全く大した事ありませんがヤる事はヤっておりますのでご注意を…。

何でこんなことになったんだっけ…

今日おろしたばっかりのパンツは下着と共に遥か彼方に投げ捨てられている。
もう少し丁寧に扱ってくれと怒ってもいいよな、とか

「ぁ…んあっ…あぁっ」

俺ってこんな高い声出たんだ、とか
今自分の置かれている状況から考えると頭はひどく冷静だった。

「あっ、や、もんじ…ろ…そこダメ…っひあっ!?」
「お前、本当にここ好きだな。」

思考を彼方に飛ばしていた俺に気づいたのか、はたまた俺の状況なんぞお構いなしなのか。
俺の体を、それこそ自分でも触らないような場所を躊躇いなく犯していくこの男は…

どうしてこんなに泣きそうな表情を浮かべているのか

 

時を遡ること1時間ほど前。
俺は最近めっきり足の弱くなった爺ちゃんに代わり、この男から家賃の徴収をしにきたのだ。
この男の職業はエンバーマーという、遺体の保全を行う仕事(とか言ってた気がする)
最近でこそ、そこそこ知られるようになったが日本じゃまだまだ認知度の低い仕事だ。
実際、俺もこの男に出会うまで全く知らなかった。
だからいざ日本で仕事をしようとしても中々認可が降りず、降りても場所を提供してくれる所もなかった。
そんな中、出会ったのが俺の爺ちゃん。
爺ちゃんは若い頃中々アグレッシブだったらしく、海外を転々としていたらしい。
その時にエンバーマーの存在を知りその仕事内容に感銘を受けたそうだ。
そして、自分の手元には取り壊すか否か迷うようなボロ屋敷。
爺ちゃんの決断は早かった。
それはもう普段はギンギンに、それこそ依頼があれば連続で徹夜してでも仕事をするこの男が
若干押され気味だった程度に事はトントン拍子に進んだ。

そして、俺はボロ屋敷の管理人の孫としてこの男と出会った。

第一印象はとにかく「暗い・無愛想・陰気」だった。
遺体を扱う仕事をしてるせいからか?と変な先入観をもっていたが
暫く接してみるとどうも違うらしい。
そこそこ冗談も通じるし、依頼人と接する時なんてやたら紳士な態度をとっていた。
ただ単に俺が出会った日が3徹明けだっただけの事だった。

マイナスから始まると大した事なくても良く見える というのは本当らしく、些細な出来事でも大きな発見のように見えた。

例えばこいつが物凄い甘党だった、とか。

俺は町の小さなケーキ屋でパティシエとして働いている。
ある日、たまたま気まぐれで試作品のケーキをこの男の所に持ってきた。
本当は店に持って行って店のメンバーに試食してもらおうと思っていたのだが
店に行く前に、家賃の徴収と託けて様子見がてら顔を見に行ったのだ。

…以前、暫く顔を見ないと思っていたら
栄養失調起こしかけて家でぶっ倒れていた事があった。
それからというもの1週間に一度、空いても2週間に一度は
顔を覗かせるようになったのだ。
何故こんなにこいつの事を気にかけているのか自分でも分からなかったが
とにかく、顔を出すようにしていた。

そしてその日この男は目ざとくも俺が手にしていたケーキに目を付けた。

「それ…」
「ん?…あぁ、これ?これは試作品のケーキ。
これから店のメンバーに…って…」

まさにこれぞ「穴があくほど見る」って奴かと実感せざる得をないほど
熱い視線をケーキの入った袋を見つめられた。
そんな事をされて「やらねぇよ」と言えるほど、俺は人間が出来ていなかった。

「試作品だから、な?食えなくはないと思うけど…」
「あぁ。」

そう断って、そのケーキと合いそうな紅茶とともに出してやった。

それから俺は定期的にこの男にケーキを差し入れる事になった。

 

「(いつからだっけ…『こんな関係』になったの…)」

相変わらず俺の下半身はこの男によって好きに弄られている。
俺自身を口に含み、丹念に舐め上げてくれている。
ホントやめてくれないかな、恥ずかしさで爆発しそうなんだけど…。
かと思えば後ろの先ほど俺が敏感に反応したところを執拗に攻めてくる。

