小ネタ集
新旧プリンター比較
2017年末発売のプリンターを旧機種と比較する
(2017年10月16日公開)

表中の赤文字は旧機種からの変更点です。なお3機種で比較している場合は、旧機種1からの変更点となります。

PIXUS TR7530とPIXUS MX923/PIXUS TS6130を徹底比較する

 PIXUS TR7530はキヤノンから久々に登場した家庭向けのFAX付き複合機だ。これまでFAX付き複合機と言えばPIXUS MXシリーズがあった。しかし2013年2月21日にPIXUS MX923とPIXUS MX523を発売して以来、新機種は登場していなかった。PIXUS MX523は早々に販売終了となったが、PIXUS MX923だけは継続販売されてきた。途中、ビジネス向けに特化したFAX付き複合機のMAXIFYシリーズが4機種発売され、いよいよPIXUS MX923も終了かと思われたが、ラインナップに残り続け、ついに今回新機種PIXUS TRシリーズが発売されたのである。後継機種とは言え、4年半ぶりともなると、実質的には完全な新製品であるため、比較するのは無理があるが、どういった違いがあるのか徹底的に比較してみよう。また機能面で似ているFAX機能無しの複合機PIXUS TS6130は同じく新製品だが参考機種として比較してみた。

プリント(画質・速度・コスト)
新機種
旧機種
参考機種
型番
PIXUS TR7530
PIXUS MX923
PIXUS TS6130
製品画像

発売時の価格
22,880円
29,980円
30,880円
インク
色数
5色
5色
6色
インク構成
顔料ブラック
染料ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
顔料ブラック
染料ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
顔料ブラック
染料ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
カートリッジ構成
各色独立
各色独立
各色独立
顔料/染料系
染料/顔料(黒)
(ChromaLife100)
染料/顔料(黒)
(ChromaLife100+)
染料/顔料(黒)
(ChromaLife100)
インク型番
380/381(標準容量)
380s/381s(小容量)
380XL(大容量・顔料ブラックのみ)
350XL/351XL(大容量)
350/351(標準容量)
355XXL(特大容量・顔料ブラックのみ)
380/381(標準容量)
380s/381s(小容量)
380XL(大容量・顔料ブラックのみ)
ノズル数
4096ノズル
5120ノズル
4096ノズル
C/M/顔料BK:各1024ノズル
Y/染料BK:各512ノズル
C/M:各1536ノズル
Y/顔料BK:各512ノズル
染料BK:1024ノズル
C/M/顔料BK:各1024ノズル
Y/染料BK:各512ノズル
最小インクドロップサイズ
N/A
1pl
N/A
最大解像度
4800×1200dpi
9600×2400dpi
4800×1200dpi
印刷速度
L判縁なし写真(メーカー公称)
31秒
18秒
31秒
A4普通紙カラー(ISO基準)
10.0ipm
10.0ipm
10.0ipm
A4普通紙モノクロ(ISO基準)
15.0ipm
15.0ipm
15.0ipm
印刷コスト
L判縁なし写真
17.2円
14.7円→15.4円
17.2円
A4カラー文書
9.3円
7.7円→8.2円
9.3円
A4モノクロ文書
N/A
2.5円→2.7円
N/A

