シェンゲン協定の加盟29ヵ国と実施26ヵ国: 2017年現在

●:EU加盟&シェンゲン実施  (EU28カ国中、22カ国)
○:EU加盟&シェンゲン非加盟&部分実施(司法のみ) (EU28カ国中、2カ国)
□:EU加盟&シェンゲン加盟&未実施で国境管理あり (EU28カ国中、3カ国)
◆:EU非加盟、&シェンゲン加盟・実施 (4カ国)
2017年5月16日現在
シェンゲン協定・加盟国実施Schengen Treaty Member Countries
アイスランド共和国Republic of Iceland
アイルランド共和国Republic of Ireland
イギリス(連合王国)United Kingdom of
Great Britain and Northern Irland
イタリア共和国Republic of Italy
エストニア共和国Republic of Estonia
オーストリア共和国Republic of Austria
オランダ王国Kingdom of the Netherlands
ギリシャ共和国Hellenic Republic
キプロス共和国Republic of Cyprus
スイス連邦Swiss Confederation
スウェーデン王国Kingdom of Sweden
スペイン王国Kingdom of Spain
スロバキア共和国Slovak Republic
スロベニア共和国Republic of Slovenia
チェコ共和国The Czech Republic
デンマーク王国Kingdom of Denmark
ドイツ連邦共和国Federal Republic of Germany
ノルウェー王国Kingdom of Norway
ハンガリー共和国Republic of Hungary
フィンランド共和国Republic of Finland
フランス共和国French Republic
ブルガリア共和国Republic of Bulgaria
ベルギー王国Kingdom of Belgium
ポーランド共和国Republic of Poland
ポルトガル共和国Portuguese Republic
マルタ共和国Republic of Malta
ラトビア共和国Republic of Latvia
リトアニア共和国Republic of Lithuania
リヒテンシュタイン公国Principality of Liechtenstein
ルクセンブルク大公国Grand Duchy of Luxembourg
ルーマニアRomania

尚、ヨーロッパのミニ国家(アンドラ、モナコ、リヒテンシュタイン、サンマリノ、バチカン市国、マルタ)の内、リヒテンシュタインとマルタは既にシェンゲン加盟国です。フランスとスペインの間のアンドラは未加盟で出入国審査があります。フランス内のモナコ、イタリア内のバチカン市国とサンマリノは出入りは自由です。英語版ウィキペディアでは”Monaco, San Marino, and Vatican City can be considered de facto participants.(英文表記は少し変更)”としています。

●シェンゲン域内に入国するにはパスポートの残存期間 3カ月以上 が必要です。
●シェンゲン域内では国境のパスポートコントロールはありません。
●シェンゲン協定国の滞在日数は2013年10月18日から「あらゆる180日の期間内で最大90日間。」 90日を越える滞在なら要注意、各国大使館サイト等で確認してください。[参考サイト(22)]
●シェンゲン域内でパスポート(旅券)を紛失したなら、ただちに紛失した国の警察に紛失届を提出し、最寄りの領事館にて旅券(または帰国のための渡航書)の発行をうけてください。
シェンゲン域内では出域まで国境のパスポートコントロールはない。しかしパスポートの携帯は義務なので紛失したままなら官憲に拘束される可能性があります。 [参考サイト(21)]

臨時処置:
スウェーデンは約16万人の難民や移民がデンマーク経由でドイツから入国している。国境管理を厳密に行うため最南部のマルメとデンマークのコペンハーゲンを道路で結ぶオーレスン橋で入国審査を始めた。デンマークは難民や移民の滞留を避けるためドイツとの国境で同様な審査を始めた、とされる。この種の審査はシェンゲン協定発足して初めて、ノルデック協定があったスウェーデンとデンマークではほぼ半世紀ぶりとされる。仮処置で最低で10日間らしい。(2016.01.06 追記)
北欧2カ国が入国審査を強化 難民16万人超殺到するスウェーデンとデンマーク
Fresh concern for Schengen as Denmark, Sweden tighten borders
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次はデンマークからスウェーデンへの国境通過の記者の体験記を含む。(2016.02.29 追記)
Ref.24

