AIR

ハード/DC・PS2
発売日/DC・2001年9月20日 PS2・2002年8月8日
メーカー/VisualArt't Key NECインターチャネル
値段/DC版6800円 PS2版7200円
備考/Key製作のPCゲーム「AIR」の移植作。


 家庭用に移植する前にPC版をプレイ済み、そして思った通りに移植。
 移植を前提に製作するPCゲームも少なくない現在ですが、本作も恐らくそういった作品の一つでしょう。
 一応「恋愛ゲーム」のカテゴリーとして扱いますが、本作の実質的なテーマは恋愛そのものとはまた別のところにあるようです。

 流浪の旅を続ける青年・国崎往人。彼は、母から法術と一つの命題を授かる。
 それは「翼の少女を探し出し、笑わせる」こと・・・それこそが彼の全てであり、生きる意味だった。
 季節は夏、路銀も無く立ち寄った海辺の街で・・・彼は一人の少女と出会った・・・

 システムそのものは、選択肢によってシナリオが変化するノベルアドベンチャー。
 そういうワケなので、作品の評価・好みは必然的にシナリオに依存することになります。
 テキストそのものについては特筆することもないが、ギャルゲーテキストとしては平均以上の出来であるのは間違いないようです。
 ただしシナリオやストーリーがかなり特殊なので、ここで好き嫌いがはっきり分かれます。
 まず、大雑把に言うと本作は典型的な泣きゲーの分類に位置します(あくまで大雑把に考えて、です)。
 つまり、基本的にこの作品で泣けるか・泣けないかで評価は完全に分断されます。
 大本のテーマは「家族愛」であり、ファンタジーな背景設定の元、やっぱりファンタジーなシナリオが進んでいく。
 個人的にはファンタジーな要因(この場合は非現実的な、という意味で)は全然OKなのですが、本作はその度合が効き過ぎている気がします。
 あまりネタバレはしませんが、はっきり言って全編にわたってファンタジー要因満載な展開・設定なので・・・
 製作者の主張(テーマ等)を訴えるために、何だか無理矢理製作された作品、というような印象を受けました。
 どうにもキャラクターがシナリオに動かされている感があって、素直に楽しめなかったのが本音。
 多分、何の疑問や先入観などを無くして挑むことが出来るのなら、製作者の狙い通りに泣き・話に共感することも出来たでしょうけど。
 そういった製作者サイドの臭いがキツイので、純粋な作品としてはどうにもアレな感じです。

 何の屈託もなく作品を受け入れ、作品の良し悪しを純粋に泣けるか・泣けないかで計る人にはオススメです。
 個人的にはまぁ別に何でもない作品ではありますが、演出においてはかなりのものなので、一度はプレイするのもいいかも。



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