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2008年末のプリンタ 〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜 (2008年12月9日著)
2万円台前半の機種は比較的購入しやすい価格にありながら十分な性能を備えている機種である。エプソンはPM-A840S、キャノンはPIXUS MP540の2機種となる。価格に2千円の差があるが、どのような違いがあるのだろうか。また上位機種とはどのような違いがあるのだろうか。
エプソンのPM-A840Sは品番からも分かるように、去年のモデルPM-A840のマイナーチェンジモデルである。デザインや基本スペックはほとんど変わらず、天板がドットプリントになったことと、上位機種と同じく、写真補正の「オートフォトファイン!EX」の補正制度がアップしている。一方PIXUS MP540は、この機種を境に下位モデルのデザインとなる。具体的には操作パネルが本体の右側に配置され、若干コンパクトになっている。その一方で基本スペックはPIXUS MP620から有線/無線LAN接続機能を省き、液晶モニタを小型化した以外は同等となっている。 まずはプリント部から見てみよう。PM-A840Sは6色インクで1.5plのインク滴と5760×1440dpiの解像度であり、最上位機種と同等の画質を備えている。ただし印刷速度はL判縁なしで22秒と若干遅くなっている。一方のPIXUS MP540は顔料ブラックを含む5色で、写真印刷時は4色となる。ライトインクを搭載する分若干ながらPM-A840Sの方が高画質と言えるが、PIXUS MP540も1plのインク滴と9600×2400dpiとなっており、充分写真画質である。ただし印刷速度はL判1枚35秒なので、PM-A840Sの方が速い。一方で、顔料ブラックの効果で、普通紙へのモノクロ文字などの画質はPIXUS MP540の方が高い。とにかく写真が綺麗で印刷も速いPM-A840Sと、どちらも比較的高いレベルのPIXUS MP540である。ちなみにインクは、PM-A840Sは「つよインク200」でアルバム保存200年、耐光性50年、PIXUS MP540が「ChromaLife100+」で「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド」を使用することにより、アルバム保存300年、耐光性40年を実現している(ただし、その他の用紙ではアルバム保存100年となる)など保存性は高い。 写真補正機能は両機種とも備えるため、自動でもかなり綺麗に印刷できる。PIXUS MP540は前面給紙と背面給紙の両対応、PM-A840Sは背面給紙のみの対応となり、PIXUS MP540の方が前面にA4普通紙、背面に写真用紙というように両方セットでき便利だ。ただし前面給紙は去年までの機種とは異なり普通紙のみの対応となる。対応用紙はどちらも名刺〜A4サイズとなる。特にPM-A840Sに関しては上位機種が背面給紙を切り捨てたために対応しなくなった名刺サイズにもしっかり対応しているのは有利である。また、CD/DVDレーベル印刷機能を備えるのはPM-A840Sのみとなる。レーベル印刷をするという人は注意が必要だ。ただし、上位機種とは異なりトレイにディスクを乗せて挿し込む従来方式である。 スキャナはPM-A840Sが1200dpi、PIXUS MP540が2400dpiとなっている。PIXUS MP540の方が若干有利と言えるが、紙原稿なら1200dpiでも問題ないと言える。また両機種ともCIS方式なので、分厚い本のとじ目のように浮いてしまう原稿は苦手である。スキャンしたデータをメモリカードに保存する機能は両機種とも備えている。 ダイレクト印刷機能を見てみよう。SDカード、メモリースティック、コンパクトフラッシュは両機種とも対応している。一方、xDピクチャーカードはPM-A840Sしか対応していないので、対応のデジカメを持っている場合は注意が必要だ。また両機種ともPictBridgeにも対応している他、手書き合成も行える。それ以外にPM-A840Sは豊富な機能を備えている。メモリカードのデータをUSBメモリや外付けドライブに保存したり、逆にこれらから印刷することが可能だ。また赤外線通信機能も備えている。 続いてコピー機能を見てみよう。両機種とも25%〜400%の間で1%刻みで拡大・縮小印刷が行える。また、写真を複数枚置いて、焼き増し風コピーを行うことも出来る。その際色あせしてしまった古い写真の復元も行える。さらにCD/DVDレーベル印刷が行えるPM-A840Sは、レーベルコピーも行える。その他、PM-A840SはA4用紙16枚に拡大印刷する「ポスター16」機能、アイロンプリント紙への印刷時に使える「ミラーコピー機能」、原稿の一部だけを拡大印刷する機能などを備える。一方PIXUS MP540も原稿の一部だけを拡大印刷する「トリミングコピー」機能や任意の箇所を消してコピーする「マスキングコピー」、厚手の原稿など原稿台のカバーが浮いてしまう場合に黒くなる部分を消去する「枠消しコピー」機能を備える。また、コピー時の機能ではないが、PIXUS MP540単体でリポート用紙や方眼紙、チェックリスト、五線譜、写真入りの各種カレンダー、13種類のサイズから選べる証明写真を印刷する機能も備えている。一方、PM-A840Sは昨年の機種のマイナーチェンジなので、輪郭だけを印刷する「塗り絵印刷」や罫線やマス目・背景写真を印刷できる「ノート罫線印刷」機能は備えていない点は注意が必要だ。 操作パネルを見てみよう。PM-A840Sは本体の上面の前方に配置される。液晶ディスプレイは2.5型とPIXUS MP540より大きいが、固定式で角度調整が出来ないのは不便だ。操作ボタンは左から右へ順に進んでいくことで一連の操作ができるようなレイアウトとなっており比較的使いやすい。一方PIXUS MP540は本体正面の右側に配置される。液晶ディスプレイ部がフタになっており、開けることで操作ボタンが現れる。液晶ディスプレイは2.0型と少し小さめだが、角度調整は可能だ。操作ボタンは上位機種と同じ「イージースクロールホイール」を備え、操作性は良好である。実際にどちらが使いやすいか店頭で試して頂きたい。 接続端子はどちらもUSB 2.0となる。本体サイズはPIXUS MP540が上位機種より高さが抑えられコンパクトになっているのに対し、PM-A840Sは去年の機種と同デザインなので、上位機種のようにコンパクトになっていない。結果、横幅は同じながら、PM-A840Sの方が奥行きが47mm、高さが48mm大きくなっている。見た目にもかなり大きさが違うので、設置スペースが限られる人は注意が必要だ。 この2機種を見ると、PM-A840Sの方が2千円の価格差以上に機能面で優れていると言える。印刷画質は最上位機種と同じで、印刷も速く、レーベル印刷や赤外線通信も行える。価格を考えれば十分すぎる性能であり、オススメだ。ただしサイズが大きいのが難点だ。そのため逆にサイズを優先すればPIXUS MP540がオススメだ。レーベル印刷は不要であれば4色印刷とはいえ充分綺麗だし、顔料ブラックインクのメリットもあり基本機能は充分備えている。機能とサイズのどちらを優先するかが選択のポイントとなるだろう。またコンパクトさと印刷画質・速度や機能を両立させるなら5千円足して上位機種のEP-801Aという手もある。 (H.Intel) 【今回の関連メーカーホームページ】 エプソンhttp://www.epson.co.jp/ キャノンhttp://canon.jp/
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