 PIXUS TR7530の価格は22,880円で、PIXUS MX923の発売当初の価格29,980円よりやや安く設定されている。PIXUS MX923も発売から時間が経ち価格がやや下がったとは言え、FAX無し複合機とは異なり価格の下落は緩やかで、最近では25,000円前後が相場だ。そう考えると、やや安い価格で後継機種が変えるとも言える。なおPIXUS TR7530には上位機種PIXUS TR8530もあり、こちらはほぼ同じ価格の25,880円だ。
 それではプリントの画質・速度・コストを見てみよう。PIXUS TR7530は5色構成で、顔料のブラックと、染料のブラック、シアン、マゼンダ、イエローとなる。この構成はPIXUS MX923と変わらない。ただ、画質面ではやや劣る可能性がある。まずは印刷解像度が9600×2400dpiから4800×1200dpiに下がった事がある。印刷解像度の低下はこの程度であれば画質にはほとんど影響しないのだが、問題は最小インクドロップサイズが不明になった事だ。カタログなどに記載が無いだけで無く、メーカーに問い合わせても非公開となっている。ただ、以前と同じ1plなら非公開にする必要は無い事、またキヤノンの場合、印刷解像度4800×1200dpiの場合2plというのが通例であったため、2plになっている可能性がある。そうなると粒状感の面でPIXUS TR7530はPIXUS MS923より劣る可能性がある。またインク自体も、耐保存性を表す表記が、PIXUS MX923の「ChromaLife100+」から、PIXUS TR7530では「ChromaLife100」に落とされている。「ChromaLife100+」はアルバム保存300年、耐光性40年、耐オゾン性10年(キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド使用時)であるが、「ChromaLife100」はアルバム保存100年だけで、耐光性と耐オゾン性の表記は無い。写真の耐保存性では劣る可能性がある。
 ノズル数はPIXUS TR7530は4096ノズルで、PIXUS MX923の5120ノズルより減っているが、内訳を見ると、シアンとマゼンダは1536ノズルから1024ノズルに、染料ブラックは1024ノズルから512ノズルに減っているが、イエローは512ノズルのまま、顔料ブラックは512ノズルから1024ノズルに倍増している。写真印刷に使う染料インクがイエロー以外は減っているためか、L判写真フチなし印刷が18秒から31秒に遅くなっている。一方文書印刷は、A4カラーで10.0ipm(image per minute:1分あたりの印刷枚数)、A4モノクロで15.0ipmを維持している。顔料ブラックのノズル数は倍増しているのでA4モノクロ文書は高速化しても良さそうだが、同等にとどまっている。ちなみにこの速度は、家庭向け機種としては速い方に属する。
 もう一つ大きく異なるのは印刷コストだ。PIXUS TR7530のL判フチなし写真は17.2円とPIXUS MX923の14.7円より大きく上がっている。PIXUS MX923の350/351番インクは2017年10月1日より価格が上がるため、PIXUS MX923は15.4円となるが、それでもPIXUS TR7530は高いと言える。この違いは、インクカートリッジが変更になった事が原因だ。PIXUS TR7530では、380/381番の新しいインクカートリッジとなる。とはいえ、インク自体には1世代前の370/371番と変化は無く、PIXUS MX923の350/351番とも大きく変わらない。変わったのはバリエーションで、PIXUS MX923の350/351番インクは、大容量の350XL/351XLと標準容量の350/351が用意されていた。さらにPIXUS MX923など一部の機種用に特大容量の顔料ブラック355XXLも発売されていた。これがPIXUS TR7530では標準容量の380/381と、小容量の380s/381sの2種類となったのだ。大容量が標準容量に、標準容量を小容量に名称変更したのでは無く、大容量インクが無くなったのだ。唯一顔料ブラックのみ大容量タイプ380XLを使用できるが、PIXUS MX923も特大容量の顔料ブラックがあるため変わらない。A4普通紙への印刷コストもカラーでPIXUS TR7530が9.3円とPIXUS MX923の8.2円(価格改訂後)と比べるとやはり高くなった印象だ。また5色セットの場合は標準容量のセットまたは小容量のセットとなり、大容量顔料ブラックがセットになったものはない。ちなみにPIXUS MX923の標準容量のL判写真印刷コストは19.9円で、標準容量同士ならPIXUS TR7530の方が安い。PIXUS TR7530の小容量の場合は23.7円だ。わかりにくいので、少し計算してみよう。写真の印刷コストには写真用紙代(400枚で1,705円、1枚4.2625円)が込みなので、インク代はPIXUS TR7530の標準容量で12.9375円となる。写真印刷では顔料ブラックインクを使用しないので、染料の381インク1本1,030円で、4本で4,120円。これを印刷コスト(用紙代除く)で割ると、約318枚。つまり乱暴な計算だが、インクが均等に使用できた場合、染料インク1セットで約318枚印刷ができる。一方、PIXUS MX923でも同じ計算をすると、大容量の351XLインクは1,270円×4本で5,080円で、インクコスト11.1375円で割ると約456枚となる。標準容量の351インクは800円×4本で3,200円で、インクコスト15.6375円で割ると約205枚。この事から、PIXUS TR7530の標準容量は、PIXUS MX923の大容量と標準容量の中間の量のインクカートリッジを、中間の価格で販売しているが、やや割高になっていると言える。また、PIXUS TR7530の標準インクで印刷できる枚数はPIXUS MX923の大容量インクの3分の2程度である事も分かる。ちなみに、PIXUS TR7530の小容量インクカートリッジ380s番は710円×4で2,840円。印刷コストで割ると約146枚となり、標準容量の半分よりやや少なくなる。いずれにしても、PIXUS TR7530の印刷コストはPIXUS MX923に比べると上がり、カートリッジ1セットで印刷できる枚数も減った。残念ながら、これまでのPIXUSシリーズは印刷コストが安いという傾向は、PIXUS TR7530では薄れたと言えるだろう。ちなみにPIXUS TR7530の印刷コストや画質、印刷速度はFAX無し複合機のPIXUS TR6130と全く同じで、このプリンタエンジンを流用している事が分かる。