臨時処置(2):
AFPBB によると、『シェンゲン協定の第26条では、「例外的な状況」の場合、同協定に参加する26か国に最長2年間に限り国境での入国審査の再導入を認めると定めている。 ここ数か月の間にオーストリア、ドイツ、デンマーク、スウェーデン、フランス、さらにEU非加盟のノルウェーが、6か月の期限付きで入国審査を再導入した。』 (2016.01.27 引用・追記)
移民危機に揺れるEU、シェンゲン協定の一時停止を検討

■クロアチア等々のバルカン諸国は将来の加盟を希望しているようです。
■EUメンバーのルーマニアとブルガリア、キプロスはシェンゲン協定に加盟しているが未実施です。ネット情報によると、2013年内にも実施国に移行する可能性はあるようですが、調査時点では旧来通りの国境管理とされます。


■リヒテンシュタイン公国は2011年12月19日に26番目の実施国になりました。[参考サイト(18)]
その経過は、2006年6月21日にシェンゲン協定参加を申込み、2008年2月28日にシェンゲン協定に署名、公国政府は6月4日に協定文を議会に送り批准を待つ状態でした。[参考サイト(8),(9),(15)]
*旅行者用豆情報: パスポートに押される入出国スタンプは以前からの王冠と楕円形のスタンプのようです。恐らくシェンゲン圏の入出手続きがリヒテンシュタイン公国で行われることがないため、シェンゲン国共通の長方形スタンプが使用されない(写真検索で見つからない/2013.12.2)、と思われます。
■スイスはシェンゲン・ダブリン協定の25番目の実施国です。
以下、その経過です。スイス連邦議会は2004年10月26日にシェンゲン協定に署名、2005年6月5日の国民投票で支持され(54.6%)、参加が決定しました。
2008年8月14日からSISデータベースにアクセスを開始しました。利用者は:スイス警察、税関、旅券窓口、道路交通局、連邦移民局、外交団など。[参考サイト(10)&(13)]
2008年12月12日からスイスとシェンゲン諸国の国境(陸路)では出入国審査が撤廃され、2009年3月29日から空路(空港)でも出入国審査が撤廃されます。[参考サイト(14)]
2009年3月29日(日曜日)からスイスに航空機で入出国する場合でもパスポートの提示が不要となりました。昨年12月に開始となったシェンゲン・ダブリン協定の完全実施への移行が完了しました。[参考サイト(16)]
■エストニア、ラトヴィア、リトアニア、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、スロヴェニア、チェコ、マルタの9カ国は2007年12月21日に陸路と海路の出入国審査が撤廃され、空路は2008年3月30日から出入国審査が撤廃されました。これらの諸国は2008年3月30日以後に完全なシェンゲン協定地域となりました。[参考サイト(2)]
■EU未加盟のノルウェー、アイスランド、スイスがシェンゲン協定には加盟しています。
*旅行者用豆情報: 入出国スタンプはシェンゲン国共通の長方形スタンプです。
■EU加盟のイギリスとアイルランドは2国間の共通通行地域(Common Travel Area)を維持しているが、シェンゲン域とは国境管理を維持している。つまり、イギリスならびにアイルランドとシェンゲン諸国との国境ではパスポート・コントロールがある。しかし、両国は部分的なシェンゲン協定の参加国であり、SIS(Schengen Information System)にはイギリスが2000年から、アイルランドは2002年から参加している。[ 参考サイト(15)(23) ]
*旅行者用豆情報: EUメンバーですが、シェンゲン協定に部分的加盟のイギリスとアイルランドの入出国スタンプは其々独自スタンプを使用しています。2013年現在はイギリスとアイルランドの間ではパスポートコントロールはありません。シェンゲン圏共通の長方形スタンプはイギリスとアイルランドの入出国では押されません。
■シェンゲン協定加盟国の地図表示は[ 参考サイト (11)(20) ]をご覧下さい

