小ネタ集
2022年末時点のプリンターを徹底検証
新機種と旧機種を徹底比較
(2023年4月26日公開・5月27日一部修正)

表中の背景が黄色になっている項目は、旧機種・参考機種からの変更点です。なお3機種で比較している場合は、旧機種1・参考機種1からの変更点となります

新機種「G3370」と旧機種「G3360」を徹底比較する

 G3370はG3360の後継機種だ。キャノンのギガタンク搭載モデルには、ビジネス向けのGXシリーズと、家庭・小規模オフィス向けのGシリーズがあるが、G3370はGシリーズの中で下位モデルとなる。G3360から見た目は大きく変化したが、機能面ではどのように変わったのか、細かく見ていこう。

プリント(画質)
新機種
旧機種
型番 G3370 G3360
製品画像
発売日 2022年12月8日 2020年11月12日
発売時の価格(税込) 33,550円 29,150円
インク 色数 4色 4色
インク構成 ブラック(顔料)
シアン
マゼンタ
イエロー
ブラック(顔料)
シアン
マゼンタ
イエロー
カートリッジ構成 ギガタンク方式
(挿して注入・満タン自動ストップ・色ごとに形状変更・オフキャリッジ式)
ギガタンク方式
(挿して注入・満タン自動ストップ・色ごとに形状変更・オフキャリッジ式)
顔料/染料系 染料(カラー)/顔料(黒) 染料(カラー)/顔料(黒)
インク型番 31番 31番
最小インクドロップサイズ N/A N/A
最大解像度 4800×1200dpi 4800×1200dpi
高画質化機能

 まずは、販売価格を見てみよう。G3370の販売開始時の価格は33,550円で、G3360の29,150円から4,400円の値上げだ。新型コロナウィルスによる世界的半導体不足や製造や輸送の問題もあって、製造コストが上がり価格が上がる事が多いため仕方が無いとも言えるが、低価格機のわりに、4,400円という値上げ幅は大きい。上位モデルG6030は43,868円なので、約1万円の差となる。
 それでは、G3370の印刷画質を見てみよう。インク構成や印刷解像度、使用するインクもG3360から変化はないため、画質面では同等だ。またインク注入時の、満タンストップや、注入間違い防止機構なども同等となる。細かい点で言うと、ギガタンク注入口のキャップにバネが付き、開いた状態を保持しやすく改良されている。

プリント(印刷速度)
新機種
旧機種
型番 G3370 G3360
製品画像
ノズル数 1792ノズル 1792ノズル
カラー:各384ノズル
黒:640ノズル
カラー:各384ノズル
黒:640ノズル
印刷速度 L判縁なし写真(メーカー公称) 37秒 37秒
A4普通紙カラー(ISO基準) 6.0ipm 6.0ipm
A4普通紙モノクロ(ISO基準) 11.0ipm 10.8ipm
ファーストプリント速度 A4普通紙カラー 14.0秒 14.0秒
A4普通紙モノクロ 9.0秒 9.0秒

 続いてG3370の印刷速度を見てみよう。ノズル数などに変化はないため印刷速度に大きな変化はない。唯一モノクロ文書のみ、10.8ipmから11.0ipmに高速化しているが、1枚あたりの秒数になおすと5.556秒から5.455秒に約0.1秒の差なので、実用上気づくほどの差ではないだろう。

プリント(印刷コスト)
新機種
旧機種
型番 G3370 G3360
製品画像
印刷コスト
(税込)
L判縁なし写真 6.2円 6.2円
A4カラー文書 1.0円 1.0円
A4モノクロ文書 0.4円 0.4円
インク1本の印刷枚数
(カラー文書)
ブラック 6,000ページ 6,000ページ
カラー 7,700ページ 7,700ページ
インク1本の価格
(税込)
ブラック 1,980円 1,980円
カラー 各1,540円 各1,540円
同梱インク インクボトル各色1本 インクボトル(カラー)各色1本
インクボトル(ブラック)2本