プリント(給紙・排紙関連)
型番
PIXUS TR7530
PIXUS MX923
PIXUS TS6130
製品画像
対応用紙サイズ
名刺〜A4
L判〜A4
名刺〜A4
給紙方向
(A4普通紙セット可能枚数)
背面
○(100枚)
○(100枚)
前面
カセット(100枚/普通紙のみ)
カセット下段(250枚・A4/A5/B5など)
カセット上段(L判/KG/2L/ハガキ)
カセット(100枚/普通紙のみ)
その他
排紙トレイ自動開閉
○(オープンのみ)
用紙種類・サイズ登録
○(カセット収納(前面)・カバー(背面)連動)
○(カセット収納(前面)・カバー(背面)連動)
用紙幅チェック機能

 続いて、給紙・廃止関連の機能を見てみよう。PIXUS TR7530の対応用紙は名刺〜A4サイズである。PIXUS MX923では最小サイズはL判だったので、より小さなサイズの用紙に印刷できるようになった。名刺サイズにカットされた用紙に直接名刺を印刷可能となり、後で切り取る手間が無い。
 給紙に関しては大きく変更された。PIXUS MX923では前面給紙のみで、カセットが2段になっていた。カセット下段はA4/A5/B5などの大きめの用紙、上段はL判や2L判、ハガキなどの小さめのサイズをセットできる。下段は大きくなっており、普通紙が250枚までセットできる。一方PIXUS TR7530は前面給紙カセットと背面給紙の2方向給紙となった。前面給紙は普通紙のみで、ハガキや写真用紙は背面となる(背面は普通紙にも対応)。どちらもA4サイズまでセット可能だ。前面給紙カセットはPIXUS MX923ほど大きくなく、普通紙で100枚である。背面給紙も100枚なので、両方セットすれば200枚でPIXUS MX923に近づくが、PIXUS MX923では250枚とは別にハガキや写真用紙をセットできた事を考えると、セット可能枚数は減ったと言える。背面給紙に対応した事で、用紙のセットは簡単になるというメリットがある。一方、前面給紙カセットと比べて、背面給紙にセットした用紙はホコリがかぶるため、使わないときは取り除く必要がある不便さがある。また給紙トレイは後方に傾くため、後方にスペースが必要なほか、用紙分上方にもスペースが必要だ。その点ではPIXUS MX923は後方にスペースが必要なく、L判写真用紙なども前面カセットにセットできるため、これらの用紙を常時使用するならこちらの方が便利だったと言えるだろう。ちなみに、PIXUS TR7530の前面給紙カセットは、PIXUS MX923とは異なり、A4又はB5用紙を使用する際には完全に収納できず16mm飛び出す形となる。これ以下のサイズならカセットを縮めて本体に完全収納できるが、一般的にはA4かB5をセットする事が多いだろう。また、用紙交換のためにカセットを抜く際に自動的にカセットが伸びるため、B5未満の用紙を使用する際でも、用紙をセットする度にカセットを縮める手間がある。
 PIXUS TR7530に新たに搭載された機能として、セットした用紙の種類とサイズを登録する機能がある。前面給紙カセットの場合はカセットを収納すると、背面給紙の場合は用紙をセット後にカバーを閉じると、自動的に登録画面が表示される(表示されないようにもできる)。そして印刷時に、設定した用紙とセットされた用紙が異なるとメッセージが表示されるという仕組みだ。間違った用紙に印刷して、用紙とインクを無駄にしない点で便利だ。一方、PIXUS MX923では、印刷が実行されると、前面カバー兼排紙トレイが自動的に前に倒れる「排紙トレイ自動オープン」機能が搭載されていたが、PIXUS TR7530の排紙トレイは引き出す方式になり、手動となった。ちなみに、給紙・廃止関連の機能もPIXUS TS6130と同等だ。

