俺は移植が決定する前にPC版やってたのですが、その時から移植するような臭いがプンプンしてました。 CS移植を前提として製作されたような感じもしますね・・・まぁ、最近はそういうのが多いですけど。メーカーも必死なのかしらん? 何とも言えませんが。 |
(プロローグは要約出来そうもないので現在割愛中・・・(´Д`;)ウヘェ) |
PC版と比べた場合のスタンスがとても良い移植作の1つ、だと個人的には思います。 ただエロシーンを削除しただけの移植ではなく、追加キャラ・追加シナリオの補充やシナリオ・グラフィック修正、おまけの改正など変更点が多い。 移植いうよりは改良版といった感じです・・・PC・CS両方プレイした上で言うと、CSの方が完成度が高いと感じましたね。 改正版おまけシナリオは賛否両論だったようですが・・・オリジナルの方を完全移植すると、色々面倒なことになりかねませんからねぇ・・・ システムはオーソドックスなテキストノベルアドベンチャータイプ。 ですが、本作は特殊な演出により、従来のノベル系における「無差別な可能世界の構築という汎用性」を可能な限り削減しているのに注目です。 従来の作品は、本編における実際の時間軸から、可能世界(個別シナリオ)を構築していくスタイルです。 しかし本作は、実際の時間軸から離れた過去世界から始まります。 こうすることにより、過去変化←現在変化→未来変化となるわけです(従来のものは現在変化→未来変化といった具合)。 すなわち、現在の時間軸よりも以前の話をあらかじめ提供することにより、現在から派生する無差別な可能世界を氾濫を防ぐことが出来るわけです。 これは、ノベル系の汎用性・・・あらゆる可能世界を構築出来るという、言ってみればシステムに依存しかねない欠陥を否定しているのである。 確かに結果的には過去シナリオでの選択が現在に影響を及ぼしているという点では、従来のものと何ら変わりは無いかもしれない。 ただし、そこを完全なる過去・・・本編の本当の時間軸から見て過ぎ去ったものとして、本編進行中には絶対的な設定として君臨させることが出来る。 それにより、本編では可能世界の影響は狭まり、ある程度の強請が可能になるのだ。 この手の演出は個人的に好きで、恋愛ゲームにおける曖昧になりがちな世界を確固たるものとして受け取ることが出来ることが嬉しい。 (勿論、複数の世界や可能性の形成も恋愛ゲームの面白さの一つとして認識していますが、現在はその汎用性に甘えている作品が多いので・・・) そして肝心のシナリオの方なのですが、それより先に本作ではキャラクターに関して注意を払うことが大切です。 本作の特徴として、キャラクターは全て「どこにでもいそうな女の子(ただし、ギャルゲーというカテゴリー内において)」という命題によって表現されます。 今までの家庭用恋愛ゲームにおいて、キャラクターやシナリオで「リアルさ」を前面に押し出して製作された作品も多数あります。 ただし、その多くは失敗していきました。 その理由は、ゲーム内にまで現実味を帯びた世界を形成することへの反発と、ユーザーが一般的な現実を拒絶する傾向にあったからと言えます。 結果的に受け入れられていった作品やキャラクターは、ユーザーの中で共有する「求められるもの(いわゆる萌えです)」として形成され、今に至ると考えます。 そこで本作は、広い意味でユーザーを獲得することを放棄して、固定ユーザーに対して安定なものを供給するのを目的として作られたと思います。 特化した設定やシナリオは所有しておらず、キャラクターに関しては命題通りにさも「ギャルゲー的な女の子」を表現することに成功。 つまり、「ギャルゲーの王道」を地でいっている作品なのですね。 あまり冒険している作品とは言えませんが、安定した作品としては評価出来るかと。 前記した通り、この作品は極めて「ギャルゲー」な作品です。 ギャルゲーと言われるものに免疫がある方は問題無くプレイ出来るとは思いますが、間違いなく初心者向けではありません。 「試しにやってみようかな」程度の姿勢でのプレイや、初めてギャルゲーに触れる方のプレイはオススメ出来ません。 上級者向けというワケではありませんが、中級者向けといった作品なので・・・ それでも作品全体としては丁寧に仕上がっており、ギャルゲー好きなら安心して楽しめる内容かと思います。 個人的にはちょっとアクが強いと思いましたけどね・・・こうも前面に押し出されると、かえって消化出来なくなる方もいるかも。 |