パワーリピーター
通常、同じ作業を2回以上繰り返そうとするとおおよそ回数分の労力がかかる。当たり前のことではあるがそうだろう。一回よりも二回の方が疲れるし、面倒くさい。ところが何かの機械にこの繰り返し行為をやらせようとすると事情は変わってくる。
機械というやつは一度設定を済ませておけばあとはレッツゴー。止まれと指示するか、壊れるまで働き続けるものであり、例外はあるが大体そうだといっていいものだろうと思う。
命令しておけば繰り返す。機械どものお陰で今まで人間様の手だけで行なっていた作業の多くが機械化され、発生した生産物として100円ショップにあるような安価な商品を我々は手にすることができるという訳である。おかげさまでメーカー勤務の私も飯が食える。
もちろん機械の設定というやつも結構神経を使うもので、間違った設定のまま動作を開始してしまうと、間違った任務を延々遂行されちゃったりしてしまうので大変である。どこかのダメ社員が、長い文書の時に限って間違ったページ設定で「印刷」ボタンを押してしまい、大量にメモ用紙を製造する様なことも発生するので注意が必要。誰だそのダメ社員は。
そう言う訳でコムロのアルバムがリッチー・ブラックモアのそれより手間暇かかってないと言い切ることは出来無いのである。頑張れコムロ。今回言いたいことはコムロの話では無い。日常生活シーンに溢れているリピート処理の多さについてである。
これを読んで下さっている方にもこれに同意してくれる人はいるはずだと決めてかかっているが、「同じ事をあんまり繰り返し伝えられると印象が強くなりすぎてしまい、これが商売を目的としているものの場合うっとおしくて逆効果となるのではないか」と言うことである。
私が気になる実例をあげてみよう。実例A:エスカレーターの注意音声 気になり度:★
エスカレーターに乗ると自動的にかかっている音声である。「エスカレーターにお乗りの際は……」乗ってから降りるまでの間に一回りし切るかどうかが気になり度の分かれ目。実例B:スーパーのエンドレステープ 気になり度:★★
エンドレステープという奴をご存じだろうか。カセットテープなので普通のラジカセなどで音を出すことが出来るのだが、これがエンドレスになっているので1曲を繰り返しそれこそ壊れるまで流し続けることが出来るのである(再生ボタンは押しっぱなし)。スーパーの特売案内などによく用いられている。最近は魚コーナーの例の曲にうんざりである。実例C:コイン駐車場の音声 気になった度:★★★
先日の話である。某コイン駐車場を利用した後、車を出すときにあの踏切みたいな機械に駐車券を入れるまでの間に流れた音声。
「駐車券をお入れ下さい。駐車券をお入れ下さい。駐車券をお入れ下さい…」
駐車券を入れた後、料金を入れるまでの間に流れた音声。
「駐車料金をお入れ下さい。駐車料金をお入れ下さい…」
一部実例を挙げたが私の訴えたいことをご理解頂けるだろうか。しかし、まだこれらは我慢しよう。機械の設計者又はオペレーター達はきっと不安なのだ。無人の機械が人間を相手にするとき、人間様(お客様)はこちらのメッセージを聞き逃しはしないかと。この際実例Bは忘れて欲しい。実例Bの場合は客よりも、そのスーパーの鮮魚コーナーの担当者がもっとうんざりしているはずなのでここは我慢比べだ(？)。
しかし、これらと同質のリピート処理を人間様が行っているとした場合どうであろうか(私の場合はイライラしてくる)。
今までの実例で気になり度はまだ★★★だ。これ以上気になることが存在する。実例D:JRの駅員 気になり度:★★★★
新幹線やJR在来線の大きな駅では自動改札口に駅員が立っている。なぜ自動改札に駅員が何人も必要なのだ。
その駅員が朝の挨拶をしている。元気良く(大声で)やっているために数十メートル先からでも聞こえる。
ということは改札に着くまでから改札を通って駅のホームに向かうまでの間に駅員の「おはようございまーす」を下手したら数十回聞くことになる。うるさい。実例E :選挙カー 気になり度:★★★★
これには詳しい説明は不要だろう。
ちなみに選挙期間中だけ我慢すれば良いので★一つ減じてある。実例F:最寄りの駅前で朝新聞売ってる人 気になり度:★★★★★
ここのところ毎朝の話であるが、某政党が出している新聞(仮に○○新報としておく)が駅前で売られている。ぱっとしないシャツにジーンズ、ウエストポーチというまるで私のような格好のおばちゃんがバスから降りて駅に入ろうとしている乗客に向かって元気良くやっているのである。
「おはようございま〜す○○新報売っとりま〜すおはようございま〜す○○新報売っとりま〜すおはようございま〜す(以下略)」
息継ぎしてくれおばちゃん。人間様のやることだ。これを聞く立場になってみてもう少し賢くできないものだろうかと思う。機械じゃないんだから。毎朝だぞ毎朝。
はらたまhomeへ