プリント(付加機能)
型番
PIXUS TR7530
PIXUS MX923
PIXUS TS6130
製品画像
自動両面印刷
○(普通紙のみ)
○(普通紙のみ)
CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷
写真補正機能
○(自動写真補正II)
○(自動写真補正II)
○(自動写真補正II)
特定インク切れ時印刷
自動電源オン/オフ
○/○
−/−
○/○
廃インクタンク交換

 それでは、プリントの付加機能を見てみよう。自動両面印刷機能はPIXUS TR7530も対応しているが、PIXUS MX923は普通紙もハガキも対応していたのに対して、PIXUS TR7530は普通紙のみだ。また、CD/DVD/BDレーベル印刷機能も非搭載となった。これもPIXUS TS6130をベースにしているための機能低下と思われる。一方、自動電源オン・オフ機能が搭載された。最近ではプリンタから離れた場所のパソコンやスマートフォンから印刷を実行する事も多く、その際にわざわざ電源を入れにプリンタの所まで行く必要があるのは不便だ。その点、自動電源オン機能があると便利だ。ただし、前の項目にあるように排紙トレイの自動開閉機能は搭載されていないので、排紙トレイを収納している場合は、電源は入っても印刷は実行されない点は注意が必要だ。

スキャン
型番
PIXUS TR7530
PIXUS MX923
PIXUS TS6130
製品画像
読み取り解像度
1200dpi
2400dpi(ADF利用時は600dpi)
1200dpi
センサータイプ
CIS
CIS
CIS
原稿取り忘れアラーム
ADF
原稿セット可能枚数
20枚
35枚
原稿サイズ
A4/リーガル/レター
A4/リーガル/レター
両面読み取り
○(FAX時不可)
読み取り速度
カラー
N/A
N/A
モノクロ
N/A
N/A
スキャンデーターのメモリカード保存
○(JPEG/PDF・USBメモリのみ)

 スキャン機能を見てみよう。PIXUS TR7530のスキャナ解像度は1200dpiとなり、PIXUS MX923の2400dpiと比べて劣る様に見える。しかし、実際は紙などの反射原稿しかスキャンできないため、一般的に文書なら200〜300dpi、写真でも300〜600dpiで、よほどキレイに取り込みたい場合でも1200dpiがせいぜいだ。実際、L判写真を1200dpiでスキャンすると4,200×6,000ドットとなり、2500万画素相当となる。2400dpiでスキャンすると8,400×12,000ドットで1億画素相当だ。パソコンで扱うには大きすぎるしファイルサイズも無駄に大きい。つまり2400dpiは一般的にはオーバスペックで、PIXUS TR7530の1200dpiでも十分だとも言える。逆にPIXUS MX923にはADF使用時には最高600dpiに制限されたが、この制限はPIXUS TR7530では無くなったため、ADF使用時は逆にPIXUS TR7530の方が高解像度が選択できる。
 ADFはPIXUS TR7530もPIXUS MX923も搭載しているが、PIXUS MX923は両面スキャン対応(片面をスキャンした後、自動的にもう一度給紙し裏面をスキャンする方式)であったが、PIXUS TR7530は片面スキャンとなった。セット可能な原稿枚数も、PIXUS MX923が35枚だったのに対して、PIXUS TR7530は20枚と少なくなった。連続コピーなどを行う際には不便になったといえるだろう。ちなみにPIXUS MX923はFAX時は両面スキャンが利用できなかったので、FAX時はPIXUS TR7530でも同じと言える。
 パソコンを使わずプリンタ本体だけで、スキャンを実行しデーターをメモリカードに保存する機能をPIXUS MX923は搭載していたが、PIXUS TR7530はそもそもメモリカードやUSBメモリに非対応なので、この機能も非搭載となる。

