最近頻繁に訪れているフィリピン国パンパンガ州アンへレスシティには、バーが無数にあります。どのバーにもたいてい「DJ(ディスク・ジョッキー)」がいて、ビートの利いたダンス音楽を一日中流しています。しかし、アンへレスのバーは、どちらかといえば店の女の子との出会い、ふれあいを求めに行くのがふつうです。私のように、バーにいてひとりじっくりお酒を飲んだり、音楽を聴いたりする客は少ないかもしれません。

私が特に気に入っているバーは、アンへレスシティのバリバゴ地区にある、フィールズ通りに面した「ダーティ・ダック」という店です。ここには、正午の開店から翌朝未明の4時まで、欧米人が楕円形のカウンターの周囲を囲んで語り合い、一日中賑わっています。最近ここでかかる最新音楽は、たいてい私が日本でダウンロードしてDJに提供したものです。いい、最新の音楽は、いまのところこの「ダーティダック」でしか聴くことができません。

いまはコンピューターのハードディスクに収めた「MP3ファイル」を、ジュークボックス機能を持った専用ソフトで再生し店内のスピーカーから曲を流すのが一般的です。DJは、ハードディスクに私の名前をつけたフォルダーを作っていて、提供した曲のなかで私が特に最も好きな曲を収納しています。一日を通じて、時間帯によってバーの雰囲気はめまぐるしく変わります。

午後8時。私が最も好きな時間帯にひとりでひょっこり店に姿を現すと、DJはすかさず私のフォルダーから何曲かを選んで連続してかけてくれるのです。ちょっと前までは、私の好きな曲をかけてくれると、20ペソや50ペソのチップをあげていたのですが、いまはもうチップとは関係なしに私を歓迎する儀式のようになっています。店のスタッフはみなそのことを知っています。もちろん店にいるほかの客は、そんな事情を知りません。

しかし、中には耳慣れないけれども一度聞いて気に入って、わざわざDJのところに歩み寄って「この曲いいね、なんていう曲?もう一度かけてくれないか」とリクエストする欧米人の客もいます。そんなときDJが「曲名は忘れましたが、あそこにいるお客さんがくれたんです」と、私のほうを指差したりするときがあり、ちょっと得意な気持ちになることもあります。

私が好きな曲だからといって、「ダーティダック」という、いわばゴーゴーバーにすべてがなじむとは限りません。女の子たちが曲に乗って踊れなければかけてもらえないからです。またどんなにいい曲でも、知らない曲だとダンサーたちは踊れません。最初は戸惑うようですが、しかしDJが何度もかけているうちに、いい曲にはいつのまにか体が揺れていくのがわかります。

ダーティダックのほかにも、私が足を踏み入れ席に着くなり黙って好みの曲をかけるバーがあります。「VODOO(ヴードゥー)」です。残念ながら2006年5月上旬、立て続けに3度もNBIの捜査が入り、ママさんが逮捕され閉店に追い込まれました。「アンダー・エイティーン」つまり「18歳未満の女の子」を働かせていた罪で、当局に追及されたのです。太ったママさんとは面識があり、彼女は今でもアンヘレスシティの拘置所に収監されたままです。(May 23/2006)


ダーティダックが歓迎のしるしにかける曲
Nu Virgos:" Stop, Stop, Stop"
Britney Spears: "Bombastic Love"
Tata Young: "Cinderella"
In-Grid: "You Promised Me"
Eurythmics: "Sweet Dreams"
Nastacia: "Paid My Dues"
Mary J Blidge: "Be Without You" etc
ヴードゥーが歓迎のしるしにかける曲
Tata Young:" Sexy, Naughty, Bitchy, Me"
Tata Young: "Cinderella"
In-Grid: "You Promised Me"
Tokunaga Hideaki: "Saigono Iiwake"
Utada Hikaru: "First Love" etc
特別にかけてくれる曲(スロー)
Celtic Woman:" You Raise Me Up"
Kelly Clarkson: "Bacause Of You" etc




いい年をしてと笑われるかもしれません。最近クルマのCDプレーヤーのボリュームを最大級にして、「ウーハー・ドラム・カー」を走らせています。高速の料金所の親父さんも、差し出した手を思わず引っ込めるほどの迫力で....。また先日スピード違反でネズミ捕りの罠にはめられたときも、近づいてきた警察官がCDの大音量に怪しんだようで、こっぴどくやられました。運悪く免許証不携帯もあったので...。たまたま持っていたパスポートと、財布に入っていた(彼にとって)見慣れない国の紙幣を見て、「あっちこっち行ってるみたいだナ?仕事?遊び?」、答えにくい質問をズケズケとしてくるのにはまいったヨ。そのハリマオがつれづれなるままに音楽生活について語ろうと思う。
OPM(Philippine Original Music)のドナ、ジャヤ、レジーン・ベラスケス
などを漫然と聴く(2001)
夜毎マライヤ・キャリーを聞きうっとりする。時々ホイットニー・ヒューストンに浮気し、またマライヤ・キャリーに戻る(2001)
上野のPP「S」のジェニーというシンガーに、行くたびに
"I will always love you" をリクエストする(Dec.2001)
上野のPP「T」のオキニの薦めで、初めてラニー・ミサルーチャを
知る(Dec15,2001)
マカティのグロリエッタ内にあるタワーレコードでラニー・ミサルーチャの
最新CDアルバム"Crossover"を買う。
ホテルの部屋で聴き衝撃を受ける(Dec28,2001)
帰国しラニー・ミサルーチャの情報を集め始める(Jan5,2002)
フィリピンのBBSにラニーへの思いを書き込む(Dec22,2002)
ラニーの夫ノリ・ミサルーチャからメールが来る(Jan23,2002)
ラニー・ミサルーチャ本人からメールが来る(Jan27,2002)