プリンター徹底比較
2006年末のプリンタ
〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜
(2006年11月7日著)

単機能プリンタ(1万円台前半〜2万円の機種)
 
 エプソンのPM-G850、キャノンのPIXUS iP4300/PIXUS iP3300の3機種が1万円台前半〜2万円の機種となる。PM-G850とPIXUS iP4300は比較的高性能で、それぞれ20000円と18,000円である。PIXUS iP3300は前の2機種と比べると性能面で落ちるが、その分13,000円と安価だ。

メーカ エプソンキャノンキャノン
品番 PM-G850PIXUS iP4300PIXUS iP3300
製品画像
予想実売価格 20,000円18,000円13,000円
プリンタ部 最大解像度 5760×1440dpi9600×2400dpi4800×1200dpi
インク色数 6色5色4色
顔料/染料系 染料系(PM-Gインク)染料系/顔料系(ブラック)染料系(カラー)/顔料系(ブラック)
カートリッジ構成 各色独立各色独立各色独立
色詳細 ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
ライトシアン
ライトマゼンダ
ブラック(顔料)
ブラック(染料)
シアン
マゼンタ
イエロー
ブラック(顔料)
シアン
マゼンタ
イエロー
最小インクドロップサイズ 1.5pl
(Advanced MSDT対応)
最小1pl最小2pl
ノズル数 540ノズル3584ノズル1600ノズル
90ノズル×6色 1024ノズル×2色(C/M)
512ノズル×3色(Y/染料BK/顔料BK)
512ノズル×2色(C/M)
256ノズル(Y)
320ノズル(顔料BK)
特殊機能 DVD/CDレーベル印刷
自動両面印刷
前面給紙 ○(普通紙のみ)
PictBridge対応
顔の明るさ補正 ○(オートフォトファイン!EX)
メーカー公称印刷速度
(L版縁なし)
25秒40秒46秒
インターフェイス USB 2.0USB 2.0USB 2.0
外形寸法(横×奥×高) 453×337×194mm445×303×160mm437×300×147mm
重量 6.2kg6.5kg4.6kg

 PM-G850は前モデルのPM-G730と比べて700番台から800番台になっているため、大きく進化している。インク滴1.5plで解像度は5760×1440dpi、6色インクとなっている。3つのサイズのドットを打ち分けるMSDTは複合機同様5つのサイズを打ち分けるAdvanced MSDTに進化している。また、インクは染料インクながら「つよインク200」となっており、アルバム保存200年、耐光性50年と保存性が大きく高まっているのも、写真印刷をする際に便利だ。印刷速度はL版写真ふち無しで25秒と高速だ。オートフォトファイン!EX対応なので、逆行や色被りした写真も自動で補正してくれる。さて、ここまで見るとある機種と類似しているのが分かる。そう、複合機のPM-A820やダイレクトプリント対応機のPM-D870と印刷機能やスピードが同じなのである。ということは印刷画質は最高レベルだと言うことで、このレベルなら写真印刷などでも画質やスピードの不満は無いだろう。
 もちろんCD/DVDレーベル印刷も行える。また、エプソンの単機能プリンタとして初めてPictBridgeに対応した。そのため、PictBridge対応デジカメならパソコン無しで写真印刷が行える。
 PIXUS iP4300は前モデルPIXUS iP4200と比べて大きな進化は無いものの、不満の少ないまとまった機種になっている。インク構成は5色で、染料カラー3色と染料ブラックに加えて顔料ブラックを搭載しており、文字印刷の品質は高い。実質4色印刷ながら、9600×2400dpiの解像度と、最小1plのインク滴のおかげで、かなり高い印刷画質が得られる。よく見るとPM-G850よりも劣るが、通常は十分な印刷結果が得られる。ただ、インクはChromaLife100で、アルバム保存100年、耐光性30年とPM-G850よりも劣るほか、顔を認識しての明るさ補正をする機能も搭載していない。
 CD/DVDレーベル印刷ももちろん行えるほか、キャノンお得意の前面給紙と自動両面印刷機能も持っている。PictBridgeのも対応している。印刷速度はL版ふち無しで32秒と十分高速だが、PM-G850よりは少し遅い。
 PIXUS iP3300は一番価格が安いだけあって、様々な部分でコストダウンが図られている。例えば、印刷にかかわる部分として、インク滴が2pl、解像度が4800×1200dpiに下げられいている。また、染料ブラックが省かれ、染料のカラー3色と顔料ブラックの4色構成になっている。顔料ブラックのお陰でPIXUS iP4300のように文字印刷の品質は高いが、写真用紙への印刷時などにブラックインクが利用できず、黒のメリハリが弱くなってしまう。インク滴や解像度のスペックダウンと合わせて、どうしてもPIXUS iP4300より劣る印象だ。印刷スピードも若干低下しており、L版ふち無しで40秒となっている。また、CD/DVDレーベル印刷や自動両面印刷機能は省かれており、前面給紙とPictBridgeのみ対応となる。ちなみに前面給紙は上位機種のカセット式ではなく、排紙トレイの下部に給紙トレイがあるだけなので、普通紙のみの対応となる。
 この3機種から決める場合、何が一番の目的かによって決めれば良いだろう。写真印刷を一番に考えるならPM-G850がおすすめだ。印刷画質の美しさに加えて印刷の速さ、補正機能が充実しているためだ。一方、文字印刷もきれいに、写真もある程度きれいにというのであれば、顔料ブラックと前面給紙が便利なPIXUS iP4300をお勧めする。また、PM-G850は少し本体が大きいので、その点が気になる人はPIXUS iP4300の方が少しでも小さい。また、文字印刷が主な目的で、写真はたまにある程度できればというのであればPIXUS iP3300をお勧めする。また、使うかどうか分からないので安いプリンタを探しているのであれば、別ページで紹介している下位機種PIXUS iP1700より、すこしお金を出してでもPIXUS iP3300がおすすめである。

(H.Intel)


【今回の関連メーカーホームページ】
エプソンhttp://www.epson.co.jp/
キャノンhttp://canon.jp/



今回紹介した商品や、その他のハードやソフトの
ご購入はコチラでどうぞ!