猫なカ・ン・ケ・イ

ハード/PS
発売日/1998年11月5日・廉価版2004年1月8日
メーカー/ビクターインタラクティブソフトウェア
値段/5800円・廉価版1800円
備考/廉価版有り


 略すと「猫カン」になるのだろうか、多分猫缶とかけているのだろうけどそんなことはどうでもいい。
 個人的にはかなり好きなタイトル、前記したことも踏まえて作品内容が全くといって想像出来ないところがたまらなく良い。
 や、別にタイトルだけじゃなくて本作そのものもかなり好きなのですよ?

 主人公・柏木マコトは、ある日奇妙な石のついたペンダントを拾う。
 何とその石は、持ち主を猫に変える力を持つ猫目石という石だった。本来の持ち主・セリーナ(女神)が言うには、
 1度持ち主が変わると当分の間持ち主は変えられないらしい。そして、その石を使い主人公は……

 基本的なシステムは主人公移動型のアドベンチャータイプ、対象キャラクターと出会いつつ高感度を上げる仕様。
 プレイ期間は10/12〜12/24までの2ヶ月ちょっとで、1日1日に重点を置いてゲームは進む。
 平日主人公が移動出来るのは学校での昼休み(対象キャラクターがどこにいるか分からない)と、放課後の2つ。
 放課後では学校内(対象キャラの居場所が分かる)と、学校外(対象キャラがどこにいるのか分からない)の2通りが選べる。
 昼休み・放課後共に学校内で出会う場合には対象キャラの好感度があがるが、学校外では好感度が上がらない仕様になっている。
 毎週土曜日の放課後には対象キャラクターを翌日の日曜日デートに誘うことが出来、ここでも高感度を上げることが出来る。
 本作は基本的に好感度ありきな作品なので、ただクリアしたいだけならひたすら対象キャラを狙うのが基本である。
 そして、本作の売りでもある猫モードだが。
 主人公が猫になるのは平日の夕方、野良猫を装って対象キャラクターの自宅に訪問するというくだりだ。
 ここでの猫への信頼度もシナリオに影響するので、基本は1キャラに絞ってひたすら選んでいけばいい。
 好感度・猫信頼度が一定値にまで上がると特定イベントが発生し、各キャラクターのシナリオが進んでいくことになる。
 ちなみに本作、基本的に1プレイに1キャラクター攻略が基本である。複数キャラクターの同時攻略は出来ないので注意。
 EDも単に好感度だけのフォローエンドと、好感度の他に特定のフラグが必要なハッピーエンドと2種類ある。
 システムや攻略時の制約もベーシックながらも手堅く、かなりスタンダードな仕上がりになっている。
 だがCGモードがない・セーブ箇所が3つしかない・ゲームレスポンスが悪いという致命的な欠点を負っている。
 特に前者2つの点については酷評するしかなく、CGモードが無いというのは致命的どころではない。CGそのものが少ないという事実もあるが。
 セーブ箇所も、攻略可能キャラクター8人と比較しても少な過ぎる数である。
 レスポンス・読み込みの長さに関しては、まだまぁ許容出来る範囲ではあるのだが・・・少々欠点が大き過ぎるかと。
 登場キャラクター(男女関わらず)もいい味出している、シナリオも中々良い。
 人間状態・猫状態での対象キャラクターの対応など、キャラクターの二面性をダイレクトに表現した点はとても評価出来るのだが。
 その長所も「あともうちょっと」が欲しいところでもあり、実に惜しい作品になってしまっている。
 対象キャラクター全員が猫好きというのもちょっとアレです、一人くらい猫嫌いの娘がいたほうが面白くなったんじゃないかな、シナリオ的にも。

 前記したように、キャラクターのそものの魅力やセリフ回しなどの掛け合いは、正直言ってレベル高いです。
 特に主人公の会話センスには目を見張るものがあります、出来れば完全に有性格主人公として製作して欲しかったと嘆くくらいに。
 そういうワケで、キャラクター等に評価を依存する方にはオススメです。
 ただし、CG枚数を気にする方や、読み込みの遅さなどにストレスを感じるような方は残念ながら購入は控えたほうがいいかも。
 欠点はさておいても、実は個人的に普及してもらいたい大好きな作品の一つ。
 今現在はかなり安く売っていますし、廉価版も発売しているので戯れに購入してみるのもいいかもしれません。
 ・・・それにしても、何で今頃になって廉価版なんて発売したのだろう?
 いや、普及してくれることには大賛成なのですが。

追記・トゥルー・ラブストーリーのファンの方には、是非ともプレイをしてもらいたい一品。
   本作のあるイベントの一つに、トゥルー・ラブストーリーのネタが使われているので。ファンならすぐに気付くはずです。
   自分は腹抱えて笑いましたが。



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