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2006年末のプリンタ 〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜 (2006年11月7日著)
エプソンとキャノンの単機能プリンタの最も安価な機種はPX-V630とPIXUS iP1700であり、どちらも10,000円の価格設定だ。ただ、それぞれはかなり方向性の違う製品となっており、それぞれ優れている所がある。
PX-V630の特徴は顔料インクである「PX-Vインク」を採用しているのが特徴だ。そのため普通紙への印刷はくっきりした非常に美しい画質で、ある意味上位機種より美しいとも言える。また、水に強く、濡れてもインクがほとんど流れない。ただし、写真用紙などへの印刷は光沢感が薄れてしまったり、対応できない用紙があったりという問題点がある。一方のPIXUS iP1700は、カラー3色は染料インク、ブラックインクは顔料インクを採用している。そのため文章印刷などはくっきりした印刷となる。一方、写真用紙への印刷などには染料インクを利用するので光沢感は薄れない。ただ、ブラックインクは顔料なので使用できないため、黒のメリハリは弱くなってしまう。このように、それぞれインクに特徴がある。 PX-V630はインク滴3plで解像度が5760×1440dpi、PIXUS iP1700がインク滴2plで解像度が4800×1200dpiとなる。上位機種と比べると劣るのは仕方がないが、この価格帯でも十分高画質なので、安い機種だからといって印刷画質をあきらめる必要はないだろう。ただ、ここでもコストダウンによる問題が発生している。まずはインクカートリッジ構成で、PX-V630は各色独立だが、PIXUS iP1700はカラー3色が一体になってしまっている。そのため、PIXUS iP1700では無くなった色だけ交換すると言うことが出来ない。一方、印刷速度に影響が出ているのはPX-V630だ。ブラックこそ180ノズルあるが、カラー3色は59ノズルしかない。そのためカラー印刷が極端に遅く、L版写真が201秒もかかってしまう。1枚3分以上というのはかなり遅い。PIXUS iP1700は46秒で、上位機種よりは遅いものの、まずまずの速度といえる。 付加機能に関してはほとんど無い。CD/DVDレーベル印刷や前面給紙、自動両面印刷、PictBridgeなどは両機種とも対応していない。ただ、その分どちらもコンパクトに作られているため置き場所には困らないだろう。PX-V630の特徴の一つとして、USB接続だけでなくパラレル接続できるという点がある。 普通紙や年賀状印刷がほとんどという人にはPX-V630はオススメだ。逆に写真印刷など、普通紙以外にも印刷するというのであればPIXUS iP1700の方が良いだろう。また、PX-V630は印刷が遅すぎるという事もあるだろうから、PIXUS iP1700の方が万人向けとも言える。ただ、PIXUS iP1700は排紙トレイが省略されているなど、思い切った本体の作りになっているため、そのあたりも実物を見て決めて頂きたい。 (H.Intel) 【今回の関連メーカーホームページ】 エプソンhttp://www.epson.co.jp/ キャノンhttp://canon.jp/
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