小ネタ集
新旧プリンター比較
2017年末発売のプリンターを旧機種と比較する
(2017年10月11日公開)

表中の赤文字は旧機種からの変更点です。なお3機種で比較している場合は、旧機種1からの変更点となります。

EW-M571TとEP-M570Tを徹底比較する

 EW-M571TはEP-M570Tの後継機種であり、エコタンク搭載プリンターの中では最下位機種になる。エコタンク搭載プリンターは、少し前に発売されたEW-M770Tと今回発売された新機種を含めて、型番の数字の下2桁が「70」で統一されて分かりやすくなったが、EW-M571Tだけは旧機種が既に「70」であったため、今回は「71」を名乗っている(ただしEW-M5071FTは同系統の機種は下一桁が0は給紙カセット1段、1が給紙カセット2段なので「71」となっている)。どういった所が変わったのか、徹底的に比較してみよう。

プリント(画質・速度・コスト)
新機種
旧機種
型番
EW-M571T
EP-M570T
製品画像
発売時の価格
39,980円
39,980円
インク
色数
4色
4色
インク構成
ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
カートリッジ構成
各色独立インクタンク
(挿すだけ満タンインク方式)
各色独立インクタンク
顔料/染料系
顔料(黒)/染料(カラー)
(アルバム保存300年/耐光性7年/耐オゾン性2年)
染料
(アルバム保存300年/耐光性7年/耐オゾン性半年〜1年)
インク型番
ヤドカリ(顔料)
ハリネズミ(染料)
ハサミ
ノズル数
357ノズル
357ノズル
カラー:各59ノズル
黒:180ノズル
カラー:各59ノズル
黒:180ノズル
最小インクドロップサイズ
3pl(MSDT)
3pl(MSDT)
最大解像度
5760×1440dpi
5760×1440dpi
PrecisionCoreプリントヘッド
印刷速度
L判縁なし写真(メーカー公称)
76秒
74秒
A4普通紙カラー(ISO基準)
5.0ipm
5.3ipm
A4普通紙モノクロ(ISO基準)
10.5ipm
10.0ipm
印刷コスト
L判縁なし写真
5.9円
5.6円
A4カラー文書
0.9円
0.6円
A4モノクロ文書
0.4円
0.3円

