ツインズストーリー 〜きみにつたえたくて…〜

ハード/PS
発売日/1999年6月4日
メーカー/パンサーソフトウェア
値段/5800円
備考/初回限定・キャラクターピンバッチ付き
  富士通製作のPCゲーム「ツインズストーリー 〜きみにつたえたくて・・・〜」の移植作


 元々PC用ゲーム(非エロ)として発売した作品を移植。
 こうした非エロPCゲームが移植してくれるのは嬉しいことだ、個人的には「あすは恋して・・・」とかも移植して欲しかったが。
 あまり知名度が無いように思える本作ですが、中々面白いのですよ。

 主人公・館野成雄は、この春楠原学園に入学した(と言ってもエスカレーター式)高校1年。
 何の特徴もない彼だが、強いていえば、双子の妹・成美がいるくらいである。
 あろうことか男子部と女子部が路線で分断されている高校で、彼らは高校生活を送り始めるのだった。

 韓国版も発売されている国際色豊かな本作(PCのみ)。
 コレといった特徴のない作品ではありますが、珍しい設定としてタイトル通り主人公が双子であることがあげられます。
 主人公が兄の立場であり、双子の妹・成美は本作のターニングポイントとして存在する。
 時には兄をサポートするオブザーバーだったり、時には邪魔にも感じる妹であったり、時には年相応の少女であったり。
 彼女の存在そのものが本作を象徴するものであり、最も重要なキャラクターと言えます。
 システムの方は、オーソドックスな自己育成パラメータタイプと、アドベンチャータイプを融合させたもの。
 平日はコマンド入力型の自己育成パートとなっており、休日のみのアドベンチャーパートで女性キャラの高感度を上げていく。
 この時代としては少々遅れ気味なシステムではあるが、昔ながらのフリークとしては何ら問題はないかと。
 ただし、自己育成によって数字化されるパラメータとは他に、会話や行動によって主人公の性格が変わっていく内的パラメータ(性格パラメータ)というのが存在する。
 これらは明確な表示がされず、プレイヤーは極めて気付きづらいものとなっている。
 その癖、この性格パラメータはイベント及びエンディング条件に絡んでくるので非常に厄介。
 女性キャラとのエンディングを迎えるためには、まさしく身も心もふさわしい男にならなければならないのである。
 外的パラメータ(数値化される通常の物理自己育成)と内的パラメータを告白条件まで鍛え上げるのはかなりシビアで、クリアは難航するだろう。
 しかし、この作品にはバッドエンドという概念は存在しない。
 確かにどの女性キャラクターとも相思相愛になれず終了するエンディングはあるが、その場合は成美エンディングとなる。
 勿論血の繋がった実の妹とねんごろになれるわけではありませんが、自分に極めて近い存在として・・・成美がここで保管されることになるのです。
 主人公以外に話の中心になれる絶対存在・・・他作品にもそんなキャラクターがいる場合もありますが、成美はその中でも特に成功したキャラと言えるでしょう。

 多少システムによりテンポが遅くなってしまうことと、難易度が高めなのが欠点かと。
 キャラクター・シナリオ等に関しては問題ないと思います。古臭さはありますが、雰囲気や掛け合いなどはとても好感が持てる。
 出荷台数が少ないのか、中古でも値段が高めなのも普及していない原因の一つなのだろうか?
 個人的にはもっと評価されても良いと思うのだが・・・
 恋愛ゲーム好きであり、値段が2000円程度でしたら迷わず買ってしまうのをオススメします。

追記・PS2で起動すると誤作動を起こす可能性があります、プレイは必ずPSかPS-ONEで。

追記2・通常育成パートにおいて、ストレスが溜まるとコマンドを失敗しやすくなり、ストレスは休養コマンドで減少しますが・・・
   あまりにもストレスが高いと、休養コマンドすら失敗→ストレスが溜まるという悪循環に陥ります。
   この状態になった場合の回避方法を、残念ながら俺は知りません。
   もしかしたらこうなったら再起は不可能なのかもしれないので、ストレスはこまめに解消するようにしましょう。



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