穴窯を焚く
  5月の連休に行われた各務周海氏,賢周氏の窯焚きの様子です。各務氏の窯は桃山様式の半地上式穴窯です。倒炎式の登り窯(美濃の窯では元屋敷の登り窯が有名ですね)に比べ効率が悪く,難しい窯ですが,それだけにすばらしい作品も生まれるのだと思います。
焼成室の天井に窯の神様へのお供え物がおかれている。

あぶりの段階。角からはまだ炎が吹き出していない。
 還元をかけ始める。角からは炎が吹き出しはじめ,迫力が出始める。
攻めだきに入った窯の焚き口。熱と光が容赦なくおそってくる。
薪を投入する賢周氏。焼成のすすめ方について周海氏と話し合っている様子を見ると,美濃陶芸界をになうたくましさを感じずにはいられない。幼少の頃より周海氏に指示し学んできた焼成のノウハウは一流の陶芸家に勝るとも劣らない。
薪を投入する周海氏。いつものように穏やかに談笑していても,薪を投入する瞬間,周海氏の顔から笑顔が消え厳しい表情に変わる。桃山陶をしのぐ作品を造りつづける周海氏の本当の姿をここに見たような気がした。
色見を引き出す。窯は強還元状態にあるので,色見穴のれんがをぬくしゅん間白い炎が一気にふき出す。
真っ赤に焼けた色見。さて薬のとけ具合は・・・。
色見を見る周海氏。ここからの判断が難しい。穴窯をたき続けてきた周海氏のすべての感覚が総動員されている瞬間。