Cross Romance 恋と麻雀と花札と

ハード/PS・SS
発売日/PS・1997年3月28日 SS・1997年10月9日
メーカー/日本物産株式会社
値段/PS・SS版共に6800円
備考/PS版のみ廉価版有り


 日本物産といえば、アーケード等で麻雀ゲームを数多く出しているメーカーとして有名。
 以前はクレイジークライマーやテラクレスタなども製作していたとのことだが、それ以降家庭用では目立つことはなかった。
 そして、この作品にいたる訳だが・・・色々とあったのは確かな様である。

 全国の強豪高校生雀士のみが出場を許される、麻雀大会があった。
 だがその出場者は女の子ばかり……これに疑問を持っていた主人公だったが、前年度大会出場者の女の子にあっさり大敗する。
 その敗北が、主人公に大会出場の決意を燃やす・・・!

 タイトルからも分かるように、この作品は麻雀ゲームです。
 麻雀恋愛ゲームというと、麻雀部分がメインで恋愛部分が厳か(むしろ、意味も無く)付属した作品が多く、本来なら取り上げることもない。
 だが、この作品に限っては麻雀部分が逆に蛇足にすら感じるところがある。
 実際、元々製作者側が純粋な恋愛ゲームとして構成していたものを、上司の命令で無理矢理麻雀要素を取り入れる結果になったようだ。
 その当たりの黒い歴史は、本作のゲームディスクをPC上で展開してみるとよく分かる。
 (製作者の方が記したテキストファイルや、CGデータなどが隠してある・・・SS版では未確認だが)
 システムは、主人公移動型のアドベンチャーに、大会での麻雀が交互に行われるといったもの。
 麻雀パートでの戦歴が直接シナリオに影響を及ぼすわけではないので(高感度の高低や、クリア必須条件(一部キャラ除く))、初心者でも安心。
 勿論麻雀のルールを知っている方が楽しめるが、この際知らなくても牌を切ってるだけで問題ない。
 大会は6日間行われ、大会午前の部→自由行動(ADVパート)→大会午後の部→自由行動→次の日というローテーション。
 結果的に、この1日に2回あるアドベンチャーパートでの行動がエンディングを左右する。
 女の子の出現場所はある程度決まっているので、繰り返しプレイして時間と場所をメモしながら進めるといいだろう。
 攻略本未発売で、難易度もかなり高く・・・その上ロード時間が鬼のように長いので、根気が必要だが。
 クリアだけなら何とかなるが、細かいところまで突き詰めると難しい作品である。

 純粋な恋愛ゲームとして製作されていたら・・・と、今でもふと思うことがある。
 まず、麻雀恋愛ゲームとして秀逸な作品がほとんど無い以上、この作品もそんな作品群と一緒にされているのではないか・・・
 麻雀パートというものの導入が、恋愛ゲームとしてのテンポを殺ぎ落としているのではないか・・・
 世間的な評価も気がかりですし、ゲーム本編への影響も見過ごす訳にはいきません。
 麻雀そのものの存在を否定する訳ではないですが(実際俺麻雀好きだし)、麻雀・恋愛・ゲームの融合は正直難しかったのではと。
 脱衣麻雀といった、簡単なプロセスを運ぶ内容なら良く合うんですけど・・・
 題材が麻雀でなければ成立しないようなシナリオも無いですしね、やはり「麻雀」で色々制約を受けていると思います。

 今では安いですし、廉価版も発売されていますのでオススメ。
 何だかんだ書きましたが、恋愛アドベンチャーとしてはかなりの優秀作品です。97年作品とは思えないくらい。
 ただロード時間が半端じゃないほど長いので、短気な人には注意です。そのせいでプレイ時間も長いですから。
 声優陣も豪華で演技も安全(一部新人もいますが)。
 個人的には、普及して欲しい作品の一つなんですけどねぇ。



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