家庭用に移植する前にPC版をプレイ済み、そして思った通りに移植。 移植を前提に製作するPCゲームも少なくない現在ですが、本作も恐らくそういった作品の一つでしょう。 一応「恋愛ゲーム」のカテゴリーとして扱いますが、本作の実質的なテーマは恋愛そのものとはまた別のところにあるようです。 |
流浪の旅を続ける青年・国崎往人。彼は、母から法術と一つの命題を授かる。 それは「翼の少女を探し出し、笑わせる」こと・・・それこそが彼の全てであり、生きる意味だった。 季節は夏、路銀も無く立ち寄った海辺の街で・・・彼は一人の少女と出会った・・・ |
システムそのものは、選択肢によってシナリオが変化するノベルアドベンチャー。 そういうワケなので、作品の評価・好みは必然的にシナリオに依存することになります。 テキストそのものについては特筆することもないが、ギャルゲーテキストとしては平均以上の出来であるのは間違いないようです。 ただしシナリオやストーリーがかなり特殊なので、ここで好き嫌いがはっきり分かれます。 まず、大雑把に言うと本作は典型的な泣きゲーの分類に位置します(あくまで大雑把に考えて、です)。 つまり、基本的にこの作品で泣けるか・泣けないかで評価は完全に分断されます。 大本のテーマは「家族愛」であり、ファンタジーな背景設定の元、やっぱりファンタジーなシナリオが進んでいく。 個人的にはファンタジーな要因(この場合は非現実的な、という意味で)は全然OKなのですが、本作はその度合が効き過ぎている気がします。 あまりネタバレはしませんが、はっきり言って全編にわたってファンタジー要因満載な展開・設定なので・・・ 製作者の主張(テーマ等)を訴えるために、何だか無理矢理製作された作品、というような印象を受けました。 どうにもキャラクターがシナリオに動かされている感があって、素直に楽しめなかったのが本音。 多分、何の疑問や先入観などを無くして挑むことが出来るのなら、製作者の狙い通りに泣き・話に共感することも出来たでしょうけど。 そういった製作者サイドの臭いがキツイので、純粋な作品としてはどうにもアレな感じです。 何の屈託もなく作品を受け入れ、作品の良し悪しを純粋に泣けるか・泣けないかで計る人にはオススメです。 個人的にはまぁ別に何でもない作品ではありますが、演出においてはかなりのものなので、一度はプレイするのもいいかも。 |