トゥルーラブストーリー2

ハード/PS
発売日/1999年1月21日
メーカー/アスキー
値段/6800円
備考/Disc3枚組み


 前作発売から2年の歳月を経て発売された続編。
 システムや基本的な設定は継承しながらも、キャラクター・舞台設定は全て一新。Disc3枚組みの大ボリュームに。
 個人的に現時点でのTLSシリーズ最高傑作。

 主人公・小笠原雅人は、父親に突然の転勤を告げられた高校2年生。
 あと一ヶ月もすれば転校しなければならない・・・その間に、自分は一体何が出来るだろうか?
 戸惑いを隠せないまま、彼は残り少ない生活を始める。

 ・・・と、まぁ前置き設定は前作と同じです。転校を宣告された主人公が、残り一ヶ月で過ごす学園生活が舞台。
 基本的なシステムは前作と同じなので、日常は各移動場所で対象キャラクターを詮索することになる。
 一部前作と異なるところは、移動場所選択時に各移動場所に対してアイコンの表示・非表示が可能になったこと。
 このアイコンは、その場所に「誰かがいるかもしれない」「イベントが起こる」等の目安で、これによりある程度までランダム要素を抑えられる。
 そして下校会話システムも健在であり、本作ではチェーン会話(特殊会話)・寄り道デート等の改善もされた。
 前作では意図的に排除された各キャラクター間の関係も、本作では意欲的に取り入れている。
 複数キャラクターの表示や会話・人物関係の提示など、前作では1on1だった世界が広がり、掛け合いも学園ものとして見ていて楽しい。
 イベントやシナリオ等もかなりの数になっているので、基本的にプレイして飽きない。
 四季を選択する前作に対して、本作は学期別に舞台を選択する(Disc3枚なのは、各1学期づつ収録されているため)。
 メインキャラクター4人+学期別キャラクター2人の合計6人(隠れキャラ出現時には7人だが)を攻略対象に話は進んでいく。
 前作と比べて特に変更点は無く、システム追加といったものではなく全体的なクリーンナップというところでしょうか。
 そんな改善点の一つに、本作にはチェーンイベントキャラクターというのが存在します。
 これは従来の好感度上げ→各種イベント発生→EDというような、それぞれのイベントがほぼ独立した形で存在する攻略の過程ではなく、連続したイベント=チェーンイベントという一つの大きな流れによってシナリオが進んでいくというキャラクターを指します。
 チェーンイベントキャラクターは学期限定キャラクター2人の内の1人で固定され、全部で3人います(隠れキャラ含むと4人)。
 本作が発売された時点で、恐らくは突発したイベントでキャラクターを強調するというスタイルに限界がきていたのでしょう。
 個別のシナリオを用意することによって対象キャラクターを名実と共にヒロインに昇華するために、チェーンイベントは実験的に搭載されたものだと思います。
 勿論他キャラクターにも特定のイベントが繋がっていき、話を盛り上げる演出はされています。
 ただチェーンイベントに関してはそのスタンスがはるかに短く、テキスト依存のアドベンチャーゲームをプレイしている感覚を受けました。
 プレイ当初はあまりにもTLSとは異質だったため顔をしかめましたが、コレはコレで一つの演出としての形態として面白いものがあります。
 むしろ、今思うとチェーンイベントというのは全キャラに搭載しても問題ないシステムだったのではと。
 ただ、そうした場合「攻略している」というようなプレイ上の過程に面白さを見出せなくなる弱点もありますけどね。難しいところです。

 前作から一歩前へ、といった具合。
 システム・キャラクター等申し分無いと思います、前作をプレイしていない人でも楽しめる一品。
 気になるといえば、全体を通しての難易度でしょうか。少なくとも前作を遥かに凌駕するほどの難しさだと考えて下さい。
 下手をすれば攻略本が無いとクリア出来ないキャラもいるかもしれません、隠れキャラはほぼ確実にその内の一人ですが。
 それから問題点としてはやはりグラフィックなのでしょうか・・・個人的に好きなんですけどね、癖があるので好き嫌いが大きく分かれるようです。
 某ゲームラ○ボで「グラフィック以外は完璧の域」とまで賞賛された本作ですが、素直に喜べないのが残念です。
 個人の好き嫌いはさて置いても、松田氏自体の作画レベルはかなり高いんだけどなぁ。



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