何はともあれ、不安な点や不明な点があればかかりつけの獣医さんに相談しましょう!詳しく説明してくれない獣医さんなら信用できません。説明して飼い主さんを安心させることも獣医師のちゃんとした仕事です。
安心できるかかりつけの獣医さんをみつけることができるようにお祈りしています。
犬のワクチンについて説明してあります。
ワクチンの種類
ワクチンを製造している会社によって入っている種類が異なっています。
<3種混合ワクチン>
■粉状:ジステンバーウイルス・アデノウイルス2型・パラインフルエンザウイルス
■融解用液
 上記の融解溶液に粉状をとかして皮下に打ちます。
 ただ3種混合ワクチンにはパルボウイルスが入ってないので、大抵パルボウイルスの単体ワクチンと一緒に打ちます(時間を3日くらいあけて)。
<5種混合ワクチン>(製造元により多少違い有り)
アデノウイルス2型、犬パラインフルエンザウイルス、犬パルボウイルス、ジステンパーウイルス
<7種混合ワクチン>
■液体:ジステンパー・犬アデノウイルス(2型)感染症・犬パラインフルエンザ・犬パルボウイルス感染症混合生ワクチン
■粉状:犬レプトスピラ病不活化ワクチン(2種類) 
 上記の液体と粉状ワクチンを混ぜて、犬の皮下に打ちます。
<8種混合ワクチン>
ワクチンを製造する会社によって7種+レプトの所と、7種+コロナウイルスワクチンの所があります。
<9種混合ワクチン>

詳細は不明。
打つワクチンの種類ですが、お勧めは7種以上です。5種にはレプトスピラ感染症ワクチンが含まれていませんが、近年多発の傾向ですので(特に関東地域)、外に散歩に連れて行かれる方には必要不可欠だと思います。
8種以上に関しては、あまり必要がないと判断される獣医さんもいらっしゃいますので、その辺りは獣医さんと相談してみることをお勧めします。
ワクチンを打つ時期
現在の所、ワクチンを打つ時期については諸説があり、各獣医さんによってもちがいます。そのことによって一般の飼い主さんが困惑することもしばしばです。
ここでは免疫学的見地からみたワクチンの打ち方について案内したいと思います。
ワクチンの中には色々な種類のものがはいっていますが、その病原体の種類によって打つための最適時期が違ってきます。
子犬は生まれたときは自分の免疫機能は働いていません。では何が子犬を病気から守っているかというと、母犬からもらう「移行抗体」です。
この「移行抗体」はまだ母犬のお腹にいるときに胎盤を通してもらったり、生まれてから初乳を通してもらったりします。
「移行抗体」とは母犬がもってる病気に対する免疫のことで、かかったことのある病気やワクチンを打ってできた免疫が含まれています。
この「移行抗体」が子犬の中にあるうちに、ワクチンをうっても効き目がありません。
そして「移行抗体」の効力も、その母犬がもっている免疫が弱いと、子犬の中で効き目を持っている期間が短くなってしまいます。
またその「移行抗体」は、病気によって効果が続く期間が違います。例えば2ヶ月の時に7種のワクチンを打っても、そのうち効くのはちょっとです。
本当は子犬にワクチンを打つ前に母犬の免疫を検査するのが一番いいのですが、その様な検査は日本ではまだあまり行われていませんし、時間や手間もかかります。
ですから今行われているワクチン接種方法は、これなら大体の犬に効くであろうというデータなどからの推定で行われています。
以下ジステンパーウイルスとパルボウイルスのワクチンについての説明をします。
犬ジステンパーウイルス
ジステンパーに対する移行抗体は他の病気のものより比較的長く残存します。
母犬からの移行抗体は生後日数ともに減少して生後3ヶ月でほとんど消滅します。
つまり母犬の抗体が十分な場合、2ヶ月でワクチンを打っても移行抗体に邪魔をされてワクチンによる能動免疫がつかないわけです
ですからこの場合のワクチンを打つ最適時期は12週齢頃となるわけですが、たいていの子犬の場合、いちいち母犬の抗体価を測ることはしていません。
母犬の抗体価が低いともっと早期に効果がなくなる為、ワクチンは約7週齢で打つのがよいとされているので、こちらを優先して約7〜8週齢で他のワクチンと混合して打つわけです。
犬パルボウイルス
パルボウイルスに対する十分な量の抗体を持っている母犬から移行抗体をもらった犬でも、生後8〜12週目には感染防御能を失ってしまいます。
そこで母犬から十分な量の抗体をもらっていて、感染を受ける危険のあるときや隔離できない場合には生後7〜8週目に初回接種をし、その後3〜4週ごとに2回ワクチン接種を行います。 
というわけでワクチンによっては2ヶ月で打つ1回目が効かない場合もあるので、3ヶ月目に2回目を打つわけです。
病院によっては3回目のワクチン接種を薦めるところもありますが、それは「再度接種することによって抗体価をあげる」というのが理由です。
個体差はありますが、パルボウイルスやジステンパーウイルスのワクチンはなかなか抗体価があがらないといわれています。
以上の事を知った上で飼い主さんがワクチン接種について判断されるとよいと思います。
ただ一番最初にも述べたように獣医さんによって考え方が違います!ですので最後は飼い主さんが判断することが大事になってきます。
参考までにいいますと、当HPの管理人は5種を2ヶ月に1回目(ブリーダーさんの方で実施)、7種を3ヶ月に2回目、4ヶ月に3回目を実施しました。
ワクチンを打つ場所
ワクチンを打つ場所は皮下もしくは筋肉です。
皮下とは首のところもしくは背中の皮膚をびよーんとひっぱって伸びるとできる空間のことです。ここにワクチンを打ちます。
筋肉とは大体は後ろ足のももの所にぶちっと注射を刺してワクチンを打ちます。
ただ最近の動物病院では皮下注射をするところがほとんどです。
その理由として
@筋肉注射は激しく痛いので犬に負担がかかる
A筋肉注射の方が少し吸収が早いだけで特にこれといった利点がない
ということがあります。やはり犬にとって負担が大きいというのは重視すべき点だと思います。
犬が激しく痛がるのをみるのは獣医師にとってもつらいことです。
ただワクチンの種類によって打つ場所が決まっています。皮下と筋肉どちらでもよいワクチンと皮下のみのと筋肉のみのものがあるので、動物病院に置いてあるワクチン次第という感じです。
大抵の動物病院では皮下注射だと思いますが、もし筋肉注射でワクチンをする病院であれば飼い主さんの判断が大事になってくると思います。
ワクチンを打った後
ワクチンを打った後に考えられるのはごく稀に起こるアレルギー反応です。
注射後数分以内に起こる全身性のショックでは急激な血圧低下や痙攣、嘔吐が見られます。
また注射後数時間から24時間以内に起こるのは、元気消失、食欲異常などで、重くなると全身血圧の低下、呼吸困難、下痢、嘔吐などの症状が出ます。
また注射部位の痛み、腫れ.発熱が見られる場合もあります。
接種後2−3日は激しい運動を控えさせ、もしすこしでも異常な症状が見られた場合にはすぐに動物病院に連れて行くことをお勧めします。
シャンプーは2週間たってからした方が安心です。
次のワクチンは?
最後に打ったワクチンから数えて1年後が接種時期です。
ワクチンを打った後にもらえるワクチン証明書はペットホテルやサロンを利用する時に必要になることがあります。絶対にとっておきましょう!!
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