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スイスとアルプスの山々 (4日目/2007年6月28日)
グローセ・シャイデック、ユングフラウヨッホ
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◇◆◇
今日の主要なスケジュール(タイトルの補完):
(1) クローネシャイデック展望台まで村営バス、山中で「逆さアイガー」を見る早朝ハイキング。
(2) 登山電車を乗継ぎ、ユングフラウヨッホ駅。スフィンクス展望台で山々と氷河を眺望。
(3) クライネシャイデックからアルピグレンまでアイガー山麓のお花畑をハイキング。
ベルナー・オーバーラント地図
地図はレストランの使い捨て紙ランチマットから1部を借用、日本語地名は北行庵が記入。クリックで拡大。

ホテル出発まで:
05:05 起床。昨夜は1度目覚め、しばし寝付けなかった。就寝が早かったためでしょう。
デジカメ・バッテリーの充電は完了していた。
窓の外は雲が低く垂れ込めている。夜は雨だったらしく路面は濡れていた。がっかりです。しかしクローネシャイデックまでは行くしかないと思う。
06:05 ベランダに出る。曇空ながら雲はどうやら高くなりつつあるようでした。
06:15 リュックを持ち、部屋を出る。
06:20 ロビーに集合。全員が揃うまで待つ。
06:40 別棟E階の広いレストランに行く。ツアーのテーブルは決まっていました。
食事はビュッフェ形式。例によって、グレープフルーツ・ジュース、パン2個とバター&ジャム、チーズ薄切り2種1枚づつとハム薄切り2枚、フルーツ盛合わせ、ヨーグルト、コーヒー2杯、でした。チーズは恐る々口に入れたが、クセがなく食べやすいものでした。これでも少なめのつもりです。
07:05 ワイフは衣類を取りに1人で一旦部屋に戻った。その間、私はホテル前庭の写真を撮って過ごす。
07:15 集合。

早朝ハイキング(グローセ・シャイデック展望台):
Grosse Scheidegg
グローセ・シャイデック展望台
07:15 全員でホテルを出発。駅近くの駐車場まで下り道を歩いて向かった。早朝のことでメーンストリートのドルフ通りやハウプト通りにも人の姿は殆どない。途中から見る山々には未だ雲が多かった。しかし時々高所も切れ間に見え隠れする状態でした。
07:25 登山鉄道の駅近くにあるグリンデルワルト村営バス乗場に到着。黄色いバスが数台あった。
07:28 その1台に乗る。乗客は我々のツアー27名のみです。定期運航なのか、旅行会社で手配した臨時便なのか、不明でした。

グローセ・シャイデック
(Grosse Scheidegg/1962m)

グリンデルワルトから北東に向かってアイガー(Eiger/3970m)、シュレックホルン(Schreckhorn/4078m)、ヴェッターホルン(Wetterhorn/3701m)とアルプスの高山が並んでいる。シュレックホルンの谷側の稜線にはメッテンベルク(Mattenberg/3104m)というピークもある。そしてアイガーとシュレックホルンの間にグリンデルワルト下氷河、シュレックホルンとヴェッターホルンの間にグリンデルワルト上氷河、2つの氷河でも知られる雄大な山並みです。その谷をグリンデルワルトから北東方向に村営バスで登りつめると大きな鞍部になる。ヴェッターホルンと北西にあるシュヴァルツホルン(Schwarzhorn/2928m)を結ぶ稜線、それがグローセ・シャイデック(意味は「大きな峠」)でスイス国旗が立つ展望台がある。峠を越えてさらに進み北東側の谷を下ると小説上で「シャーロック・ホームズがモリアーチー教授と戦ったライヒエンバッハの滝」の傍にでる。その先の谷底にマイリンゲン(Meiringen)がある。

07:35 出発。 村営バスは曲がりくねった細い道をゆっくりと登った。グリンデルワルト(標高1034m)とグローセ・シャイデック展望台(標高1962m)は高度差928m、それを約35分で登るのです。グリンデルワルトの町を過ぎると時々民家をみる程度となる。こんな山中に住みながら自転車が置いてあったりする。どんな目的で使用するのか・・・。しかし道標には「自転車マーク」もあり、マウンテンバイクも盛んなエリアなのでしょう。

