バンコク点描05 (有馬温泉)
文:遊佐たいら 写真:ハリマオ
パッポンの「マッサージ屋通り」ともいえる小路に足を踏み入れた。ガイドブックなどでよく知られた有名なタイ古式マッサージの「有馬温泉」の看板を見つけ、話のタネにと入ってみた。 フロントでは、日本人観光客らしき一団でごった返していた。台北の足裏マッサージ店と同じ現象が、ここでも起きているとため息が出そうになった。 地方都市の古式マッサージに比べれば、料金はかなり高めだったが、ここは大都会、しかも看板で商売しているのだろうから仕方がないと観念した。 ひとことでいえば回転勝負。サービスも平均的。追加サービスに「誘う気配」すらない。試しに「チャッカサーイあるの?」と訊いてみたら、すごい形相で「そんなのないよ」とでも言いたげな顔で首を横に振られた。 大衆化すれば、すべて角が取れて「つまらない」モノに転化する、その典型のひとつが、この「有馬温泉」だと思った。 [戻 る] [トップに戻る] |