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2008年末のプリンタ 〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜 (2009年1月2日著)
FAX機能付き複合機のそれぞれのメーカの下位機種の2機種である。エプソンがPX-FA700、キャノンがPIXUS MX850である。上位機種ではエプソンが染料インク、キャノンが顔料インクの機種であったが、下位機種では逆転し、PX-FA700が顔料インク、PIXUS MX850が染料インクの機種である。では、この2機種を比較してみよう。
まずは2機種の概要を説明しよう。PX-FA700はPX-501AにFAX機能とADFを追加した機種といえば分かりやすい。一方PIXUS MX850はFAX付き複合機の上位機種PIXUS MX7600に近いデザインながら、家庭向け複合機に近づけている。画質や印刷速度を向上させ、CD/DVDレーベル印刷機能などを搭載してきた。機能的にはPIXUS MP630に近いと言える。 ではプリンタ部から順に見ていこう。PX-FA700は顔料インクの4色構成で、3plのインク滴と5760×1440dpiの解像度となっており、上位機種よりは画質が落ちるがそれなりに綺麗だ。また、4色とも顔料インクとなっているため、普通紙やハガキなどへの印刷時はカラー・モノクロを含めてメリハリがある印刷が行えるため、むしろ上位機種よりキレイに見える。また耐水性が高いのも特徴だ。また、写真用紙への印刷も行えるが、顔料インクであるため光沢感が薄れ、ポストカードのような雰囲気になる点は注意が必要だ。インクは「つよインク200X」となっておりアルバム保存200年、耐光性45年となり保存性も高い。一方PIXUS MX850は、5色構成となる。構成は染料4色と顔料のブラックインクである。そのため写真印刷は4色となるが、染料インクであるため光沢感は失われない。また、1plのインク滴と9600×2400dpiの解像度により、4色印刷でも充分に写真画質であるといえる。さらに顔料ブラックインクのおかげで、普通紙のモノクロ文字などでメリハリのある印刷が行える。インクは「ChromaLife100」となり、アルバム保存100年、耐光性30年とPX-FA700よりは劣るが、比較的長くなっている。 印刷速度は、L判写真1枚でPX-FA700が69秒、PIXUS MX850は18秒と大きな差がある。印刷枚数が多いなら、PIXUS MX850の方が便利そうだ。また、PX-FA700は背面給紙だけなのに対して、PIXUS MX850は前面と背面の両方に対応する。前面にA4普通紙、背面に写真用紙という風にセットしておき使い分けられるので非常に便利だ。また、PIXUS MX850はCD/DVDレーベル印刷機能や自動両面印刷機能も備えるなど、機能面は圧倒的に豊富である。両機種とも、写真の顔を認識して自動的に明るさや色かぶりを補正する機能を備えている。ただし、PIXUS MX850はパソコンからの印刷時とダイレクト印刷時の両方で利用できるのに対し、PX-FA700はパソコンからの印刷時しか利用できない点は注意が必要だ。 続いてスキャナ部を見てみよう。PX-FA700が1200dpi、PIXUS MX850が4800dpiとなっており、スペック上は大きな差がある。ただし、両機種ともネガフィルムのスキャンは出来ず、紙原稿のみとなるため、実際には1200dpi以上でスキャンすることは少ないと思われるため、スペックほどの大きな差はないだろう。また、CIS方式であるため、分厚い本のとじ目部分のように浮いてしまう原稿は苦手である。また、両機種ともADFを備え、PX-FA700は連続30枚、PIXUS MX850は連続35枚のスキャンが行える。コピーやFAX送信時に便利だろう。さらにPIXUS MX850は両面スキャンに対応しているため、雑誌やカタログなどの両面原稿のスキャンが一度に行え、さらに便利だ。ただし、両面スキャン時は最大600dpiに制限されることと、FAX送信時は両面スキャンは利用できない点は注意が必要だ。 続いてダイレクト印刷機能を見てみよう。両機種ともメモリカードからのダイレクト印刷と、PictBridge接続による印刷が行える。