旅行記| エジプト紀行・カイロを中心に、前半(11月17-20日) & 後半 (11月27-30日)、 2002年
イスラム教について
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イスラム教といえば、アラブ諸国とか原油産出国を連想しがちです。ところが中近東諸国以外にも多くのイスラム教国が存在するのです。どのような国々がイスラム教なのでしょう。

イスラム教国の数: これを知るの赤十字を利用します。赤十字は十字架(キリスト教)を連想させるので、イスラム教国では同じ活動に対して赤十字を用いません。代わりに赤の三日月(赤新月)を使用します。従って赤新月加盟国がイスラム教国を表しています。

トルコ/エジプト/イラン/イラク/シリア/パキスタン/ヨルダン/アフガニスタン/
チェニジア/スーダン/モロッコ/リビア/マレーシア/アルジェリア/サウジアラビア/
クウェート/ソマリア/バーレーン/モーリタニア/バングラデシュ/カタール/イエメン/
アラブ首長国連邦/ジプチ/トルクメニスタン/ウズベキスタン/アゼルバイジャン/
ブルネイ/タジキスタン

イスラム教: アラブの預言者ムハンマド610年に創唱した一神教で、西アジア、アフリカ、インド亜大陸、東南アジアを中心に現在ほぼ6億の信者がいると言われます。信者をムスリムいい、「絶対的に服従する者」の意味です。イスラム教では、モーゼもキリストもムハンマドも、みな神のつかわした予言者です。
イスラム教は大別するとスンナ(スンニ)派シーア派(10%)があり、前者が多数派です。

スンナ派:  コーランとマホメットのスンナ(規範)と初期の共同体の慣行に重きを置く宗派です。全ムスリムの約9割を占め多数派を形成し、スンニー派ともいわれます。シーア派がアリーの血統を重視するのに対し、ムスリムの共同体の統一性とシャリーア(イスラム法)を重視するようです。
シーア派:  マホメットの従弟で四代カリフのアリーおよびその家系をイスラム共同体の正しい指導者(イマーム)であるとする諸分派の総称です。その中ではイラン・イラクなどに広がる十二イマーム派が最大の派といわれます。

スンナ派とシーア派: イランがシーア派の主要国で、その最大分派は十二イマーム派です。 十二イマーム派はイスラム法の実践に関してはスンナ派とほぼ共通しているようです。
礼拝はスンナ派では毎日5回です。シーア派イランでは、昼と午後の2回を1回に、夕と夜の2回も1回に合わせて行い、毎日3回が普通です。礼拝の刻の告知(アザーン)は別に2句加えて唱えるので長くなります。
金曜の集団礼拝はスンナ派モスクでは大事な儀礼とされます。反面、特別に礼拝指導者イマームが立つ時以外はシーア派イランでは重要視されません。
断食はシーア派とスンナ派は同一です。ただ、シーア派ではスンナ派より数分遅れる形で日が完全に沈んでから断食明けとなります。
巡礼もわずかの相違があるだけでスンナ派とほぼ同一です。シーア派は正規の巡礼の完了の後にメディナのムハンマドの墓やイマーム聖妓に参詣するし、他の重要人物の墓への参詣もメッカ巡礼に次ぐ重要な宗教的行事とされています。
シーア派イランは毎年ヒジュラ暦で祝祭と服喪を行っています。祝祭日には信徒は聖妓で茶菓を食べ、説教を聴き、夜には主な建物はイルミネーションで飾られます。服喪はイマーム殉教の日に行われ、その最も重要な行事は、フサイン殉教日のムハッラム月10日です。この時、殉教劇を演ずる劇場のタキーエ、フセイニーエが各地に設けられるそうです。

形式的には「六信」と呼ばれる基本的信条、つまりアッラー、天使、啓典、預言者、来世(アーヒラ)、予定を受け入れ、基本的義務として「五行(五柱)」と言われるイスラム教の中心的教えを実践します。五行とは:

1.信仰告白: アッラーの他に神はなく、ムハンマドはアッラーの信徒である。
2.礼拝: メッカに向かい1日5回(スンナ派) 夜明け、正午、午後、日没、夜半。
3.ザカート(喜捨): 義務。資金は貧しい巡礼者、債務者等々の弱者救済に使用。
4.断食: 日の出から日の入りまで断食(日中断食)。第9月。太陽暦では変動。
5.巡礼: 経済的に余裕のある場合はメッカに巡礼。第12月。

礼拝など、時刻的には厳密ではなく、やむを得ない事情があるなら「夜明け」の礼拝は次の正午までに行う、となるようです。断食など「イスラム教徒の太る時期」とも表現され、言葉からのイメージとは違うようです。ラマダンは日本語では「日中断食」とするのが適切なのでしょう。日中断食をしないのは、妊娠している人、出産して2年以内の人、病人、子供、年寄り、戦争中の兵士です。巡礼も子育てに費用のかかる人や病人などはする必要はありません。ローン(借金)で巡礼など「とんでもない」ことなのです。
他にも、一夫多妻制は興味本位でよく知られていますが、「公平に全正妻を愛さなくてはならない。男は大変ネ(大笑い)」とのことでした(抜け道もあるはず・・・?)。日本の戦国ドラマに良く出てくる武将と正室・側室の関係とはかなり異なるようです。
豚肉を食べない、酒は飲まない、賭け事はしない等は生活上のリスク低減の教えとして理解できますが、「金利」も宗教的には認めないとか・・・。どのような理屈をもって現代の産業活動にすり合わせしているのか、興味深々ですがわかりません。現時点ではイスラム教諸国で各種の方法が模索されているようです(News Week, December 30, 2002, pp.18-19)。
例えば、非イスラム教国の住宅ローンは、個人が銀行から借金をして住宅を購入し、元利合計を一定期間に返済します。あるイスラム教国では、個人が銀行に住宅の購入を申し込むと、銀行が住宅を購入し元利合計相当額で申込者に販売し、分割払いで返済するのです。これなら銀行は利子を取ったことになりません。売買差益はイスラム教の教えに反しないことを利用した方法です。

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