08:08 グローセ・シャイデック展望台に到着。ここには4階建の山小屋風ホテルがあった。傾斜地なので3階建てに見えたりするが・・・。そのトイレを借用(CHF1.00)しました。
ホテルの下には昔ながらの山小屋風の家が幾つもあった。近くの風景は見えるが周囲の山々は雲隠れ、グリンデルワルトの村は見えず、反対側のマイリンゲンに下る谷からは雲が湧き上がっている。無風に近く雨が降っていないのがせめてもの救いでした。
08:15 ハイキングに出発。と云っても、今バスで登った広い道を歩いて下るのです。
道の両側は波打つ草原、その中に低潅木がある。丁度アルペン・ローゼ(アルプスのバラ/ツツジ科)は赤い花が満開、見事でした。他にも多くの種類の高山植物が沢山の花を付けていたが、その殆どは名知らずです。随分と写真は撮りました。皆さんは一足先に目的の小さな池の周りを囲んでいます。

08:40 登山道から数十メートル引っ込んだ小池に行く。その周辺は斜面の草原で、花を咲かせる高山植物も多い。特に小道がある訳でもなく、植物を痛めないよう皆さんの歩いた跡を辿りました。小池の奥側に行くと、鏡のような水面に急峻な岩壁が見事に写っています。
down-hill walking to this pond from Grosse Scheidegg 名知らずの池に写る岩壁 (ヴェッターホルンの岩壁?) 絶好の晴天ではなくとも、グローセ・シャイデック展望台に到着した時より雲は減り高くなっていた。谷底に広がるグリンデルワルト村や登山が難しいアイガー北壁も中腹までは何とか見えている。
ここで私の計算の甘さが出てしまった。記述の時点で思うに、アイガーと池の位置関係をもっと慎重に見定め、さらに水面と撮影場所の高度差も考慮すべき、だったのです。当時は、直ぐに大勢が登った形跡のある池の奥の小高い場所に上がり、水面に写った岩壁を撮影しました(右上の写真)。これが目的の「逆さアイガー」なら良いのですが、幾枚かの写真を検討すると、アイガーよりも近くの岩壁の反射像を撮影したようです。残念ながら、アイガーの1部分ではない。強いて云えば「逆さヴェッターホルン岩壁?」でしょうか・・・。撮影場所から左方向に移動し池からの高度と距離を上手くすると、「逆さアイガー」が撮れるかも・・・。しかしアイガーは遠く、雲のない晴天で水面が鏡状なのが理想的・・・。この時はアイガーの上部は未だ雲の中で直接にすら見えなかった。
理屈上は、池のすぐ近くでは、水面に反射する逆さまの山々を広範囲に撮れるはず、しかし今朝は空の状況のためか似たようなものでした。それでも皆さんは記念写真の撮影で大忙しです。非日常的なことを楽しめ、早起きした甲斐があったのです。

08:48 三々五々池から離れ、バス道路をグローセ・シャイデック展望台に向かって帰り始めた。往路の下り坂では気付かなかった花を見つけたり、天気も次第に回復に向かっているのが感じられ、満足した気分でゆっくりと登りました。
かなり登ったころ、雲は減り青空が増えてきた。直ぐ近くにはヴェッターホルン(3701m)と思しき険しい岩山の頂きまで見える。もしヴェッターホルンそのものでなくとも、その1部の峰なのは確かです。
09:20 グローセ・シャイデックのスイス国旗の立つ展望台に着きました。ここから幾つかのハイキング道が延びており、道標が幾つもあった。南方向に目をやると、左側のヴェッターホルンからシュレックホルン(メッテンベルク)、アイガーと険しい山並みが続く。シュレックホルンの岩壁とアイガーの間には幾つかの白いピークが東に連なる。石斧のように鋭く切立つアイガーの直ぐ左に白い三角の頂きがあるが、これはメンヒです(下の写真)。
そこから左に低く白い尾根があり、次ぎに山が盛り上がっている。遠方なので小さく見えるが、私にはメンヒから後方に伸びるユングフラウヨッホとユングフラウ主峰に思えて仕方ありません。不確かで申し訳ないのですが、ウェブ/画像検索でもこのメンヒ後方の峰に関しての情報が入手できなかった。手持ちの簡略な観光地図によるとユングフラウはこれら2峰(アイガー・メンヒ)の後方で、グローセ・シャイデックからは見えないように思えます。それでメンヒの右側の白い峰はここでは名不詳としておきます。
谷底にはグリンデルワルトの村が広がっている。素晴らしい大パノラマでした。
グローセ・シャイデック展望台から見る名峰 左からヴェッターホルンの稜線、シュレックホルン(Schreckhorn, 4078m)/メッテンベルク、白いメンヒ(Monch, 4107m)、
アイガー(Eiger, 3970m)。メンヒはアイガーの後方になり、その左の峰と山は名不詳。
シュレックホルンの両側下にグリンデルワルト上氷河とグリンデルワルト下氷河あり

