセトラ
此処では健康や病気について様々なことを書かせて頂いています。特養ホームでのことを中心に書いておりますが、一般的な健康についてのことにも着目して行ければ!と思っています。何かありましたら、お気軽に文をお寄せ下さい♪
・ 感染症について
感染は病原体・宿主・感染経路の3要素から成り立ってます。病原体にはウィルス、細菌、スピロヘータ、リケッチア、寄生虫等があげられます。
ウィルス : ラテン語の毒が語源。病原体の総称となっています。細菌、リケッチア以外の極めて小さな病原体を指します
細菌 : 目に見えない小さな微生物。コレラやペストなど、凶悪な細菌感染症は誰もが御存知。
スピロヘータ : 螺旋形の細菌の総称です。主な病気に、梅毒、回帰熱があげられます。
リケッチア : 基本的に虫などを母体とした感染媒介です。主な病気は発疹チフスなどです。
寄生虫 : 摂取する食べ物にくっ付いて来るちょっと困ったちゃんです。アニサキスやマラリアが有名です。
潜伏期 : 病原体は感染経路を通って宿主にうつりますが、症状がでるまでの期間を言います。潜伏期は病原体によって異なり、感染があっても発症するとは限りません。
不顕性感染 : 発症しない感染を言います。
日和見感染 : 免疫力が落ちている時に、普通の健康体であれば感染しないとような弱毒病原体によって感染症が引き起こされる感染症状のことを言います。
一般的に高齢者の方は、免疫力が落ちているので感染症を発症しやすく、回復力があまりないので完治は難しく、慢性化する傾向が強いとされています。
・病名と症状、対応などについて…
肺炎
肺内部の炎症で、肺の機能不全を引き起こす結構怖い病気です。肺炎は、ウィルス、細菌の感染、飲食物の誤嚥が原因になります。
また、長く仰けの姿勢でいると、血液が重力で鬱滞し、細菌などが繁殖しやすい条件になるため、発症しやすくなり、これを沈下性肺炎と言います。
症状として発熱、呼吸困難がありますが、高齢者では平熱が低いため、発熱をしていても高温にならないことがあるので、様子観察の日頃からの注意が必要です。息苦しさの訴えや、爪、唇の色が青紫色(チアノーゼ状態)になっている場合は要注意です。呼吸の浅い、速いが見分けの一つになることもあります。
最近多いのは、インフルエンザ菌性肺炎という病気です。乳幼児に多く見られる病気で、肺だけでなく、多くの臓器で炎症を引き起こすもので、子供さんのいらっしゃる家庭では、少し注意して、子供の様子を見てあげて下さい。
MRSA感染症
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)は、空気中のどこにでもいる病原性の弱い菌です。しかし、高齢者や大病後の方など病気に対する抵抗力が極端に低くなっていると皮膚や鼻・口といった粘膜から感染し、発熱、炎症を各臓器で起こします。このMRSAが問題になるのは、抗生物質に強い耐性があるからです。国内でも80年代後半から社会問題化してきており、近年では病院内感染としてニュースでも大きく取り上げられています。
この菌は乾燥に強く、部屋の埃などにも居ます。床、壁を含めて部屋を常に清潔に保つことが大切です。また、手指の皮膚にもついていますので、殺菌性の強い薬用石鹸と流水で手をよく洗うことが感染予防の第一歩となります。
ウィルス性肝炎
肝炎は原因となるウィルスの型により、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、その他に分類されます。ウィルスに感染していても発症していない人をキャリアと言います。
A型肝炎 : 経口感染が主とされ、水からうつるものがほとんどです。症状としては、下痢、だるさ、高熱などが主なものです。
病気も一時的なものなので慢性化することはありません。
B型肝炎 : 血液によって感染します。劇症型で亡くなる方もいらっしゃいますが、稀なケースだそうです。
慢性化することも特殊な場合を除いてほとんどありません。発症率は10%前後だそうです。
2〜3ヶ月で回復します。
C型肝炎 : 最近ニュースでよく目にすることがある肝炎です。血液・性行為によって感染します。
急激に症状が重くなるタイプとゆっくりと悪くなってゆくタイプの二種類がありますが、後者のケースの方が多いとされております。
肝硬変になり、やがて肝臓癌へ。怖い病気です。
歯医者さんによくかかる方、70年代以前にお子さんを生まれた方は、輸血などで感染しているケースが多いという
報告書を見たことがあります。
疥癬(かいせん)
体長0.3mm内外の疥癬虫(ヒゼンダニ)の寄生によって生じる皮膚の病気です。疥癬虫は指間や腕の内側、へその周り、陰部など、皮膚が柔らかい部分の表皮に穴を開け、卵を産みます。卵は2〜3日で孵化します。成虫の雌は、赤い湿疹のようなトンネルを皮膚
に掘り、毎日卵を産み続け、4〜6週間ほどで亡くなります。
症状は、異常なかゆさ!大抵は、顔、頭を以外の全箇所にうつり、夜間に猛烈に痒くなります。
感染から2週間くらいの潜伏期間を経て、発症します。
皮膚接触によって簡単に感染しますので、感染被害が拡大する可能性は極めて高い病気です。
老人ホームや病院などで多く見受けられ、お年寄りからお医者さん、看護婦さん、看護士さんなど、多くの方に感染し、またその家族へと感染したりする怖い病気です。重度のノルウェー疥癬では、死亡者も出ています。
治療は可能です。50度以上の熱に弱く、衣類についたものも10分以上のつけ洗いで熱殺菌できます。
お部屋の清潔に保つことが、感染を防ぎます。掃除機は絶対にかけましょう!
浮腫(ふしゅ)・むくみ
朝起きると顔がぽっちゃりと腫れぼったくなっていたりすることがありますよね?
それが、むくみです。誰にでも起きる病気で原因も多様ですが、身体にかかる負担が大きく、病院でもあまり取り沙汰されていな
い病気でもあります。
血液中の体液が、血管外皮下組織に異常に溜まったままの状態になること「浮腫(むくみ)」と指します。
腎臓が悪かったり、過剰な運動や水分の摂取がよく挙げられますが、外科的手術を内臓にされた方はリンパ浮腫といって普通の方
よりも浮腫を起こしやすいようです。
水分をあまり多く取り過ぎないよう、足に多くの負担を掛けないよう心がけましょう。
インフルエンザ
風邪とよく間違われるインフルエンザですが、結構違う部分があるので、そこから紹介しますね。
風邪は咽喉の痛み、頭痛、吐き気、寒気、鼻づまり、鼻水、くしゃみ、鼻水など多様な症状がありますが、高熱に至ることは、
ほとんどなく、全身に見られるような症状がありません。しかし、インフルエンザは、38度後半から40度前後といった極めて
高い高熱を発し、関節痛、筋肉痛などの全身に見られるような症状が出てきます。更に、肺炎など重い病気を合わせて発病するこ
ともあるのが特徴です。
また、インフルエンザは飛沫感染する病のため、短期間に広範囲に渡って感染する点においても風邪とは異なります。
人に感染して流行するインフルエンザは、今の所3種類に分類されています。インフルエンザ香港A型、インフルエンザソ連A型、
インフルエンザB型の3種です。
A型はソ連A型、香港A型など亜種の存在があります。
現在もインフルエンザウィルスは進化し続けています。動物から人への感染予防は、近い将来、人類のひとつの大きな課題になる
かもしれません。
インフルエンザの予防は、風邪と同じく、手洗い、うがい、室内の乾燥を防ぐことにあります。
病気に対する抵抗力があまりないお年寄りや子供がいる家庭では、特に気をつけたいですね。