査証免除に関するシェンゲン協定:
シェンゲン域内における国境の通行自由化(ビザ廃止)を目的とし、域内共通の滞在規定を定めたのが「シェンゲン協定(Schengen Treaty/1985年)」であり、加盟国内の査証免除による滞在は原則としてあらゆる180日以内90日間です。シェンゲン域外から域内への再入域は最低6カ月間は認められません。
シェンゲン域外からシェンゲン域内の移動では、最初の到着地で入国審査があり、最後の出国地で出国審査が行われます。パスポートにEU入域または出域のスタンプがおされます。域内の二国間移動では入出国スタンプは原則的にありません。陸路の国境でも入国審査の簡素化が実施されつつあります。シェンゲン協定国からの入国と協定外の国からの入国では審査ブースやゲートが異なる場合があるようです。
シェンゲン協定に加入しても、まだ実施していない国があります。上記のビザと入出国に関するルールはシェンゲン協定の実施国に限られます。

注1:例外としてオーストリアのみが査証免除による1回の滞在が6ケ月まで可能です。
注2:北欧5ヵ国(フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランド)は他のシェンゲン協定加盟国と異なり、北欧5ヵ国内に合計90日間滞在した場合は、出国後6ケ月を経ないと北欧5ヵ国の何れの国にも再入国できません。つまり、一連邦国家みたいな扱いともいえましょう。これは The Nordic Passport Union ,Created in 1952 があった故と思われます。
注3:詳細な事柄は参加国により異なる場合があり、細部は必ず該当国の大使館や領事館で確認すべきです。
注4:旅行社の情報(2005年9月)によるとスペインとポルトガルでは入出国カード(Emberkation/Disemberkation Card)が必要です。
注5:シェンゲン協定実施国の領土内でも例外的にシェンゲン協定の除外地域が幾つかあるようです。例えば、ノルウェー最北部のスノーヴァル諸島は1925年の条約で免税地の扱いとなりシェンゲン協定は適用されません。
注6:前述のように、最初の入域国でパスポートにEU入域スタンプ、最後の出域国でEU出域スタンプが押されます。ところが最初の入域国でパスポートに入域スタンプが押されないことが稀にあるようです。域内の何処かのパスポートコントロールで入域スタンプが無いと「密入国扱い」になるそうです。シェンゲン圏に入域の際は「入域スタンプの確認」をしてください。[参考サイト(19)]

シェンゲン協定と欧州連合(EU):
シェンゲン協定は欧州の5ヵ国(ベルギー、フランス、ドイツ、ルクセンブルグ、オランダ)による同意文書から出発しました。フランスとドイツとの国境に近いルクセンブルグの小さな町シェンゲン(Schengen)の船上にて1985年6月14日に最初の協定が署名されました。
その目的はシェンゲン協定国の領域内(シェンゲン域内)では国境の出入国管理を廃止し、シェンゲン域外との出入国管理をもメンバー国で調和させることにありました。注意すべきは、この条約による国境撤廃の運動は当初から欧州連合EU(1985年当時はまだEC)とは別の活動だったのです。 EU駐日代表部サイトの年表でも「1990年6月19日 第二次シェンゲン協定、ルクセンブルグで調印 」と次回のシェンゲン協定から記述されています。

その後、EUに関しても重要な進展が幾つもありました。1993年11月1日に発効したマーストリヒト条約によって、ECはEUに発展し、欧州市民権が生み出されました。 さらに、この条約に基づいて経済通貨同盟(EMU)の実現に向かう活動が始まり、1999年1月1日の単一通貨ユーロの誕生となったのです。
EUは国境のない地域になりつつあります。 新欧州連合条約(アムステルダム条約/1997年)は、EU域内の警察と司法の協力体制を充実させ、 同時にあらゆる形の差別と闘うための欧州の施策を採用することを可能にするものでした。 1999年5月1日にEU15ヶ国の新たな「憲法」アムステルダム条約(The Treaty of Amsterdam)が発効したのです。 アムステルダム条約によってEU域内の国境で旅券審査を全面的に廃止することを目的とするシェンゲン協定諸国の活動がEUの中に取りこまれました。 それまでに10ヶ国がシェンゲン協定に加盟していましたが、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、イギリス、アイルランドの5ヶ国が未加盟国でした。 しかし、アムステルダム条約発効の結果、この国境審査を継続できるのはイギリスとアイルランドの2カ国だけとなったのです。

