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2006年末のプリンタ 〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜 (2006年12月11日著)
最近人気の出て来た、ハガキやL版写真サイズ以下専用のコンパクトプリンタの中で、2万円以下の機種を比較してみる。この価格帯の製品は、エプソンのE-300とキャノンのPIXUS mini260、PIXUS mini220の3機種である。なお、PIXUS mini260は2万円以上の機種のページでも掲載しているが、こちらでもより下位の機種と比較している。
この3機種の印刷画質を見てみよう。まずE-300は4色インクとなる。上位機種とは異なり、インク滴は3plとなる上に、5つのサイズのインク滴を打ち分けるAdvanced MSDTではなく、従来の3つのサイズのインクを打ち分けるMSDTとなり、解像度も5760×720dpiになる。ただし、それでも十分高画質なので、写真印刷に十分耐えうる実力を持っている。PIXUS mini260も同じく4色インクとなる。ただし、3機種の中で一番価格が高いだけあり、解像度が9600×2400dpiで、インク滴も最小1plとなるため画質は高い。一方のPIXUS mini220は3色インクで解像度も4800×1200dpi、インク滴2plとPIXUS mini260と比べて落ちてしまう。解像度やインク滴はこのくらいでも問題ないが、3色インクなのが問題だ。つまり、ブラックインクが使用できず、写真のメリハリが弱くなってしまう。比べなければ分からないレベルではあるが、気になる点ではある。3機種ともインクは全色一体のものを採用しているため、無くなった色だけ交換することはできないが、どの色が無くなったか気にすることなく、インクが無くなればインクを交換すれば良いので簡単だ。 インクはE-300が「つよインク200」となり、アルバム保存200年、耐光性50年、耐オゾン性25年となっており、保存性は非常に高い。PIXUS mini260とPIXUS mini220も「ChromaLife100」であり保存性は高いが、アルバム保存100年、耐光性30年、耐ガス性15年をとE-300より若干劣ってしまう。 写真の顔を認識して明るさを補正する機能は全機種が備えている。ただしキャノンの2機種は顔明るく補正だけであり、しかもダイレクト印刷時にしか使えない。それに対してエプソンのE-300はオートフォトファイン!EXであり、顔を認識して明るさを補正するだけでなく、色かぶりなども補正してくれる上、ダイレクト印刷、パソコンからの印刷を問わず利用できる。自動補正機能はE-300が一番と言えるだろう。 印刷スピードはE-300が41秒、PIXUS mini260が43秒、PIXUS mini220が42秒とほぼ横並びといえる。対応用紙は、全機種ともL版写真やハガキに対応しているのはもちろんだが、E-300はL版写真より一回り大きなKGサイズの写真印刷が行えるのが特徴である。ちなみにKGサイズは102×152mmであり、L版写真の89mm×127mmよりも2cm以上大きく、ハガキの100×148mmよりもわずかに大きいので、迫力のある写真印刷が行える。 肝心のダイレクト印刷機能を見てみよう。どの機種もカードスロットと液晶画面を搭載し、パソコン無しで写真が行える。E-300はSDカード、メモリースティック、xDピクチャーカード、コンパクトフラッシュに対応している。一方、PIXUS mini260とPIXUS mini220はSDカード、メモリースティック、コンパクトフラッシュには対応しているが、xDピクチャーカードスロットは無く、コンパクトフラッシュ型のアダプタが必要となるのは注意が必要だ。液晶ディスプレイはE-300が2.0インチなのに対して、PIXUS mini 260とPIXUS mini220は2.5インチと一回り大きい。さらにこの2機種は画面の角度調整が可能なので便利である。赤外線通信による印刷はPIXUS mini260とPIXUS mini220の2機種が行えるので、携帯電話等からの印刷には便利だ。 小型と言うことで持ち運んで使用することも考えられるが、E-300とPIXUS mini260は取っ手が取り付けられている。加えてPIXUS mini260はオプションのバッテリにも対応しているので、電源の取れない屋外などでも利用できる。サイズと重量を見てみると、E-300は設置面積が小さいかわりに高さがあり、PIXUS mini260とPIXUS mini220は高さが抑えられている変わりに設置面積は大きめだ。重量も2.0kg〜2.4kgと大きな差はないので、持ち運びにも適しているはずだ。 まず、一番まとまっているのはE-300だ。印刷画質も悪くなく、補正機能や保存性も高く、xDピクチャーカードにも対応しているなど、不満が少ないのである。これで価格が1万8000円なので、こだわりがなければE-300で問題ないだろう。一方、xDピクチャーカードを使用せず、より画質の高い方が良いというのであれば、PIXUS mini260がオススメだ。2000円の価格差の価値はあるだろう。液晶が大きく角度調整できたり、オプションのバッテリに対応するなどが気に入ったという場合もあるだろう。一方、できるだけ安くという事であればPIXUS mini220だが、肝心の写真印刷にブラックインクが使えないなど問題が無いわけではない。PIXUS mini220を選ぶのであればもう2000円出してE-300という選択肢もありだろう。 (H.Intel) 【今回の関連メーカーホームページ】 エプソンhttp://www.epson.co.jp/ キャノンhttp://canon.jp/
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