 G3370の印刷コストを見てみよう。使用するインクボトルに変更が無いため印刷コストは同等だ。ただし、G3360ではカラーのインクボトルが各1本、ブラックのインクボトルが2本同梱していたが、G3370では全色が各1本に変更された。つまりブラックが2本から1本に減ったことになる。本体価格も4,400円上がったが、1,980円のインクボトルが同梱しなくなった分も値上げと言えるかもしれない。


プリント(給紙・排紙関連)
新機種
旧機種
型番 G3370 G3360
製品画像
対応用紙サイズ 定型用紙 名刺〜A4 名刺〜A4
長尺用紙 長さ1,200mmまで 長さ1,200mmまで
給紙方向
(A4普通紙セット可能枚数)
背面

(100枚/40枚/20枚)

(100枚/40枚/20枚)
前面
その他
排紙トレイ自動伸縮
用紙種類・サイズ登録 ○(用紙セット連動) ○(用紙セット連動)
用紙幅チェック機能

 続いて、G3370の給紙、排紙機能を比較してみよう。対応用紙サイズや、長尺印刷、給紙枚数などに変化はない。

プリント(付加機能)
新機種
旧機種
型番 G3370 G3360
製品画像
自動両面印刷 対応/非対応
対応用紙
対応サイズ
自動両面
印刷速度
A4カラー文書
A4モノクロ文書
CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷
写真補正機能 ○(自動写真補正) ○(自動写真補正)
特定インク切れ時印刷
自動電源オン/オフ ○(印刷実行)/○(指定時間操作無し) ○(印刷実行)/○(指定時間操作無し)
廃インクタンク交換 ○(メンテナンスカートリッジ交換可) ○(メンテナンスカートリッジ交換可)
フチなし吸収材エラー時の対応機能 ○(フチあり印刷継続可・普通紙のみ) ○(メンテナンスカートリッジ交換可)

 続いてG3370のその他のプリント機能を比較してみよう。自動電源オンやオフ機能はG3360に引き続いて搭載される。また、メンテナンスカートリッジの交換機能もG3360から引き続き対応するが、実は交換できるパーツが違う。プリンターには(一部を除いて)インクを貯めておくパーツが2つある。1つは廃インクタンクで、クリーニングの際に排出されるインクを貯めておくタンクだ。もう一つが、フチなし吸収材で、フチなし印刷時は、用紙サイズピッタリに印刷すると用紙の微妙なズレによってフチができてしまうため、少し大きめにプリントする方法を取るが、その際に用紙からはみ出したインクを吸収させるものだ。G3360では、メンテナンスカートリッジを交換すると、廃インクタンクとフチなし吸収材の両方が交換できた。一方、G3370では、交換できるのは廃インクタンクのみだ。フチなし吸収材はユーザーによる交換不可となり、修理に出す事になる。ただし、フチなし吸収材にこれ以上インクが貯まらない「フチあり」印刷で普通紙に限り、印刷を継続できる機能は搭載する。急ぎのプリントだけ行っておき、時間がある時に修理に出して交換してもらう事が可能だ。なお、この仕様変更により、G3360用のメンテナンスカートリッジはMC-G02だったが、G3370用はMC-G04となった。

スキャン
新機種
旧機種
型番 G3370 G3360
製品画像
原稿サイズ A4
(216×297mm)
A4
(216×297mm)
読み取り解像度 600dpi(600×1200dpi) 600dpi(600×1200dpi)
センサータイプ CIS CIS
原稿取り忘れアラーム
ADF 原稿セット可能枚数
原稿サイズ
両面読み取り
読み取り速度 カラー
モノクロ
スキャンデーターのメモリカード保存

 G3370のスキャナー機能を見てみよう。原稿サイズや解像度などに変化はない。ただし、G3370には新たに原稿撮り忘れアラームが搭載された。スキャンやコピー後に原稿を取り忘れた際に知らせてくれるため、安心だ。

ダイレクト印刷
新機種
旧機種
型番 G3370 G3360
製品画像
ダイレクトプリント メモリーカード
USBメモリー
赤外線通信
対応ファイル形式
最大画像解像度
読込ファイル数上限
色補正機能
手書き合成
メモリーカードからUSBメモリー/外付けHDDへバックアップ −/− −/−
PictBridge対応 ○(Wi-Fi) ○(Wi-Fi)
各種デザイン用紙印刷 定型フォーム印刷(レポート用紙、原稿用紙、スケジュール用紙、方眼紙、チェックリスト、五線譜、漢字練習帳、アルファベット練習帳) 定型フォーム印刷(レポート用紙、原稿用紙、スケジュール用紙、方眼紙、チェックリスト、五線譜、漢字練習帳、アルファベット練習帳)

