父とインターネット 〜少数派の悲哀
身内の話で恐縮だが、元々このページは身内の話がほとんどなのでお許し頂きたい。
ここ数日、父からメールが来る。既に赤いチャンチャンコな年齢もいつだったっけな父だが、今までの状態からすると結構な上達ぶりだし今までコンピュータというものと縁遠かったと思われる父にとっては大したチャレンジだとは思う。
まあややこしい設定やらなにやらは私がやっているのでなんだが、その時の話である。私はお陰様で盆休みを頂いて、1週間弱実家に帰っていた。
帰ったところ、なんと家にはケーブルテレビから引かれたモデムが。私の帰省にあわせて接続設定すべく準備されていたものだ。所謂一つのブロードバンドという奴である。
契約とモデム設置済(!)であるため、私が実家にいる間になんとしても接続を果さなければならない。でなければ実際の使用方法などについて私が説明することができなくなってしまう。これは結構なプレッシャーであった。
まず父のパソコンというのがmacのperforma 5430(私が売りつけたもの。一応ブースターでG3相当)であって、こいつがUSB端子すらついていない。父によると(正確にはケーブル局の営業マンによると)PCI規格のLANボードとLANケーブルがあれば大丈夫とのことだったので早速近所の電機屋(量販店)へ。
結果。macに使える奴が無い。店員曰く「どこのメーカーのカタログを見ても載っていません」
そんな馬鹿なことが有るものか。今時のmacは皆Ethanet (綴りあってるか不安)対応とはいえ、それ以前のmacで当然の如くニーズが有るはず。有るだろ。有るはずだ。
それそこにいっぱい在るではないか。1000円位のやつが何種類も。
……全てwindows用。
オイオイ部品は似た様なもんだろう。3.5インチのフロッピーにmac用のドライバ入れとくだけだろうが(いやそれだけじゃないんだろうきっと)。
……ブチブチ言ってみてもこの店に目的のブツがないのが現実。父とともにスゴスゴと引き上げることになった。
父曰く「少数派の悲哀という奴だな」
さてどうしたか。その時福岡におり、その日に下関の実家にくる予定の妹に買い物を頼むことにしたのだ。
下関に無くても福岡にならあるだろという訳である。
「えーと、PCIのLANボードでmac用の奴買って来て。剥き出しの基盤みたいな奴だよ。それからLANケーブル。1m位の奴。」
自分で見たことも無い(下関の量販店店員も)部品を
「わかった。PCIのLANボードでmac用ね」
といった最小限のやりとりで表現した数分後、妹から電話が。
「あったよ。店員に聞いたら多分これって持ってきた。mac用って書いて有るよ」
「そうそれそれ」
「結構高いね」
といった予想外にスムーズなやりとりの数十分後、妹の手にはヨドバシカメラの紙袋が。万歳ヨドバシ福岡。
「で、いくらした?」
「5200円」
……これも少数派故、味わわなければならない悲哀なのか。
いや、この程度のことでくじけているヒマはないのであった。とにかくmacのロジックボードを引きずり出し、LANボードを取り付ける。うそのようにアッサリとモデムとmacは繋がった。
さてインターネットである。ネットへの接続後に自分でメールアカウントを設定するようになっているので、なにがなんでもインターネットへの接続は済ませてませておかねばならないのであった。
説明書についているCD-ROMを入れて設定をちょこちょこと。ほれインターネットの接続ができましたぞ。父上。
「なんだ。今これ繋がってるのか」
「そうそう」
「ねえねえ兄ちゃんのホームページ見ようよ」といったアットホームな会話(まあ実際にアットホームな訳だが)が繰り広げられ、努力の実った私は鼻高々といった状態であった。
さてメールアカウントの設定である。5つまで枠があるようだがそんなに必要ないのである。父と母の分だけで良い。鼻歌交じりにそれ設定してやるか。……アカウントの設定ページが文字化けしていました(設定のために打ち込む内容まで化けたので設定不可能)。
むっきー(魂の叫び)
ここから私は迷走を始める。
IEのバージョンアップを試み、
Netscapeをダウンロードし、
OSのバージョンアップも試した
、が駄目だった。
全てが徒労に終わり、あきらめてOSもブラウザも元に戻した頃、唐突に文字化けは直ったのであった。これは何故だかわからない。まあいい。結果オーライ。良くやったよ、自分。
少数派にしか味わうことのできないほろ苦さとちょっとした充実感を感じながら、自分のホームページをmacで見る私であった。
実は今回の件で一番の功労者はLANボードを買って来た妹であるだろう。御礼はきちんとしてあげて下さいね、父上。
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