ついでながら、写真の3山はツアーでいう3大名峰には含まれません。しかしアイガーは特に知られたスイスの名峰の1つです。ここグローセ・シャイデックから眺める姿が最も美しい、ともいいます。その剃刀のように薄い急峻なエッジは凄みを感じさせました。
09:28 バスに乗車。
09:30 出発。山岳風景をボンヤリと楽しみながらの下山でした。 グローセ・シャイデック、早朝ハイキング
09:50 グリンデルワルトのバス停に到着。その後、Sさんから今後の予定などの説明があった。

登山鉄道WABでクライネシャイデック:
暫くは登山電車待ちの自由時間で、駅舎の近くで適当に過ごした。
10:22 インターラーケンからBOBの電車が到着。
10:25 この頃にクライネ・シャイデック行きWABに乗車。天窓も付いた観光用のきれいな車両だった。座席は4人用ボックスが両側にある。ただアプト式の登山電車のためか、車両の巾は狭いものでした。

知らなかったが、大きなビデオ・カメラを担いたプロ・カメラマン(男性)が我々のツアーに同行する。ここで紹介があった。ユングフラウヨッホ登山中はいろいろと撮影して30分のDVDに編集、それを記念品として販売(@\9000)するのです。個人ではなく、東京の会社らしかった。車内で各グループを回って何か聞きながらビデオに収めていた。すごい時代遅れながら、これが初めての自分自身のビデオ映像でした。
帰国後にDVDを見ると、歩く時に習慣的に肩を揺さぶる。びっくりし、今は肩を揺さずに歩くよう気を付けているつもり・・・。思わぬ副産物でした。

4年前は予定の電車が間引きでグリンデルワルト駅まで来なかった。それで村営バスでグルント駅に下ったのです。WABのグリンデルワルト(1034m)とグルント駅(Grund/943m)の乗車は初めてでした。

10:32 登山電車・出発。まず次ぎのグルント駅まで急な下り(約90m程度)です。アプト式鉄道と知りながら、少々怖くもありました。車窓外のグリンデルワルト村の風景は”よき眺め”でした。
10:35 グルント駅に到着。この駅でスイッチ・バック、列車の前後が反対になる。
10:40 この頃に出発したはず。
これからはアイガーの急峻な岩壁を見ながらクライネ・シャイデック駅(Kleine Scheidegg/2061m)まで登りです。途中にブランデッグ駅(Brandegg)とアルピグレン駅(Alpiglen)がある。今日の午後、ユングフラウヨッホの帰路、クライネ・シャイデックからアルピグレンまでハイキングを楽しみながら歩いて下る予定です。
11:05 クライネ・シャイデック駅に到着。 登山鉄道WAB

地名であり駅名でもある「クライネ・シャイデック(Kleine Scheidegg)」の意味は「小さい峠」。今朝の「グローセ・シャイデック」とは意味が反対です。ところが標高は 2061m v.s. 1962m で「小さい峠」が「大きい峠」より 99m も高いのです。
ここはJBへの乗換え駅であると同時に、アイガー(Eiger/3970m)、メンヒ(Monch/4107)、ユングフラウ(Jungfraujoch/3454m)の雄姿を楽しむ展望台でもある。下車時には、アイガーとメンヒの山麓は厚い雲が長く横にたなびき、頂上のみ見える状況でした。主峰のユングフラウヨッホは雲に覆われていた。この状況は昼食を終え登山電車JBに乗るまで大して変わらなかった。それでも4年前には厚い雲のためクライネ・シャイデックから山々は全く見えなかった。それに比べると上々でしょう。
Eiger and Monch from Kleine Scheidegg クライネ・シャイデックからアイガー(Eiger, 3970m/左)とメンヒ(Monch, 4107m/右)、 。ユングフラウは見えず。
現在は駅の近くの小山で建設工事が進行中、資材を運び上げるヘリコプターが頻繁に飛び交い、その爆音が凄かった。
我々は予約されているレストランに直行です。WAB乗場から大きな建物の裏に回るとJB乗場になる。

昼食(クライネ・シャイデックのレストラン):
登山電車JBの乗場とレストランの建屋の間は食事用のテーブルが数多く並んでいる。まだランチには早いので誰も座っていない。我々は外ではなく中の窓沿いのテーブルでした。
昼食の内容は、野菜スープ、メーンデッシュ(ハンバーグ・パスタ・キャベツ千切り)、デザート(プリン)。食後に確かコーヒーを飲んだはず・・・。

