蓮如上人(1415-1499)の人柄は『かろがろとして』という言葉が、上人の弟子などが編集した語録に出ております通り、 重々しく権威者ぶるのでなく、かろやかに、身軽に、明るく人々に接し、物事に対処していかれたようであります。

開基蓮如上人絵像・本宗寺所蔵

蓮如上人をして、そうしたことを可能にせしめたものは何か。それは天性のものであったともいえましょうが、より根本的 には、上人をしてそうあらしめているのは、上人の中にたぎっている「仏の願い」であったと思います。仏の願いに、上人が生きることができたということでありす。「仏の願い」とは、さまざまな困難をものともせずに、自身及び他の人々に、生きる勇気と希望を与えつづけていくことであります。

私どもも、そうした「仏の願い」を生きる身になっていくことが、もとめられているのだと思います。そうなることが、 南無阿弥陀仏に一生涯をゆだねきって生きられた蓮如上人の人柄と教えに、相応するものだといえます。

本宗寺第18代住職
都路 照信