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北欧4カ国・周遊の旅11日間 ( 2005年5月25日〜6月4日 )
おわりに(エピローグ)
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何事であれ物事を1つ終えて良い結果の場合には、達成感や満足感や心地良い疲労感が伴うものです。今回の北欧旅行がそんな旅行でした。自宅に戻ったら時差ボケや疲労はどんどん消え、1〜2日で普段の状態になりました。旅行先の比較はしたくないのですが、前回のインド旅行と比べると疲労など無かったも同然だったのです。北欧諸国の春爛漫の自然環境と裕福で清潔で安全な社会環境の双方が旅行中に精神的な負担を与えなかった。危機に対する緊張感が全くないので旅行中はリラックスして観光や見学を十分に楽しめたのでしょう。

数10年前の若かりし頃を思い出すと、日本における北欧といえば「福祉国家」、「高額納税」、「高身長、金髪」、「ヌーデストの国」などのイメージがかなり強調されていたように思いますが、太陽光線を心から欲する北欧の人達の心情も理解せず興味本位の覗き趣味すら蔓延していたような記憶もある・・・。北欧に関して他に一般的に知られていたことは、よくてサウナや少数民族のラップとトナカイやオーロラ程度だったでしょうか。

テレビ等々で良質な現地情報が報道されることも多くなり、海外旅行者も増加して自分の目で観て知るタイプの人達も昔とは比較にならない数になっています。その上にインターネットの活用で知りたい北欧情報の入手も随分と楽になった。何が鶏で何が卵かは分からないが、近年はかなり北欧のイメージも変わってきたと思います。日本でも中級〜高級車として定着した「ヴォルボ」、白樺から抽出する虫歯予防の「キシリトール」、夜長を生かした「IT産業」では無料OSのリナックスやブラウザのオペラなど北欧産で世界的にその名を知られるものがあるのです。携帯ではエリクソンも頑張っている。キャラクターのムーミンなど探せば他にも沢山あることでしょう。

1番長く滞在したノルウェーを例にとると、国土面積は日本とほぼ同じで人口はたったの458万人、両国の人口比は 約28:1 にもなる。スカンディナビア半島は南北に伸び、2〜3千メートル級の山々が続き、リアス式海岸とフィヨルドの西岸は農業に適した土地は極く限られている。だから漁業が盛んでした。この辺は日本と似ている。歴史的にも干タラ、塩漬けニシンなどが重要な輸出品で、ハンザ同盟の国外の商館所在地ではベルゲンが最大規模だったという説すらあるのです。現在では、ニシンやシシャモを日本が買っている・・・。

こんなに少ない人口にもかかわらず、小さいながらもりっぱな都市が幾つもあり近代産業をも維持している。 隅々まで往復2車線ながら国道をはりめぐらし、エルクや他の野生動物が道路で傷つかないような配慮をする余裕もあり、アチコチの不便な地でも人が住めば電力と通信手段を供給し・・・。大規模なフィヨルド地域を活用してクルーズ観光を盛んにし、暗闇につつまれる冬季を逆手にとってオーロラを売りものにする。高い山上には別荘地もあり、無数にある入り江には数多くヨットやプレジャーボートが係留されていることも多いのです。とにかく小人口ながらいろいろな方面で活発な感じです。
少人数で各種の設備の充実と活動内容の活性化を図るには、日本ではとかく嫌われ排斥されがちな「社会全体の効率化」が欠かせないものなのです。フィヨルド観光で何度かみたが、フェリーの接岸・離岸や自動車の積み下ろしなど少人数で簡単に片付けている。しかも桟橋は国道沿い。海面が穏やかという良い条件に恵まれているが、まあ、無駄がない・・・。
我々観光客には見えない学校制度や医療制度なども同様に無駄が少なくて合理的なものと推察しても、「当たらずと言えども遠からず」と思います。
「福祉とは貧しき者の支払い代行制度」とも言い切れず、もちろん「福祉とは万人平等の支払い代行制度」ではなかったようです。北欧を旅行して感じたことは、どうやら「福祉で豊かな国づくり」をしていたらしい、でした。そりゃ、北欧人だって人の子、「税金が高い!」くらいの文句は言うでしょうが・・・。生活は食べ物を含めてとても質素なようですから。 要は、多分、伝統的に質実剛健で気力充実なのでしょう。

「社会的に無駄」を容認する国なら、幾ら原油が採れ豊富な水力があってエネルギーコストが日本の1/3程度としてもここまで「豊かな金持ちノルウェー」というイメージは持てなかったと思います。又聞きでどこまで本当のことか知りませんが、人と人の会話についても「言葉が正しく相手に伝わる」ことが厳しく求められるとか。言語による意思疎通にも遊びと無駄が本当に少なければ、それだけ人間同士の理解と協力体制に無駄が少なくなる。行動にも無駄がなくなる。厳選された言葉が合理的な行動目的とその達成手段を間違いなく伝えているからでしょう。これも長年の積み重ねが豊かな国づくりに大きく貢献したのでは?と思っています。厳しい北国生活の知恵の集積と大祖先ヴァイキングの勇猛果敢な行動力に加えて、ゲルマン系民族の知力と新教系キリスト教の精神が相携わり、今日の豊かな北欧社会の出現となっているのでしょう。

ある意味では当然ながら、日本の花鳥風月を重んじ「みそひともじ」など言葉で遊ぶ伝統とはかなりの距離があるようです。あくまで実務ではなく文化のレベルでのことですが・・・。しかし、現実的には北欧の色彩感覚にも多少の違和感を覚えてしまう。音楽もグリーグやシベリウスの代表作はともかくとして我々にとって暗い旋律のものも多いようで、美術といってもムンクが入院する以前のものが評価されている程度ともいわれます。ヴィーゲランの裸体群像の彫刻も人恋しくて生まれたものかも知れないのです。よくは分かりませんが、安心できる豊かな北欧諸国を作りあげることはできても、人間の複雑な胸中を全て満たすことは難しいことなのでしょう。

旅行記の結末文としては妙なものとなりましたが、北欧の印象の1部です。繰り返しですが、ホントに清潔で安心して旅行できた北欧諸国でした。雄大な風景も素晴らしくきれいでしたネ!

これで北欧4ヵ国の旅行記も終りです。やっと4月の終りから始まった北行の北欧旅行も全て終りとなりました。 今回のツアー参加の方々は夫々のグループで行動されることが多く、少しでも我々がお話できた方々はごく限られました。添乗員さんも病人発生で余計な負担を強いられましたが、よく切盛りされました。最後に一言、皆さん、道中お世話様でした。

この北欧4ヵ国旅行記を含め北行庵の旅行記をご覧になられた方がどのような印象をもたれるのか、最近はあまり自信がありません。それでも「少しでも情報収集などにお役に立てれば」と願っています。一言、アクセスに感謝いたします。

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