自由行動: 集合時間まで予定はない。4年前は土産店でチロリアン・ハットを見歩いたり、セントバーナード犬の置物などを購入したが、今回は外をブラブラして風景を楽しみました。東洋系女性が薬箱を首に付けた見事なセントバーナード犬を広場につれてきた。団体観光客の記念撮影用なのです。中高年の日本人・男女がズラリとセントバーナード犬を中心に並び、記念撮影でした。デジカメでセントバーナード犬を撮ったら、犬のオネエサンに日本語で「撮っちゃダメ!」と大声でしかられました。
「これだから日本人の男は!」と幾度も繰り返し言われるのでしょうね・・・。 昼食(クライネ・シャイデック)

登山鉄道JB(クライネ・シャイデック→ユングフラウヨッホ):
12:05 JB乗場に集合。
登山電車JB(Jungfraubahn)
登山電車JBについて簡単に説明すると、クライネ・シャイデック(2061m)からユングフラウヨッホ駅(3454m)まで高度差1393mを上るアプト式鉄道です。その全長は 9.3Km で、その内 7.122Km がアイガーとメンヒの下を貫いたトンネルです。距離的に 77% は暗闇を走る。途中に3駅があるが、車窓の展望が楽しめるのは最初のアイガーグレッチャー駅まで、その後はトンネルです。トンネル内の2駅(アイガーヴァント駅・アイスメーア駅)と終点ユングフラウヨッホ駅はもちろん地下駅となる。しかし全て展望台があり、天候に恵まれると珍しい山麓の景色を楽しめます。登り電車は各駅停車で展望台に行けるが、降り列車はトンネル内は急行で停車しません。単線のすれ違いと観光向け展望台を上手く組み合わせている。
この長い登山鉄道用トンネルは1898〜1912年に作られたもの、既に100年近くの歴史がある。
12:07 「大津」と書かれた登山電車に乗車。座席指定ではないが、車両とツアーの場所は決まっていました。我々は進行方向の右側に座った。 ついでながら、JBの列車に日本語名「大津」があるのは、インターラーケンと滋賀県大津市が1978年に姉妹都市になったことを記念するものです。

12:12 出発。
登山電車JBは傾斜した軌道をゆっくりと登っていく。クライネ・シャイデックの建物や停車中の列車がよく見えました。
曲がりながら電車は次第に高度を上げ、風景も雄大さを増す。眼下には巨大なU字谷が見えるが、その底にはラウターブルンネン村があるはずです。そこのシュタウプバッハの滝(落差305m)は良く知られるが、この谷沿いの絶壁には70以上もの大小の滝があるらしい。
車窓からは、同じU字谷の断崖の上にミューレン村が見える。イギリス映画「女王陛下の007(シリーズ第6作/1969年)」のロケ地の1つにシルトホルン展望台が使われた。ミューレンの外れにそのロープウエー乗場があるのです。化石燃料車が禁じられている山岳リゾートの1つとしても知られています。
幸い、雲はあるものの、青空で素晴らしい眺めです。 4年前には雨や雪や霧で高所は何も見えなかった。それが故の2度目のスイス旅行、この風景は感激ものでした。
12:17 この頃にスノーシェルターを通り抜け、メンヒの両側にある氷河の先端などが見え始めました。 Jungfrau from JB Train 運よく名峰ユングフラウ(Jungfrau, 4158m/中央)が姿を現した。左から中央はJB鉄道の長いスノーシェルター。
アイガーグレッチャー駅(Eigerglecher/2320m):
12:18 この頃、到着。車窓からユングフラウとメンヒ、そして直ぐ近くにアイガーとメンヒの鞍部から流れ落ちるアイガー氷河(Eigergletscher、長さ約2.6Km)の先端が見ている。間近に見ると「きれい」ではないが、やはり迫力を感じさせる珍しいものです。この氷河も温暖化で後退しているのでしょうか? 1世紀も昔にトンネル工事で働いた人達が使った建物が今でも駅近くのホテルとして使われているそうです。
12:25 この頃、出発。直ぐにトンネルに入る。終点までの往復は岩山の山腹内です。
アイガーヴァント駅・展望台のアイガー北壁における位置 中央左の箱印にアイガーヴァント駅の窓3つ。
(展望台の説明板の写真を借用しました)
アイガーヴァント駅(Eigerwand/2865m):
12:38 この頃、到着。下車して展望台に向かう。巨大ガラス窓の展望台は運悪く雲がかかり景色は良いものではない。しかし手前の積雪の急斜面と谷底の緑のコントラストが雲の切れ間に見え、珍しい光景で楽しめました。WABのアルピグレン駅やブランデッグ駅も見えるかも知れないのですが・・・。アイガーヴァント展望台の場所を示す写真(右)を見ると、すごい場所に登山鉄道を作ったものです。
12:45 この頃、出発。
アイスメーア駅(Eismeer/3160m):
12:52 この頃、到着。ここでも下車して展望台に向かう。
ドイツ語のアイスメーアは「氷の海」の意味、展望台からの眺めは眼下に急勾配の巨大な氷河、さらにその下は白い盆地(谷)、上と周囲は岩と雪と氷の山並みです。
12:58 この頃、出発。 登山電車JB

