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2006年末のプリンタ 〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜 (2006年11月7日著)
エプソンとキャノンより、A4対応のダイレクトプリント対応機がそれぞれ1機種ずつ発売された。エプソンのPM-D870は2万5000円、キャノンのPIXUS iP6700Dは3万円と5000円の差がある。それぞれを比較してみよう。
まずはプリンタ部から比較してみよう。PM-D870のプリント画質は、複合機の最上位機種と同等だ。5760×1440dpiの解像度と1.5plのインク滴、5種類のドットサイズを打ち分ける「Advanced-MSDT」対応で6色インクと、最高レベルのものだ。そのために印刷画質が非常に高く、美しい写真印刷が行える上、「つよインク200」なので、アルバム保存200年と保存性も非常に高い。印刷スピードも非常に速く、L版縁なしで25秒と高速だ。ちなみにこれらの印刷画質と速度は複合機のPM-A820と同等だ。つまりPM-A820からスキャナを除いたような機種である。色補正機能として、PM-D870はオートフォトファイン!EXに対応しているので、顔の明るさ補正や色かぶり補正が行える。 一方のPIXUS iP6700Dは前機種のPIXUS iP6600Dとほとんど変わっていないが、もともと性能は高かったためだ。写真印刷を行うと言うことで6色インクで、9600dpi×2400dpiの解像度と最小1plのインク滴で非常に高画質である。ただし、キャノンのA4プリンタや複合機中で唯一顔料ブラックを搭載していない。写真印刷が一番の目的としても、文字印刷もする可能性は高いので、顔料ブラックも搭載して欲しかったところだ。インクはChromaLife100であり、アルバム保存は100年となる。印刷速度はL版縁なしで39秒と、PM-D870と比べると遅い印象である。、PIXUS iP6700Dにも「顔明るく補正」機能が搭載されているがダイレクト印刷時にしか利用できないのは注意が必要だ。 付加機能として、CD/DVDレーベル印刷機能は両機種とも備えている。それに加えてPIXUS iP6700Dは前面給紙カセットと自動両面印刷に対応している。このあたりはPIXUS iP6700Dの方が上といえる。 肝心のダイレクトプリント機能を見てみよう。PM-D870はコンパクトフラッシュ/SDカード/メモリースティック/xDピクチャーカードに対応しており、一通り利用できる印象だ。PIXUS iP6700Dはコンパクトフラッシュ/SDカード/メモリースティックは直接挿入できるが、xDピクチャーカードはコンパクトフラッシュ用のアダプタが必要となるのは注意が必要だ。両機種とも赤外線通信とPictBridgeに対応しているほか、Bluetoothもオプションで対応している。さらに、PM-D870はこれに加えて便利な機能が色々と搭載されている。まず、外付けのドライブを接続して、メモリカード内の写真をDVD-RやCD-R、MOにバックアップできたり、逆にそれらから印刷することが出来る。USBフラッシュメモリの場合でも可能だ。またデジカメで撮った動画から印刷する機能が搭載されている。最近は動画の取れるデジカメも多く、動きのある映像は後で見ても楽しいが、紙に印刷するのは手間がかかる。そんな時にこの機能は便利だ。 操作に関する部分として、液晶ディスプレイは両機種とも搭載されており、3.5インチで同等だ。ただし角度調整が出来るのはPIXUS iP6700Dだけである。操作ボタンは、PM-D870は複合機と同じく、左から右に順に進んでいくことで操作が完了するようになっている。一方のPIXUS iP6700DはPIXUS iP6600Dから変更されていないので、イージースクロールホイールは備えていない。 ダイレクト印刷はしたいがスキャナは必要ないという人はこの2機種から選ぶことになるが、どちらが良いだろうか。印刷スピードやメモリカードの対応の多さ、動画からの印刷など写真印刷に関してはPM-D870が上と言える。PIXUS iP6700Dは前面給紙や自動両面印刷が行えるのがメリットだが、実売価格で5000円高いのは問題といえる。PIXUS iP6700Dに特に惹かれるところがなければ、PM-D870がオススメだ。 (H.Intel) 【今回の関連メーカーホームページ】 エプソンhttp://www.epson.co.jp/ キャノンhttp://canon.jp/
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