「やっ…だ、から…そこは…やめ…あんっ!!」
「…その割には良さそうにしてるじゃねぇか」
「う…、るせぇっ!も、ケーキ、持って来て、やんねぇ、ぞ…ひゃんっ!!」
「そろそろいいか…」

そういうと、この男…文次郎は俺の膝を自身の肩に掛ける。
そして、視線を下ろした先には…
今にも弾けそうに張り詰めた文次郎自身。
コレが入ってくる瞬間、いつまで経っても慣れないんだよな…。

「ひっ…ぐっ…」
「力抜け、バカタレ」

お前は入れる側だから分からねぇだろうな、この痛みというか
なんとも形容しがたい感覚…!!
とか色々悪態付きたいのは山々だったが、今の俺にそんな余裕はなく
何より文次郎の、言葉と裏腹な優しげな声音に、視線に絆されてしまっている。
そうこうしている内に文次郎は腰を進めてくる。

「あ…ひ、あ…あんっ!…ふっ」
「大丈夫か?」
「ん…。」

俺が落ち着くまで待ってくれるこの優しさが何とも歯痒い。
問答無用で犯されたなら、もっと恨んだり出来たのだろう。
だけど、文次郎はそれをしない。

…正確には「しなくなった」

初めてこいつに抱かれた時、それはまさしく「犯された」という言葉が
一番正しいと言えるほど、手酷くヤられた。
手はベッドの柵に縛られ、体は無理やり暴かれて。
どれだけ泣き叫ぼうと、抵抗しようと、聞く耳持たず。
いや、むしろ「抵抗される事を悦んでいる」そんな感じだった。
そして俺はその日気絶するまで何度もイかされ続け、
文次郎も何度も俺の中に欲を吐き出した。

翌朝、気が付いた俺に文次郎は泣きながら土下座で謝ってきた。
それはもう切腹するんじゃないかって勢いだった。

そして知ったんだ。
これが文次郎の「職業病」だったんだって。

普段、遺体ばかり相手にしている文次郎は
時々発作的に「生きている」体をどうしようもなく求めてしまうらしい。
今まではそれは女で発散していたらしい。
だけどあの日、たまたま発作を起こしたちょうどその時に俺が来てしまった。
そして俺は文次郎に抱かれた。

「(あぁ、そうだ…「あの日」か…)…あっあん…もん、じろ…」
「…どうした?」

グチュグチュとやけに耳に付く水音の中、俺は必死に文次郎に縋る。
その珍しい行動に文次郎が少しだけ驚いた表情を見せる。

聞きたい事がある。
だけど聞いたらきっとこの関係は終わってしまう。

「ん…何でもない…。それより…イキ、たいんだけど…」
「…あぁ。」

そう煽ると文次郎は訝しがりながらも、自分も限界が近いからだろう
腰の律動を激しくし始める。
そして俺のイイ所を一層激しく攻め立てる。

「あっ…ひっ…あ、あ、イ…イク…っ文次郎っ!!」
「あぁ、俺も…留三郎っ!!」
「あ、あ、…あぁーっ!!!」

「で、お前、さっき何を言おうとしたんだ?」

文次郎が俺とヤった後にケーキを食べるのは最早恒例となっていた。
俺も気だるい体を引きずりながらもケーキと飲み物を用意する。

「え?あぁ…いや、大したことじゃねぇよ」

飲み物の用意が出来るのを待ちきれない文次郎が
さっさとケーキに手をつけるもの恒例。

「含みのある言い方だな」
「ホントだって。ケーキ冷蔵庫入れてたっけ?ってふと思いだしただけだから」
「お前、最中にんな事考えてたのか。」
「ははは」

なぁ、文次郎、お前はいつまで俺を抱いてくれる?
お前はただ発作を抑える為だけに手近な俺を抱いてるに過ぎないんだよな?
でも…
でもな

 

俺は