ユングフラウヨッホ駅(Jungfraujoch/Alt.3454m):
Jungfraufirn
ユングフラウ氷河と先の大アレッチ氷河
今回のツアーでいうアルプス3名峰の1つがユングフラウ(Jungfrau/4158m)です。駅名はユングフラウ・ヨッホとなっている。 ドイツ語のヨッホ(Joch)は2頭の牛を首で繋ぐ”くびき”の意味、ここではユングフラウとメンヒを繋ぐ鞍部(尾根)の意味と解釈すべきなのでしょう。登山鉄道の地図によると正しくメンヒとユングフラウの鞍部に駅がある。(蛇足ながら、”若き女性”と”僧侶”の首をつなぐ”クビキ”の解釈はイロイロあるようです・・・。)

ベルン州とヴァレー州にまたがる山岳地帯は「ユングフラウ・大アレッチ氷河・ビェッチホルン地域」として2001年12月からユネスコ世界自然遺産に登録されています。

13:14 この頃、到着。この駅の標高は欧州の鉄道駅では最も高いとされます。そして、ユングフラウヨッホ展望台入口にある「世界最高地点の郵便局」でも知られます。ここから絵葉書を出すと、切手の消印が珍しく喜ばれるでしょう。自由に押せる記念スタンプもある。スイスの黄色いポストの他に、日本の赤いポストもあり目立っている。

注1:日本で標高が最も高い駅はJR東日本・野辺山駅(1345.7m)、すごいものに中国の青蔵鉄道・タングラ駅(5068m)がある。ペルーやボリビアにも標高の高い鉄道駅はある、と思います。しかし、観光的にユングフラウヨッホ駅の右に出るものはない、でしょう。
注2:旅行記「ドイツ南部とスイス名峰の旅(2003年)」に切手・消印スタンプの写真あり。
注3:富士山頂近くにも郵便ポストがあるが冬季は閉鎖。この度、新穂高ロープウェー・西穂高口駅(2156m)に昔懐かしい赤いポストが設置された。通年集配の郵便ポストでは日本一の標高とされる。(出典:日経、2007/9/30)

ここは高山病になる高度です。深呼吸(もしくは呼吸)を頻繁に行い、ゆっくりした歩行と動作です・・・。酸素ボンベが備えられ、救急隊員もいるようですが、高山病を避けるべく各自で気を付けるしかありません。

駅から入った所の土産店やカフェ・スタンドがある広場に集合した。この建物内には”Top of Europe”なる大レストランを含め幾つかのレストランがあり、さらに他の観光施設に通づる何本ものトンネルがここから伸びている。窓も大きく作られ、展望台兼用のユングフラウヨッホのサービス・センターです。
しかし我々のランチは済んでいるし、これから全員でスフィンクス展望台に行く。そこで解散ですが、ビデオ・カメラマンが「氷の宮殿」まで案内する。集合はここに14時30分です。

スフィンクス展望台(Sphinx Terrassen View Point/Alt.3571m):
13:20 スフィンクス展望台に出発。まずは長いトンネルをエレベータ乗場に向かいます。
13:23 エレベータ乗場に到着。意外にも多くの人達が待っていて混んでいました。
13:28 100m以上を高速エレベータで上る。何階もあるガラス張りのスフィンクス展望台に到着、ここには天文台もあるのです。