ダイレクト印刷
型番
PIXUS TR7530
PIXUS MX923
PIXUS TS6130
製品画像
カードスロット
対応メモリカード
USBメモリ/外付けHDD/外付けDVD対応
−/−/−
○/−/−
−/−/−
メモリカードからUSBメモリ/外付けHDD/外付けDVDへバックアップ
−/−/−
−/−/−
−/−/−
対応ファイル形式
JPEG/TIFF
手書き合成
PictBridge対応
○(Wi-Fi)
○(Wi-Fi)
○(Wi-Fi)
赤外線通信
各種デザイン用紙印刷
定型フォーム印刷(レポート用紙、原稿用紙/スケジュール用紙、方眼紙、チェックリスト、五線譜、漢字練習帳)
定型フォーム印刷(レポート用紙、原稿用紙/スケジュール用紙、方眼紙、チェックリスト、五線譜、漢字練習帳)
定型フォーム印刷(レポート用紙、原稿用紙/スケジュール用紙、方眼紙、チェックリスト、五線譜、漢字練習帳)

 ダイレクト印刷機能は、PIXUS TR7530は非対応である。PIXUS MX923もメモリカードは一切非対応だったが、USBメモリに対応していたため、USBメモリ内の写真を印刷したり、前述のスキャンしてUSBメモリに保存という事が可能だった。ちなみに、PIXUS TR7530も定型フォーム印刷機能は搭載している。

スマホ/クラウド対応
型番
PIXUS TR7530
PIXUS MX923
PIXUS TS6130
製品画像
スマートフォン連携
対応端末
iPhone
iPod touch
iPad
(iOS 9.0以降)
Android 4.1以降
(Bluetooth対応)
iPhone
iPod touch
iPad
(iOS 7.0以降)
Android 4.0以降
iPhone
iPod touch
iPad
(iOS 9.0以降)
Android 4.1以降
(Bluetooth対応)
NFC対応
写真プリント
ドキュメントプリント
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
Webページプリント
スキャン
○(PDF/JPEG)
○(PDF/JPEG)
○(PDF/JPEG)
クラウド連携
スマートフォン経由/本体
○/○
−/○
○/○
オンラインストレージからの印刷
SNSからの印刷
○(コメント付き可)
○(コメント付き可)
写真共有サイトからの印刷
メールしてプリント
リモートプリント
スキャンしてリモートプリント

 スマホ、クラウド対応機能に関しては発売年に開きがある事もあって、機能面で大きく進化している。まず、対応端末はiOSのバージョンが7.0から9.0、Androidのバージョンが4.0から4.1になっているが、これは本体の発売時のアプリの対応バージョンなので、現在のアプリの対応バージョンは両機種ともiOS 9.0/Android 4.1以上となる。後述となるが、PIXUS MX923では必ず無線LANルーターを介しての接続しかできなかったが、PIXUS TR7530ではダイレクト接続(Wi-Fiダイレクト)接続も可能になった。その関係でPIXUS TR7530では新たにはBluetooth接続機能が搭載された。ただ、これはBluetoothを使って写真を送信すれば印刷されると言った機能では無い。Bluetoothでお互いを認証しておけば、ダイレクト接続(Wi-Fiダイレクト)の際の接続が簡単という機能だ。Bluetoothは接続時に使用するだけで、印刷操作は「Canon PRINT Inkjet」上で行い、データー転送にはWi-Fiが使用される。ちなみにこの機能はAndroid 5.1以上の対応で、iOSは非対応だ。機種は限られるとはいえ、接続が簡単に行えるようになっている。また、PIXUS MX923もスマートフォンからのプリント、スキャンに対応していたが、クラウド対応はPIXUS MX923本体でのアクセスのみで、オンラインストレージからの印刷のみだった。PIXUS TR7530では本体でもアクセスできるが、スマホからのアクセスでも印刷が可能である事、オンラインストレージからの印刷以外に、SNSの写真をコメント付きで印刷が可能になり、写真共有サイトからの写真印刷も可能となった。一方、プリンターにメールをすることで添付ファイルを印刷できる機能「メールからプリント」は非搭載となった。ただし、この機能はキャノンが2017年11月30日にサービスを終了することになっており、これ以降はPIXUS MX923でも使用できなくなる。