だだし、SDカードとメモリスティック、コンパクトフラッシュには両機種とも対応するものの、xDピクチャーカードはPX-FA700のみ対応している。対応のデジカメを持っている人は注意が必要だ。また下位機種であるため、両機種とも赤外線通信や動画からの印刷、手書き合成などには対応していない。 続いてコピー機能を見てみよう。両機種とも液晶ディスプレイを備えているため、詳細な設定が行え、25%〜400%の拡大縮小コピーが可能である。また、PIXUS MX850はCD/DVDレーベル印刷が行えるため、レーベルコピーも可能である。さらに、両面スキャンが可能なスキャナと自動両面印刷機能を併せて、両面原稿の両面印刷が可能である。通常のコピー以外の機能としてPX-FA700は写真を複数枚原稿面に置くことで、連続して焼き増し風コピーを行う機能を備えている。その際に色あせした昔の写真を自動的に復元することも可能だ。一方PIXUS MX850は絵はがき風に自動的にレイアウトしてコピーする「絵はがき風コピー」機能や、厚手の原稿など原稿台のカバーが浮いてしまう場合に黒くなる部分を消去する「枠消しコピー」機能を備える。 では本機の特徴の1つであるFAX機能を見てみよう。両機種ともスーパーG3規格に対応したカラーFAX機能を備えている。ADFを備えているため、複数枚の原稿を自動で送信が可能だ。ただし、PIXUS MX850の両面スキャンはFAX時には使用できないため、両機種とも片面スキャンしか行えない。PX-FA700は短縮ダイヤルが60件、自動リダイヤル機能を備える。一方上位機種の備える、同内容を複数の宛先に送信する「順次同報送信」は省略されている。受信したFAXは最大180枚、又は30件まで保存できる。一方のPIXUS MX850はワンタッチダイヤル8件と短縮ダイヤル100件、自動リダイヤル、同報送信など、上位機種と同等の機能を備えている。さらに、白黒で1宛先のみと制限はあるが、PCのデータをそのままFAX送信する「PCファックス」にも対応している。受信したFAXは最大250枚、又は30件まで保存できる。家庭での使用であればPX-FA700でも問題ないと思われるが、機能面ではPIXUS MX850が上であることは確かだ。 操作パネルは両機種とも本体の前方に配置されている。液晶ディスプレイが2.5型で角度調整が可能という点も同じである。どちらもタッチパネルなどを採用していないため、通常の十字キーや各種ボタンなどの複合機としてのボタンに加え、テンキーやリダイヤルなどのボタンが追加されている格好だ。ボタン数が多くなってしまいどうしても分かりにくくなるのは仕方がないことだろう。 接続端子はPX-FA700はUSB2.0のみに対応しているが、PIXUS MX850はUSB2.0に加えて有線LAN接続にも対応している。パソコンが2台以上あり、ルータを使用して既にインターネットが共有状態になっているなら、PIXUS MX850の方がプリンタも共有できて便利だと言える。パソコン1台のみなら、PX-FA700でも問題ないだろう。 本体サイズはずいぶん異なる。PIXUS MX850の方が大きく、横幅で48mm、奥行きが73mm大きいため、設置面積という点ではPX-FA700が有利だ。さらに高さも24mm異なるため、全体的な圧迫感もPIXUS MX850の方が強い。 価格差が4,600円あるため、どうしても機能面で差がある。まず、写真印刷を行うなら、染料インクのPIXUS MX850の方がオススメだ。印刷スピードもかなりの差がある。またCD/DVDレーベル印刷や両面スキャンが行える点でも便利である。一般的な用途ではPIXUS MX850が良いだろう。一方FAXやコピー、年賀状印刷などが主体なら、顔料インクのPX-FA700が有利と言える。また、設置スペースの面でも制約がある場合はPX-FA700の方が大きく有利だろう。結局どちらを選ぶかは、写真印刷が主体なのか、コピーや年賀状印刷が主体なのかによるだろう。 (H.Intel) 【今回の関連メーカーホームページ】 エプソンhttp://www.epson.co.jp/ キャノンhttp://canon.jp/
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