目に飛び込んできたものは、純白の雪原、鋭く切り立つユングフラウと近くの岩山、白い帽子をかぶったメンヒ、遠くに緩く長く蛇行しながら流れ下る氷河、大勢の姿が見える雪のプラトー展望テラス、そして青空!素晴らしい光景としか云いようがありません。しばしガラス箱の中からユングフラウ主峰やメンヒ主峰を見ながらブラブラ回ったが、結局は1階ほど階段で上がり、外の展望台に出ました。
風は弱く、日差しは強い。高山の厳しい寒さは感じませんが、それでも襟元のボタンをして手袋を着用した。絶景に見とれてポカミスをした。帰国後に写真をみたら、ユングフラウは何枚もあったが、素晴らしく白い帽子のメンヒがない。撮り忘れだったのです。デジカメも坊さんより若い女性が良いらしい。

話は理屈っぽくなりますが、ここから流れ下る大氷河を”アレッチ氷河”と呼ぶ人は多い。極端な例では、アレッチ氷河はユングフラウヨッホから流れ出る、とすらいうのです。しかし、スフィンクス展望台近くから南東に流れる氷河は当地では ”ユングフラウフィルン(Jungfraufirn)” というようです。ドイツ語の”firn”は万年雪とか氷河の意味があり、日本語では”ユングフラウ氷河”が正しい名称になるでしょう。展望台から撮影したタイトル下の写真では、氷河は遥か彼方の山並みで右に曲がっているように見えます。その辺りは既にアレッチホルン(Aletschhorn/4195m)の北側から流れる”大アレッチ氷河(Grosser Aletschgletscher)”のようです。大アレッチ氷河は巨大な半円状に流れ、ユングフラウ氷河を含めて幾つかの氷河が合流するが、ユングフラウヨッホからは上の写真のように1本の氷河に見えるのです。

アルプスで一番長い大アレッチ氷河は1970年代には約24Kmあったが、現在は1Km以上も短くなっているそうです。1年で30m以上も後退することが多くなったらしい。(注:氷河に関する数値は微妙で誤差含みかも知れません。) 世界の多くの氷河は「地球温暖化」により短くなりつつある、とされます。南米パタゴニアの長大氷河には今でも成長を続けるものもあると聞きましたが、正しい情報なら例外でしょう。不気味な異常気象の報道が多くなり、地球の自然発生的で周期的な変動とは思えない様相です。アルプスの氷河について温暖化の影響を調査したスイスの専門家は、意外にも、「地中海のリゾートは高温になり誰も行かなくなるが、スイスの山岳リゾートは涼しいので逆に賑わう」 と強気の計算をしているらしい。少なくとも、そのような報道記事を目にしました。こんなスイス人の立場が「大陸のなかの島国スイス」という表現[Ref.07]の元かも知れません。

13:50 スフィンクス展望台をあとにする。下りエレベータは直ぐ乗れました。他のメンバーはビデオ・カメラマンといっしょに移動したのか、姿はありません。

アイス・パレス(Eispalast/Ice Palace): 
14:01 ユングフラウヨッホ駅のサービス・センターを通り抜け反対側のアイス・パレスに行く。案内表示に従えば迷うことはありません。
ここは氷河の中をくり抜いた氷のトンネルのアチコチに氷像が飾ってある。色付きライトで照らしたり、まあ、きれいにしている。壁面に手摺があるが、氷の床が意外にも滑り難いと思った。この時だけか、特殊加工されているのか、分かりません。
直ぐ見終り、プラトー展墓テラスの出入口に行く。プラトーまでは圧雪道で出入口近くの坂はビカビカの氷で滑りやすい。我々は用心して外に行かなかったが、皆さんは注意しながら端を歩いて登っていました。プラトーに行くと天文台もあるスフィンクス展望台の全景が見れるはずです。その後、エレベータで下に降り、駅のサービス・センターに向かいました。

休息(駅サービス・センター):  コーヒースタンドでホット・チョコレート(@CHF3.80)を2個買った。 Cap/Top of Europ
記念に購入した帽子
コーヒー、紅茶、ホットチョコレートは全て1カップ約400円、場所を考えると高いとは思えない。 近くの一段低い場所に丁度2人分の椅子が空いている。座って休んだ。ホット・チョコレートが甘く暖かいので気分が変わり、疲れも軽くなりました
その後、土産屋で写真のキャップ(@CHF10.00)を買ったが、私には少し派出に過ぎました。しかし、ユングフラウヨッホ展望台(Top of Europe)に3度も来ることは難しい。良い記念品として飾りになります。

