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旅行記|スペイン紀行、世界遺産を巡る ( 2003年11月4〜11日 )
スペイン語とスペイン語圏
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スペイン語は「ロマンス語」の一つ。つまり、古代ローマ帝国の勢力拡張により欧州各地へ広がった「俗ラテン語(口語のラテン語)」が方言分化したもので、フランス語、イタリア語、ルーマニア語等と姉妹関係にある。これらのラテン系言語を一括してロマンス語と呼ぶ。
スペイン国内の約4200万人はもちろん、中南米諸国、アフリカの各地、フィリピンなどで用いられ、その総使用人口は数億人にもなり、英語などと並ぶ世界で最も有力な言語の一つとなっている。
スペインと中南米19ヵ国の合計20ヵ国では公用語であり、また国際連合でも公用語の一つとなっている。スペイン語圏では一般に反英語感情が強い傾向がある、といわれます。
スペインではスペイン語(カスティーリャ語)の他に少数派ながらカタルーニャ語、ガリシア語(ポルトガル語)、バスク語が使用されている。

スペイン語形成のミニ歴史:
ローマ人侵入以前のイベリア半島で使用された言語についてはほとんど知られていない。複数の非インド・ヨーロッパ語系の言語が使用されていたらしく、その1つ「原初イベリア語」と呼ばれる言葉のなごりが、現在バスク地方で話される「バスク語」であるともいわれる。

カルタゴがローマ帝国に破れイベリア半島はローマ帝国の支配する地となった。持ち込まれた俗ラテン語がバスク語を除くすべての原住民の言語を圧倒し、後のスペイン語の母体を形成することになる。
5世紀初頭、北方からゲルマン系の西ゴート族が侵入し、トレドを中心とする王国を樹立することになった。言語的には少数のゲルマン系借用語をとり入れただけで俗ラテン語の形成する母体は揺るぐことがなかった。
西ゴート王国の衰退により北アフリカのムーア人(改宗ベルベル人)が半島に侵入、文化的に高度なイスラム王国をつくり上げた。しかしスペイン語はアラビア語から数多くの名詞を借用しただけで音韻的にも文法的にもなんら影響を受けるところがなかった。

現存するスペイン語最古の文献は、サン・ミヤン・デ・コゴーヤの修道院で見つかった「サン・ミヤンの注記」である。これは古典ラテン語の文章の欄外に、修道士たちによって「当時のスペイン語」で走り書きされた注記で、977年のものと鑑定されている。

イベリア半島の歴史において、俗ラテン語が単一言語として存在し続けたのではなく、当然ながら方言分化が起こった。半島北東部の方言がのちの「カタルーニャ語」となり,北西部の方言がのちの「ガリシア語 (ポルトガル語)」となる。
そして北方の中央部の方言が母体となり、のちのスペイン語が確立していく。

半島の北方中央部のラテン語方言はさらに細かい方言分化が起こっていた。それらの方言は3つに分類され、東方の「アラゴン方言」、中央の「カスティーリャ方言」、西方の「レオン方言」である。
政治的には、国土回復戦争(レコンキスタ)の初期には、北方のキリスト教国にはアラゴン王国とレオン王国が存在するのみで、カスティーリャはレオン王国に属する一伯爵領にすぎなかった。ところが国土回復戦争の南進にともない、主導権を握ったのはカスティーリャであり、途中でむしろレオン王国を合併するような形で、カスティーリャ・レオン王国を形成した。さらに15世紀後半アラゴン王国と連合してスペイン王国を形成したのもイサベル1世に率いられたカスティーリャ王国であった。
このような経過でカスティーリャ方言が標準スペイン語の地位を獲得したのだった。そのためこの標準語はしばしばカスティーリャ語(castellano)とも呼ばれることになる。

1492年イスラム王国最後の拠点グラナダが陥落し、後年イスラム教徒は追放された。 同じ1492年に国外追放の憂き目にあったユダヤ人は北アフリカ、バルカン半島、中東に定住し追放当時の古風な特徴を残すユダヤ・スペイン語を保っている、といわれる。この時期にイベリア半島は宗教的にカトリックに統一されたのだった。さらに、1492年にはアンダルシア地方のセビリアを出発地としてコロンブスの西インド諸島への到達があった。16世紀以降に多数のアンダルシア出身者が南・北両アメリカ大陸に渡り、カスティーリャ方言の南下の産物といえるアンダルシア方言(andaluz)が中南米のスペイン語を生む母体となった。今日、ブラジルとハイチを除きプエルト・リコを含む中南米19ヵ国において公用語として用いられているのはアンダルシア方言としてのスペイン語といえるようです。

注:以上は日立デジタル平凡社「世界大百科事典」DVD版1998「スペイン語」の要点を基礎に各種資料との合成です。

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