 まず価格を見ると、発売時の価格は共に39,980円となっている。エコタンク搭載プリンターはその性質上、なかなか価格が下がらない機種である。そのため、発売時の価格が、そのまま買いやすさに影響する。その点でEW-M571TはEP-M570Tと同じレベルにある。
 それではプリント画質、速度、コスト面を見てみよう。EW-M571Tは4色構成で、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの一般的な構成だ。これはEP-M570Tと同じで、一見すると変わっていないように見える。しかし、型番の頭の文字が、全色染料を示す「EP」から、染料と顔料混在を示す「EW」になっている事からも分かるように、ブラックインクが顔料に変更された(カラーインクは染料)。顔料インクは普通紙にもメリハリのある印刷が行え、耐水性が高いというメリットがある。EW-M571Tはブラックインクを顔料インクにすることで、黒色の部分に関してだけだが、普通紙の印刷画質が上がっていることになる。ちなみに、グレーなどの中間色はカラーインクを混ぜて作り出すため染料インク、また背景に色が付いていると、その上に顔料ブラックは使えないので、同じく染料インクでの印刷となる。つまり、背景色が無い「黒」色の部分だけである。とはいえ、意外とそういった場面は多く、文書印刷やコピー時の文字部分やの印刷にはEW-M571Tの顔料ブラックが効果を発揮する。一方、染料ブラックが無くなったため、写真の印刷画質は落ちている。写真用紙などには顔料インクを使用しないため、カラー3色での印刷となるため、黒色はカラー3色を混ぜて作り出す事になり、やや茶色っぽくなる。その点では4色染料のEP-M570Tよりは劣る事になる。最小インクドロップサイズや印刷解像度は同じなので粒状感の面では同じだが、コントラストが弱いというイメージだ。
 ブラックインクが顔料に変更されたと書いたが、実際にはカラーインクも共に一新されており、EP-M570Tとは異なるインクになっている。上位機種EW-M670FTと同じインクとなった。このインクは、2世代目エコタンクとも言うべき「挿すだけ満タンインク方式」となっている。EP-M570Tでは本体右側に飛び出ているエコタンクのフタを開け、大きめの注入口に自分で満タンを確認しながら注入する必要があった。しかし、EW-M571Fではボトルを注入口に挿し込むだけで満タンまで入って自動的に止まる仕組みになった。またインクの残ったボトルも、キャップがスクリュー式となったため、保存しやすくなった。さらに注入口の形状が色によって異なるため、誤ったインクボトルを挿し込むこともなくなるなど、かなり改善されている。タンク自体も、本体から完全に独立して飛び出していたEP-M570Tと比べると、EW-M571Tではほとんど本体に埋め込まれ、飛び出ている部分はわずかだ。また前面からインク残量も確認できるようになっている。
 インクボトルの型番はハサミから、ヤドカリ(顔料)とハリネズミ(顔料)に変更となった。それと共に、耐オゾン性がEP-M570Tの半年以上1年未満から、EW-M571Tでは2年へと写真の耐保存性がわずかに向上した。ただし、同じ挿すだけ満タンインク方式を採用し、先に発売されていたEW-M770Tのインクはマラカス(顔料)とハーモニカ(染料)で、こちらは耐光性50年、耐オゾン性10年である事を考えると、これよりは劣る事になる。
 印刷速度はノズル数が同じながら、若干変化した。 A4カラー文書が5.3ipm(image per minute:1分あたりの印刷枚数)から5.0ipmに落ちた一方、A4モノクロ文書が10.0ipmから10.5ipmとなった。L判フチなし写真の印刷速度も74秒から76秒になっている。とはいえ感じるほどの差では無く気にするほどではないだろう。それよりも、印刷コストはEW-M571Tの場合、L判フチなし写真が5.9円、A4カラー文書が0.9円、A4モノクロ文書が0.4円である。EP-M570Tがそれぞれ5.6円、0.6円、0.3円であった事と比べるとやや高くなった印象だ。EW-M571T用のインクはカラーが70ml入りで各1,150円、ブラックが127ml入りで2,150円となる。EP-M570Tではカラーもブラックも共に一本70ml入りで900円だった。カラーインクは価格が上がり、ブラックインクは量が増えたとはいえそれ以上に価格が上がっている。ボトルが挿すだけ満タンインク方式に変更されたためか、耐保存性が向上したためかは不明だ(より耐保存性の高いEW-M770T用のインクは同方式ながら、さらに高い)。また写真やカラー文書の印刷コストの上昇が特に大きいのは、前述のようにEP-M570Tではブラックインク1色で表現できていた黒色が、カラーインク3色を使って表現している事もあるかもしれない。さらに、付属のインクボトルが、EP-M570Tでは各色2本ずつだったが、EW-M571Tでは1本ずつとなった。それでも付属のインクでA4カラー文書を印刷した場合、カラーインクは6,000ページ、ブラックインクは7,500ページまで使用することが出来る。家庭向けのインクカートリッジ方式の4色プリンターPX-049Aの場合、A4カラー文書の印刷コストは13.8円である、インクカートリッジは一本1,030円で、4色で4,120円。これを印刷コストで割ると約300枚となる。かなり強引な計算だが、カラーインク各20本分と、ブラックインク25本分のインクが付属する事になる。PX-049Aでその数のインクカートリッジを買うと87,550円もかかり、付属のインクだけで元が取れる計算になる。もちろん、その後インクを買い足しても、印刷コストは圧倒的に安い。EP-M570Tと比べるとインクボトルの付属本数は減ったが、十分にお得である事は変わっていない。

プリント(給紙・排紙関連)
型番
EW-M571T
EP-M570T
製品画像
対応用紙サイズ
カード・名刺〜A4
L判〜A4
給紙方向
(A4普通紙セット可能枚数)
背面
○(100枚)
○(100枚)
前面
その他
排紙トレイ自動開閉
用紙種類・サイズ登録
○(カバー連動)
○(カバー連動)
用紙幅チェック機能

 続いて、EW-M571TとEP-M570Tの給紙・排紙関連の機能を比較してみよう。対応用紙は最大がA4で背面給紙からという点は同等である。しかし、EW-M571Tの最小サイズはカード・名刺サイズで、EP-M570TがL判以上であるのに対して、より小さな用紙に印刷できる。名刺サイズにカットされた用紙に印刷が出来るため、名刺印刷後に切り取る手間がない。専用のスマートフォン向けアプリ「Epson名刺プリント」も用意される。