集合、出発まで:  14:27 郵便局近くの集合場所に行く。皆さんはバラバラながら集まっているようです。これでユングフラウヨッホ展望台の観光は終りです。
14:30 添乗員Sさんが点呼、全員いました。ところが、その時に女性メンバー1人が高山病で倒れ、直ぐレスキュー隊員2名が駆けつけました。見ていなかったが、その場か治療室で酸素吸入をさせたと思います。我々は郵便局の近くに行き、1部の人達は無料の記念スタンプを利用していました。それから停車中の車両に向かった。ところが、乗る列車は反対側にあり、線路の横断は地下道です。少し遅れて、高山病のメンバーは何とか自力で歩いてきました。しかし階段の下りと上りは無理、この人のみレスキュー隊員付き添いのうえ線路を直接渡りました。
短時間の高所滞在なので高山病は大丈夫と思っていましたが、やはり体調によっては高山病になるのです。レスキュー隊の反応が実に早かったようで、感心しました。 ユングフラウヨッホ

記念のユングフラウヨッホDVD

帰路の電車:
14:50 出発。
ビデオ・カメラマンが注文取りに回ってきた。内容的には、オープニング3分、ツアー映像20分、スイス紹介7分の計30分のようです。日本円で 9000円、支払いは注文と同時、DVDは今晩編集するので明日の受取りになる。必要・不要の次元では不要ですが、記念に注文しました。代金はキャッシュでワイフが払いました。
このカメラマンは2週間前にこの地での仕事を始めたそうです。今日のような天気は2〜3日しかなかった、と云っていました。今回のユングフラウヨッホはその点は恵まれていたのでしょう。
15:17 トンネルを出ると、往きと違って空には雲が多くなっていました。
15:30 終点クライネ・シャイデックに到着。

ハイキング(クライネ・シャイデック駅からアルピグレン駅):
Hiking from Kleine Scheidegg to Alpigren
ハイキングのスタート
15:45 ハイキング開始、クライネ・シャイデック駅の線路を渡った所のゲートを通り抜けました。既にユングフラウからアイガーまでの山並みは雲の中、ハイキング中は薄曇りで頂上が見えることはなかった。

このハイキングは標高2061mのクライネ・シャイデック駅から標高1616mのアルピグレン駅まで445mを下るコースです。距離は約4.5Km、約2時間の予定です。WAB鉄道で一駅の区間、スイス政府観光局の小冊子「スイス・ハイキング」にも掲載されていない初心者向けのコースです。道は未舗装の緩やかな下り、大部分は4WDのRV車でなくとも走れる感じでした。

しかし、このツアーには根から山好き・トレッキング好きの人達も混じっている。極端な例でしょうが、若い時から日本国内の山々は無論、国外の各地をも歩き回り、パキスタンからカラコルム峠を同好会グループで越えたセミプロ級の人すらいるのです。その男性は背筋が真直ぐな痩せた人で、”風格”を漂わせている。話し方も要点を短く云うタイプのしっかりしたものです。当年おどろきの80歳。ご年齢に合ったツアーに参加して趣味を全うされている。そのような方に「初級コースなんか」といえますか?いろいろな人達が自分の目的や能力に合ったハイキングを満喫する。それでよいのでしょう。
(小声の蛇足: 実は、ハイキングの観点からはスタイルだけのミーハー族に近い人達も混じっていた・・・)

何はともあれ、各種の野の花が咲き乱れ、歩きながら実にきれいな自然を楽しめました。アルペンローゼの赤い花が多く、黄色の草花と相携えて素晴らしいお花畑を演出している場所もある。これは高原の花々を楽しむ正しい時期だったからでしょう。そんなアイガー山麓の斜面をWABの登山電車がゆっくりと登って行く。のどかでした。
途中には牛の放牧場があり、牛達が一箇所に集まる時刻だったようです。斜面の木々や潅木のある草地からカウベルの音を立てながら次々に道に出てくる。牛達に混じって歩かざるを得なかった。最初は怖かったが、人間馴れして大人しいのです。近づくと道端に避けてくれるし、目が合っても止って見ているだけ・・・。道路に作られた電気仕掛けらしい牛止めの場所に集まっていました。

話を出発点に戻すと、クライネ・シャイデック駅近くのハイキング・ゲートには「 Biginners Park / Brandegg (22) Grindelwald 」と書かれている。我々の目的地アルピグレンではなく、その次ぎの駅ブランデッグが書かれている。
かなり下った所に道標があり、道形ならブランデッグ駅、右の狭い道に入るとアルピグレン駅に行く。我々が道標に着いた時点ではツアーの各グループは既にバラバラの状態でした。我々は道標に従い右折、先述の牛の牧場を通り過ぎ、WABの線路を横切り、かなり先を左折、坂道を下ってアルピグレン駅に向かったのです。 高原の下りハイキング