 G3370のダイレクト印刷機能を見てみよう。G3360同様、メモリーカードからのダイレクト印刷には対応しないが、Wi-Fi方式のPictBrtidgeと、定型フォーム印刷機能は搭載されている。

スマホ/クラウド対応
新機種
旧機種
型番 G3370 G3360
製品画像
スマートフォン連携 アプリ メーカー専用 Canon PRINT Inkjet/SELPHY Canon PRINT Inkjet/SELPHY
AirPrint
対応端末 iOS 14.0以降
Android 6.0以降
【発売時】
iOS 13.0以降
Android 5.0以降
【現行】iOS 14.0以降
Android 6.0以降
スマートスピーカー対応 ○(Alexa/Googleアシスタント) ○(Alexa/Googleアシスタント)
Wi-Fi接続支援機能 ○(QRコード読み取り(iOS/Android))
写真プリント
ドキュメントプリント ○(PDF/Word/Excel/PowerPoint) ○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
Webページプリント
スキャン ○(PDF/JPEG) ○(PDF/JPEG)
クラウド連携 プリント アプリ経由/本体 ○/− ○/−
オンラインストレージ ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/OneDrive/google classroom) ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/OneDrive/google classroom)
SNS ○(Facebook・コメント付き可) ○(Facebook・コメント付き可)
写真共有サイト ○(googleフォト/image.canon) ○(googleフォト/image.canon)
スキャン アプリ経由/本体 ○/− −/−
スキャンしてオンラインストレージにアップロード ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/OneDrive/google classroom)
(OneDrive/google classroomはアプリからのみ)
メールしてプリント
LINEからプリント ○(JPEG/PNG/PDF/Word/Excel/PowerPoint) ○(JPEG/PNG/PDF/Word/Excel/PowerPoint)
リモートプリント ○(ファイルアップロード・Windows 11/10のみ) ○(ファイルアップロード・Windows 11/10のみ)
スキャンしてリモートプリント

 G3370のスマホ、クラウド関連機能を見ていこう。対応アプリに変更はない。対応OSはG3370はiOS 14.0以降、Android 6.0以降となり、G3360の発売時のiOS 13.0以降、Android 5.0以降より上がっているが、これはアプリの対応バージョンが変更されたためで、G3360も現在はOS 14.0以降、Android 6.0以降となる。G3370に新たに搭載されたのは、Wi-Fiダイレクト接続時にORコードを利用して簡単に接続できる機能だ。iOSの場合は標準カメラアプリで、Androidの場合はWi-Fi設定メニューから、G3370の液晶に表示されるQRコードを読み込むだけでセキュリティーキーの入力無しで接続設定が出来る。これは家庭向けの機種には既に搭載されている機能だが、G3360では横長の2行文字表示の液晶でQRコードが表示できなかった。G3370ではスクエア液晶(詳しくは後述)となり、QRコードが表示できるようになったため、機能が搭載された。
 その他、G3360ではクラウドからのプリントには対応していたがスキャンしてアップロードする事はできなかった。G3370ではスキャンにも対応した。ただし、家庭向けの上位機種の様に本体操作だけでスキャンしてアップロードすることは出来ず、あくまでアプリ経由で行う事が出来るだけだ。

コピー機能
新機種
旧機種
型番 G3370 G3360
製品画像
等倍コピー
拡大縮小 倍率指定 ○(25〜400%) ○(25〜400%)
オートフィット
定型変倍
フチなしコピー
CD/DVD/Blu-rayレーベルコピー
写真焼き増し風コピー
割り付け(2面/4面) ○/○ ○/○
その他のコピー機能 濃度調整 濃度調整
バラエティコピー 枠消しコピー
IDコピー
枠消しコピー
IDコピー
コピー予約

