Memories Off
媒体/オリジナルビデオアニメーション 全三巻
メディア/VHS・DVD
製作/イージーフィルム
発売日/第一巻・2001年11月21日 第二巻・2001年12月19日 第三巻・2001年3月6日 (VHS/DVD共に)
備考/-



■当時はちょうどゲームの方の2ndが発売されたあたりで、「あのMemories Offがついにアニメ化!」という吉報は実にタイムリーだと思ったし、 不安は残るものも怖いもの見たさな淡い期待もあった。それ自体は事実だ。
 ただしその事実は事実でしかない。勿論、それと同時に事実しか残ることは無い。

【メインスタッフ】
 ■監督/よこた和
 ■脚本/渡辺陽
 ■絵コンテ/渡辺純央・前島健一(第二話) よこた和(第三話)
 ■絵コンテ監修/横田和(第二話)
 ■演出/岡崎ゆきお
 ■キャラクターデザイン/中井準
 ■総作画監督/中井準(第三話)
 ■作画監督/江角涼子(第二話) 斉藤浩信(第三話)
【メインキャスト】
 ■桧月彩花/山本麻里安
 ■今坂唯笑/那須めぐみ
 ■双海詩音/利田優子
 ■伊吹みなも/河合久美
 ■三上智也/緑川光
 ■音羽かおる/田村ゆかり
 ■霧島小夜美/浅野るり
 ■稲穂信/間島淳司

■監督・よこた和・・・横田和のことか。氏の仕事を調べてみると、「劇場版ポケットモンスター・ミュウツーの逆襲」の絵コンテやっていたり、 「∀ガンダム」でも絵コンテ切っていたりと、ちょっぴり意外な経歴。勿論最強は「To Heart」の2話と6話だと信じて疑わないワケだが、 それとはなしに少しだけ期待が沸く。
 ただし、その期待は紙屑よりも無残な姿で四散することになるが。
 結論だけ書くと、アニメーション作品としては最底辺に位置することは間違いない一品。作画・脚本・演出の何もかもがなっていない、 専門学校生の卒業制作レベル。アマチュアアニメーションの方がもっといい作品がゴマンと存在している、その程度の作品と思っておいた方がいい。
 それぞれの巻毎に1キャラクターのシナリオをピックアップした内容で、元々あの長いシナリオを30分にまとめ上げるのが無理だったのか、その展開 たるや、スカスカどころか原作のイベントをぶった切って編集しただけといった感じ。勿論、智也と対象となるキャラクターの関係が親密になっていく過程など ほとんど描かれていないものだから、原作を知っていないと「どうしてこうなったのか」がほとんど分からない。原作を知っていたら知っていたで、消化不良な 内容で不満が残るのは当然のことだが。

■【第一巻 「終わらない雨 〜唯笑編〜】
 原作の唯笑シナリオをそのまま短縮した話、それ以上のものにはなれない。
 やる気のないオープニングムービーに脱力しながら、アニメーションであの「脳をゆすげっ!」とか聞かされると苦痛であることを知る。
 作画とかヤバイ、今日びの制作費の少ないTVアニメーションでもこんな酷い有様にはならない。制作費一話500万円くらいなんじゃないのか・・・「オタならどんな 酷い出来でも、文句言いながら買うだろ」といった、製作サイドの腹黒さが画面から滲み出る。正直、見ているのが辛い。

■【第二巻 「仮面の心 〜詩音編〜」】
 詩音シナリオをそれっぽく編集した話。オープニングが変わった、前作は時間がなかったのか・・・あの程度で時間が遅れるものなのか・・・
 凄い、作画が凄い。三巻中一番凄い、本当は作画監督とかいないだろ。
 よくぞこれで発売する気になったと思う、むしろこれだからこそ発売したのか。

■【第三巻 「黄金の海 〜みなも編〜」】
 最終巻、みなもシナリオをアニメ化。ちなみにこの巻が一番出来がいい、とはいっても前二巻と比べてという前提付きだが。
 作画監督にキャラクターデザイナーの中井準、絵コンテに横田和が参加しているだけである程度のレベルにはなっている。脚本は相変わらずだが、それでも ギリギリ視聴に耐えられるくらいには仕上がっていると思う。だからと言って平均を下回っていることには変わりは無いが。
 「パサパサパスタ」がどんなものかが分かった、だからどうしたと言われればそれまでだが。

■Memories Offファンのための商品であるにも関わらず、その出来はファンの神経を逆なですることしか出来ない結果に収まる。
 この出来で満足しているファンがいるのなら、是非ともその理由を問いただしたいものだ。勿論、キャラクターがそこにいて、喋って、動くだけで満足してしまう狂信者 しかいないだろうが。そう考えると反吐が出る、俺も信者だが。
 まぁ、何にせよネタ以外で視聴することは止めておいた方がいい。Memories Offが本当に好きなら尚更見ない方がいい。
 



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