17:00 この頃、アルピグレン駅に到着。我々の他に大勢の欧米系ハイカーが電車を待っています。先着のツアーメンバーもポツポツ見受けられました。

迷子の発生: 17:20 添乗員Sさんが点呼。道に迷ったか、6名が到着していない。Sさんと女性2名(補佐)が当アルピグレン駅で未着の6人を待つことになった。他のメンバーは予定の電車に乗り、先に帰ることになりました。
17:32 グリンデルワルト行き電車が出発。驚いたことに、迷子の6名全員は次ぎのブランデッグ駅から乗車した。やはり道標を見過ごして道形に真直ぐ下ってしまい、通りがかりのトラックに乗せて貰ってブランデッグ駅にきたそうです。
18:00 この頃、グリンデルワルト駅に到着したはずです。
窓口の駅員さんにアルピグレン駅への連絡をお願いしたが、既に駅員は帰宅して無人駅となっている。添乗員さんの携帯に駅から電話してもらったが接続されない。直近の通過列車にアルピグレン駅に客の姿を見たか問合せてくれました。しかし「誰も見なかった」と答えたそうです。丁寧に礼を云って、「連絡は諦める」ことになった。必ず最終の電車で戻ってくる。夕食もあり、ホテルに帰ることにしました。
結果として、Sさんに付添った2名は最終前の電車(18:03アルピグレン発)で、Sさんは最終電車(19:03アルピグレン発)で戻ったのです。

グリンデルワルトのホテル(SUNSTER/2泊目)と夕食(外のレストラン):
18:28 ホテル到着。このような時には適当なリーダー格の人が現れるものです。年配の男性がまとめ役となり、休息後にホテル前のレストランに行くことになりました。集合は6時50分にロビーです。
18:50 ロビーに集合。そろって昨夜と同じレストランに行く。ところがレストランは7時30分の予約といい、準備が出来ていない。再度、自由行動となり、7時20分のロビー集合です。

夕食(ホテル前のレストラン): 19:20 再集合。道を横切ってレストランに入りました。飲物は2人でビール1本(@CHF5.00)にした。
何とか落着いた頃、臨時の世話役が簡単に食前の挨拶をしました。お世話様です。
次ぎに、迷子になった6人を代表する人が「お詫び」の挨拶。ホントニ、大変な大騒ぎ、迷惑なことでした・・・。でも、無事に夕食にありつけて良かったですね。
次ぎに、ユングフラウヨッホ駅の集合時に高山病で倒れた女性が立ち上がった。「ご心配とご迷惑をおかけしました。」 高山病になると本人は辛いが、下山すると治る。ハイキングもしたので大丈夫だったのです。
次ぎに、チューリッヒ空港でロスト・バゲッジになった男性が挨拶、「ご心配をおかけしましたが、先ほどホテルで受取りました。シャツはTシャツを買って間に合わせたが、パンツがなくて困りました。」 紙シャツ・紙パンツのセットを機内に持込むと良かったですね。
19:45 Sさんがレストランに着ました。大拍手でした。責任とは云え、最終電車まで1人で頑張ったのです。ご苦労様でした。
思えば、何かとハップニングがあった1日でした・・・。

夕食はビールで喉を潤しながら、サラダ、フライド・ポークとパスタ、アイスクリームでした。
Sさんから明日の予定が発表になった。
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モーニング・コール(07:30)/荷物出し(08:00)廊下/朝食(08:00)全員揃って/
ロビー集合(09:05)/ホテル出発(09:15)/
グリムゼル峠/フルカ峠/昼食・アンデルマット(13:00ころ)/
氷河特急・アンデルマット駅発(14:54)/氷河特急・ツェルマット駅着(18:04)/
夕食はホテルのレストランにて
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20:20 レストランを出る。

20:25 ホテルの部屋に戻った。
明朝は我々の場合は06:30起床です。それでも今晩は比較的ゆっくりです。明朝の仕事を楽にするためスーツケースの整理をしたり、デジカメのバッテリーの充電をしたり、・・・。今日は2回のハイキング、シャワーでサッパリ気分になれて最高でした。

グリンデルワルトのサンスター・ホテル(Sunstar Hotel/2泊)と夕食レストランの画像情報は全て1頁にまとめました。 サンスター・ホテル
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