コピー機能
型番
PIXUS TR7530
PIXUS MX923
PIXUS TS6130
製品画像
等倍コピー
拡大縮小
倍率指定
○(25〜400%)
○(25〜400%)
○(25〜400%)
自動変倍
オートフィット
CD/DVD/Blu-rayレーベルコピー
写真焼き増し風コピー
○(色あせ補正対応)
○(色あせ補正対応)
○(色あせ補正対応)
割り付け(2面/4面)
○/○
○/○
○/○
バラエティコピー
ADF手動両面コピー
ページ順コピー
枠消しコピー
IDコピー
ページ順コピー
枠消しコピー
枠消しコピー
IDコピー

 コピー機能を見てみよう。等倍コピーや拡大縮小コピー機能、写真の焼き増し風コピーや2面、4面割り付けの機能は同じだ。バラエティコピーの内、ページ順コピーと枠消しコピーはPIXUS MX923も搭載していたが、PIXUS TR7530では新たにADF手動両面コピーとIDコピー機能が搭載された。前者はADFで片面をスキャンした後裏返してもう一度ADFを通すことで、両面原稿を両面印刷できる機能、後者は免許証などのIDカードの表と裏を2回スキャンすることで、上下に並べて印刷が出来るという機能である。ADFが両面スキャンに対応していない点はADF手動両面コピー機能で対応した形となる。

FAX機能
型番
PIXUS TR7530
PIXUS MX923
PIXUS TS6130
製品画像
通信速度
33.6kbps
33.6kbps
画質設定
モノクロ
8dot/mm×3.85本/mm(標準)
8dot/mm×7.7本/mm(ファイン)
8dot/mm×7.7本/mm(写真)
300×300dpi(ファインEX)
8dot/mm×3.85本/mm(標準)
8dot/mm×7.7本/mm(ファイン)
8dot/mm×7.7本/mm(写真)
300×300dpi(ファインEX)
カラー
200×200dpi
200×200dpi
送信原稿サイズ
N/A
N/A
記録紙サイズ
A4/リーガル/レター
A4/リーガル/レター
受信ファックス最大保存ページ数
250枚/30件
250枚/30件
データ保持(電源オフ/停電)
○/−
○/−
−/−
ワンタッチ
短縮ダイヤル
100件
100件
グループダイヤル
99宛先
99宛先
順次同報送信
101宛先
101宛先
自動リダイヤル
発信元記録
ポーリング受信/送信/予約
−/−/−
−/−/−
−/−/−
ファクス/電話自動切替
見てから送信
見てから印刷
PCファクス
送信のみ
送信のみ

 続いてFAX機能を見てみよう。PIXUS TR7530とPIXUS MX923は発売時期に大きな開きがあるとは思えないほど、全く機能が同じだ。受信ファックスの保存ページ数や、短縮ダイヤルの保存件数も全く同じである。

操作パネル/インタフェース/本体サイズ
型番
PIXUS TR7530
PIXUS MX923
PIXUS TS6130
製品画像
液晶ディスプレイ
3.0型
(角度調整可)
3.0型
3.0型
(90度角度調整可)
操作パネル
タッチパネル液晶+物理ボタン
(角度調整可)
新デュアルファンクションパネル
タッチパネル液晶+物理ボタン
(90度角度調整可)
インターフェイス
USB他
USB2.0×1
USB2.0×1
USB2.0×1
無線LAN
IEEE802.11n/g/b
(ダイレクト接続対応)
IEEE802.11n/g/b
IEEE802.11n/g/b
(ダイレクト接続対応)
有線LAN
100BASE-TX
対応OS
Windows 10/8.1/7 SP1
Mac OS 10.10.5〜(AirPrint利用)
Windows 10/8.1/8/7 SP1/XP SP3
Mac OS 10.6.8〜
Windows 10/8.1/7 SP1
Mac OS 10.10.5〜(AirPrint利用)
外形寸法(横×奥×高)
438×350×190mm
491×396×231mm
372×315×139mm
重量
7.9kg
11.7kg
6.2kg
本体カラー
ブラック
ブラック
ブラック/ホワイト