シェンゲン協定はEUとは別途に作成され発足したのですが、次第にEUメンバーたることの資格になっている。そしてシェンゲン協定に加盟する国々がEUの拡大と共に増加しました。しかし、先に述べたように、EU未加盟国がシェンゲン条約に加盟していたり、幾つかのEU加盟国がシェンゲン条約には加盟していない、という現状もあるのです。

シェンゲン協定加盟国の拡大:
以下は当初の5ヵ国から30ヵ国に増加した過程と実施状況です。(2008年3月調べ)
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加盟している31ヵ国
1985年6月14日:ベルギー、フランス、ドイツ、ルクセンブルグ、オランダ
1990年11月27日:イタリア
1992年6月25日:ポルトガル、スペイン
1992年11月6日:ギリシャ
1995年4月28日:オーストリア
1996年12月19日:デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン
( 注:北欧5ヵ国はまとめて連邦国扱いの側面があり、要注意です。)
2000年5月29日:アイルランド、イギリス (Police Co-operation Measures に関してのみの部分的参加)
2004年5月1日:キプロス、チェコ共和国、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、マルタ、ポーランド、スロバキア、スロベニア
2004年10月16日:スイス
2007年1月1日:ルーマニア、ブルガリア
2008年2月28日:リヒテンシュタイン公国
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実施(Implementation)している26ヵ国
1995年/ベルギー、フランス、ドイツ、ルクセンブルグ、オランダ、ポルトガル、スペイン
1997年/イタリア (10月26日)、オーストリア (12月1日)
2000年3月26日/ギリシャ
2001年3月25日/デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン
2007年12月21日/海路と陸路(道路、鉄道、水路)のみ/
2008年3月30日(日曜)/エストニア、ラトヴィア、リトアニア、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、スロヴェニア、チェコ、マルタの9カ国
2009年3月29日(日曜)/スイス
2011年12月19日/リヒテンシュタイン公国
20xx年/ブルガリア、ルーマニア
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(予定)キプロス

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参考サイト:
(1) 外務省:欧州連合(European Union)
(2) 欧州連合 - 駐日欧州委員会代表部
(2-1) 欧州連合 サイト - 「シェンゲン」の検索結果
(3) Wikipedia, the free encyclopedia,"Schengen treaty"(英語)
(4) Information From Answers.com "Schengen treaty"(英語)
(5) swissinfo:シェンゲン協定で人の往来が自由になると、物の往来やサービス業も自由化される。
(6) 外務省:EU関連用語集
(7) Switzerland/Schengen (Fondation Robert Schuman) (英語)
(9) Schengen arrangements for Liechtenstein agreed(英語)
(10) Schengen Information System proves its worth(英語)
(11) Schengen/Dublin(英語)
(12) Switzerland to join Schengen zone in December(英語)
(13) シェンゲン情報システムSIS、スイスで稼動開始
(14) Swissinfo / Schengen is no major upset for border guards(英語)
(15) BBC / Q&A: Schengen Agreement (英語)
(16) Switzerland's Schengen entry finally complete (英語/March 27, 2009)
(17) ウィキペディア: シェンゲン協定
(18) リヒテンシュタインが26番目の加入国に
(19) シェンゲン領域国への入国に関する注意: 入国スタンプの押印確認!
(20) 駐日欧州連合代表部: EU域内の「移動の自由とは?」
(21) 外務省: シェンゲン領域内において旅券を紛失した際の手続きについて
(22) 外務省: 欧州諸国を訪問する方へ (シェンゲン領域内の滞在日数)
(23) Free movement of people within the Schengen Area
(24) 日経: 忍び寄る欧州分裂の足音 渦巻く非寛容、北欧にも(核心)

◇◆◇
(2017年5月16日 更新)(2016年01月27日 更新)(2005年9月18日 改訂・公開)

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