プリント(付加機能)
型番
EW-M571T
EP-570T
製品画像
自動両面印刷
CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷
写真補正機能
○(オートフォトファイン!EX)
○(オートフォトファイン!EX)
特定インク切れ時印刷
自動電源オン/オフ
−/○
−/○
廃インクタンク交換

 続いて、プリントの付加機能を見てみよう。違いとしては、新たに自動両面印刷機能を搭載した。しかも普通紙だけで無くハガキにも対応する。印刷コストが安いエコタンク搭載プリンターでは、文書の印刷も多いと思われるが、自動両面印刷が出来れば、冊子形式の物も簡単に作れる。この機能追加は大きいと言えるだろう。

スキャン
型番
EW-M571T
EP-M570T
製品画像
読み取り解像度
1200dpi
1200dpi
センサータイプ
CIS
CIS
原稿取り忘れアラーム
スキャンデーターのメモリカード保存
○(JPEG/PDF)

 続いてスキャナの機能を比較してみよう。基本的は機能はEW-M5701TとEP-570Tで同じだが、新たに、EW-M571Tだけで、スキャンデータをメモリカードに保存する事が出来るようになった。パソコン無しでさっとメモリカードにスキャンできるのは便利な場合もあるだろう。

ダイレクト印刷
型番
EW-M571T
WP-M570T
製品画像
カードスロット
対応メモリカード
SD
SD
USBメモリ/外付けHDD/外付けDVD対応
−/−/−
−/−/−
メモリカードからUSBメモリ/外付けHDD/外付けDVDへバックアップ
−/−/−
−/−/−
対応ファイル形式
JPEG
JPEG
手書き合成
PictBridge対応
赤外線通信
各種デザイン用紙印刷
フォーム印刷(罫線・マス目・便箋・スケジュール帳・五線譜)
フォーム印刷(罫線・マス目・便箋・スケジュール帳・五線譜)

 ダイレクト印刷機能を見てみよう。SDカードのみの対応だが、写真を選んで印刷することが可能だ。EW-M571TとEP-M570Tの間で機能差はない。

スマホ/クラウド対応
型番
EW-M571T
EP-M570T
製品画像
スマートフォン連携
対応端末
iPhone
iPod touch
iPad
(iOS 9.0以降)
Android 4.1以降
iPhone
iPod touch
iPad
(iOS 7.0以降)
Android 4.0以降
NFC対応
写真プリント
ドキュメントプリント
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
Webページプリント
スキャン
○(PDF/JPEG)
○(PDF/JPEG)
クラウド連携
スマートフォン経由/本体
○/−
○/−
オンラインストレージからの印刷
SNSからの印刷
○(コメント付き可)
○(コメント付き可)
写真共有サイトからの印刷
メールしてプリント
リモートプリント
スキャンしてリモートプリント
○(受信のみ)
○(受信のみ)

 続いてスマホ、クラウド対応の機能を見てみよう。基本的には機能面でEW-M571TとEW-M570Tは違いは無い。iOSのバージョンが7.0から9.0、Androidのバージョンが4.0から4.1になっているが、これは本体の発売時のアプリの対応バージョンなので、現在のアプリの対応バージョンは両機種ともiOS 9.0/Android 4.1以上となる。

コピー機能
型番
EW-M571T
EP-M570T
製品画像
等倍コピー
拡大縮小
倍率指定
○(25〜400%)
○(25〜400%)
自動変倍
オートフィット
CD/DVD/Blu-rayレーベルコピー
写真焼き増し風コピー
割り付け(2面/4面)
○/−
−/−
バラエティコピー
IDコピー

 コピー機能を比較してみると、EW-M571Tは機能がやや強化されていることが分かる。EP-M570Tでも等倍コピーに加え、25%〜400%の間での拡大縮小と、原稿サイズを自動的に印刷する用紙サイズに合わせて拡大縮小する「オートフィット」には対応していたが、それ以外の機能は無かった。EW-M571Tでは新たに、2枚スキャンして1枚の用紙の左右に割り付ける「2面割り付け(2アップ)」が可能となった。また、免許証などを表面、裏面と2回スキャンし、上下に並べて印刷できる「IDコピー」機能も搭載された。一方で、A4からB5などという原稿と印刷用紙の組み合わせを選択して拡大縮小する自動変倍コピーは、引き続き搭載していない。