 最後に、操作パネル、インタフェース、本体サイズを見てみよう。PIXUS MX923の操作パネルは「新デュアルファンクションパネル」という特殊なものだ。電源ボタンや各種モードボタン、スタートやストップボタンの他に、4×4マスの16個の切り替えボタンが用意されている。それぞれのボタンには2つの表記切り替えて表示できるようになっており、どちらか一方が表示されるかどちらも表示されないの3通りに切り替わる。例えば、コピーモード時は左上とその下のボタンが「+」と「−」になり、それ以外のボタンは何も表示されない。ファックスモード時は、右側3×4マスがテンキー、左下が戻るボタンになり、左端上3つは無表示だ。それ以外にカーソルボタンに切り替わる場合もある。モードに応じて使うボタンに切り替わるわけだ。物理ボタンながら、ボタン数減らすことに成功しており、また使わないキーが消えるため分かりやすいという特徴があった。液晶は3.0型となる。本体の前面から上面にあたる部分が大きく面取りされ、その部分に内蔵されている。斜めにはなっているが角度調整は出来ない。しかし最近ではタッチパネル液晶での操作が主流で、PIXUS TR7530も同じくタッチパネル操作がメインとなる。液晶サイズは同じ3.0型だ。タッチパネル液晶としては小さめである事から、ホームや戻る、スタート、ストップボタンは物理ボタンで搭載される。テンキーは液晶内に表示される。「新デュアルファンクションパネル」でボタン数を減らし分かりやすくしていたが、PIXUS TR7530のタッチパネル液晶にはかなわない。テンキーは物理ボタンの方が押しやすいという声もあるが、液晶内に表示されればバックライトで暗くても見やすいというメリットがある。また操作パネルと液晶は本体前面に取り付けられ、90度まで起こして角度調整が可能だ。どの高さにPIXUS TR7530を置いても使いやすい、見やすい角度に調整できる。操作性は大きく向上したと言える。
 インタフェースはUSBに加えて無線LANに対応する。PIXUS MX923と比べると、前述のように無線LANがダイレクト接続に対応した点がPIXUS TR7530の進化点だ。一方、 PIXUS MX923に搭載されていた有線LAN接続はPIXUS TR7530は対応していない。無線LANの電波が届きにくいところでネットワーク接続を利用する場合や、より安定して簡単にネットワーク接続したい場合は注意が必要だ。
 対応OSは大きく変化し、Windows VistaとXPが対応から消えている。さらにWindows 8.1には対応するがWindows 8は非対応となった。また、MacOSのドライバは、PIXUS MX923もドライバディスクには収録されずダウンロード対応だったが、今回からはキヤノンからは提供されず、AirPrintを使用する方法となった。対応バージョンもMacOS 10.6.8以上から、MacOS 10.10.5以上になっている。
 本体サイズはPIXUS MX923の491×396×231mmから、PIXUS TR7530では438×350×190mmへと1周りも2周りも小さくなった。また、高さはADF部まで含めているが、未使用時は原稿トレイを閉じられるので、ADF装置がある左側に比べて右側は高さが抑えられ、より小さく見える。A4やB5用紙を使用する場合は前面トレイが16mm飛び出すこと、背面給紙使用時は後方にスペースが必要なので、奥行きに関しては大きくは変わらないかむしろ必要スペースは増えているが、横幅と高さが格段に小さくなり、見た目にもコンパクトだ。最新機種だけあって最近の小型化の傾向に乗った形となる。ちなみにPIXUS TS6130は372×315×139mmである。高さはADFがあるためPIXUS TR7530の方が大きいのは仕方が無いとして、横幅が64mm、奥行きは35mm大きい。ADFとFAX機能搭載以外は機能面では似ており、給紙機構も同等だがなぜか少し大きいのは気になるところだ。小型化を追求したFAX機能無しの複合機と比べるとやや小型化へのこだわりは弱いのかもしれない。 



 PIXUS TRシリーズの登場と同時にPIXUS MX923が在庫限りになったため、いかにも後継機種という流れだが、PIXUS TR7530はPIXUS MX923の後継というよりは、最新のFAX無しの複合機にFAX機能とADFを取り付けた製品と言える事がよく分かる。印刷速度や印刷コスト、ADFの両面スキャン、USBメモリ対応と言った機能はPIXUS MX923には劣るが、コンパクトになり操作性は向上し、スマートフォンやクラウド対応も強化された。まさに最新機種になったと言えるだろう。PIXUS MX923が発売された時とは状況が異なり、印刷速度や印刷コスト、ADF機能にこだわるならMAXIFYシリーズがある。より家庭向けにシフトした機種と言えるだろう。


(H.Intel)


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