操作パネル/インタフェース/本体サイズ
型番
EW-M571T
EP-M570T
製品画像
液晶ディスプレイ
1.44型
(角度調整可)
1.44型
(角度調整可)
操作パネル
ボタン式
(角度調整可)
ボタン式
(角度調整可)色
インターフェイス
USB他
USB2.0×1
USB2.0×1
無線LAN
IEEE802.11n/g/b
(Wi-Fiダイレクト対応)
IEEE802.11n/g/b
(Wi-Fiダイレクト対応)
有線LAN
対応OS
Windows 10/8.1/8/7/Vista/XP SP3
MacOS 10.6.8〜
Windows 10/8.1/8/7/Vista/XP SP3
MacOS 10.6.8〜
耐久枚数
3万枚
3万枚
外形寸法(横×奥×高)
375×347×187mm
445×304×169mm
重量
5.5kg
5.0kg
本体カラー
ブラック
ブラック

 最後に操作パネルやインタフェース、本体サイズを見てみよう。EW-M571Tの液晶ディスプレイはEP-M570Tと同じく1.44型で、操作パネルは物理ボタン式なのは変わらない。液晶内の表示が最新機種に合わせたデザインに変更はされている。操作パネルと液晶は本体前面に搭載され、起こして角度調整が可能なのも同等だ。ただEP-M570Tではボタンが、「電源」と「ホーム」、「上下左右カーソル」、その中心に「OK」、あとは「スタート」と「ストップ」と最小限で、戻るボタンなども無かった。EW-M570Tでは、「戻る」ボタンに加えて、「ヘルプ」ボタンと、文字種切替など状況に応じて機能が変わる「2本の矢印で丸になっているボタン」が追加され、兼用キーが減った事から分かりやすくなっている。
 インタフェースはEP-M570Tと変わっていない。エコタンク搭載プリンター唯一有線LANに対応しないのも同じだ。対応OSや耐久枚数も変化が無い。ただ耐久枚数3万枚いうのは、家庭用プリンターが1万〜1万5000枚程度と言われている事から考えると、かなり強いと言える。印刷枚数が多いと思われるエコタンク搭載プリンターではうれしいところだ。本体サイズはEP-M570Tの445×304×169mmから、EW-M571Tでは375×347×187mmとなった。また上位機種EW-M670FTからADFを無くし、前面給紙カセットを背面給紙に変更したようなデザインとなっている。奥行きは両面印刷ユニットが内蔵されたこともあり大きくなっているが、エコタンク部分が少し前に飛び出ている部分の計測されているため実際にはもう少し小さく感じる。それよりも横幅が7cmも小型化しているため、設置スペース面で小さくなったと言える。プリンタ部の小型化に加えて、エコタンクが本体に埋め込まれる形になったのも大きいだろう。エコタンク搭載プリンターは大きいというのは過去の話になりつつある。



 EW-M571Tで一番大きな変化は全色カラーのEP-M570Tから、ブラックは顔料、カラーは染料となったことだろう。確かに写真の画質はやや落ちたが、元々4色プリンターではそこまで高画質では無いため、EP-M570Tクラスの写真画質で満足できている人ならそれほど気にならないだろう。それよりも顔料ブラックのおかげで、文書も綺麗に印刷できるようになったため、様々な用途で使いやすくなった。またエコタンクも進化して使いやすくなり、それ以外にも機能の強化が随所で行われている。中でも自動両面印刷機能の搭載は便利だろう。一方で本体は小型化している。EW-M571Tはエコタンク搭載プリンターの中では最も安い機種だが、その中でも確実に機能強化しており、エコプリンターの入門機として、オススメ度は増している。また、染料4色で写真印刷に関する機能に絞っていたEP-M570Tと比べると、全体的に一般的な機能が搭載されたEW-M571Tは幅広くオススメできる機種になったと言えるだろう。


(H.Intel)


【今回の関連メーカーホームページ】
エプソンhttp://www.epson.co.jp/