 G3370のコピー機能を見てみよう。各種拡大縮小やフチなしコピー、2面/4面割り付けなどはG3360と同等だ。濃度調整と枠消しコピー、IDコピーも引き続き搭載される。ただし、G3360では可能だったコピー予約が行えなくなった。つまり、G3360では、コピーを開始し、プリント中でもスキャンは終えている場合、原稿を入れ替え、次のコピーを予約する事ができた。一方、G3370ではプリントが終了するまで原稿を交換する事が出来なくなった。次々と原稿を換えてコピーしたい場合に不便になってしまった。

操作パネル/インターフェース/本体サイズ
新機種
旧機種
型番 G3370 G3360
製品画像
液晶ディスプレイ 1.35型
(バックライト搭載)
2行モノクロ
(バックライト非搭載)
操作パネル ボタン式 ボタン式
インターフェイス USB他 USB2.0×1 USB2.0×1
無線LAN IEEE802.11ac/n/a/g/b
5GHz帯対応
(ダイレクト接続対応)
IEEE802.11n/g/b
(ダイレクト接続対応)
有線LAN
対応OS Windows 11/10/8.1/7 SP1
Mac OS 10.14.6〜
(AirPrint利用)
Windows 11/10/8.1/7 SP1
Mac OS 10.12.6〜
(AirPrint利用)
耐久枚数 5万枚 4.8万枚
外形寸法(横×奥×高) 416×337×177mm 445×330×167mm
重量 6.0kg 6.4kg
本体カラー ブラック
ホワイト
ブラック&シルバー

 最後にG3370の操作パネルやインタフェースなどを見てみよう。G3370の最も大きく変化した部分が操作パネルと液晶だ。G3360では操作パネルは本体上面の左側に縦長に配置されていた。これがG3370では前面に変更された。プリンターを床などの低い位置に置くので無ければ、前面の方が操作しやすい場合が多いだろう。上位機種のG6030や家庭向けのカートリッジ方式の機種、さらにはエプソンやブラザーの製品も、今は操作パネルは前面というのが主流だ。ただし、G3370は一見すると持ち上げて角度調整が出来そうなのだが、実際は少し斜めになった状態で固定されている。これが上位機種や家庭向けの機種との違いだ。前面から上面に欠けて面取りされており、そこに斜めに固定されているというパターンはあったが、前面に配置されていながら固定されているのは非常に珍しい。

液晶ディスプレイ
※表示サイズは実物とサイズ比率がほぼ同じになるように調整
※実際に製品を撮影した写真です。
G3370 G3360 G6030
G3370.jpg">

 まずは、液晶ディスプレイを見てみよう。G3360では横長で、モノクロの2行文字表示となる。アイコンはおろか、項目が線で区切られていたり、囲まれているという事も無く、文字の大きさもごく一部を除いて同じであるため、非常に分かりにくかった。G3370では、これが大幅に改善されている。モノクロではあるが、スクエア液晶となり、解像度も高くなった事から、アイコンや項目の囲みなど、グラフィカルな表示か可能となり、分かりやすくなった。また、一度に表示できる情報量も増え、一覧性が良くなっている。例えばコピーの設定を行う際、G3360では「拡大縮小」や「コピー濃度」「用紙サイズ」といった設定項目が1つずつ表示されるので、左右のカーソルで目的の項目になるまでひとつずつ見ていく必要がある。G3370では設定項目がある程度一度に表示されるので、目的の設定まで上下カーソルで持って行くだけなので、操作が素早く行える他、分かりやすい。さらに、G3360ではバックライトが無く、薄暗い所では見にくかったが、G3370ではバックライトが搭載され暗い場所でも操作が可能となったのも大きい。実は、G3370の上位機種G6030もG3360と同じモノクロの2行文字表示液晶であるため、下位機種のG3370の方が優れた液晶となった。G3370の液晶サイズは1.35型で、あまりにも小さいと言われていたPIXUS TS7530やPIXUS TS5430、又はエプソンのEP-715Aなどの1.44型よりさらに小さいが、G3360と比べると大幅な改善だ。ちなみに、上の写真は、実際の液晶サイズと同じ比率となっているため、液晶のサイズ差が分かるだろう。G3360は液晶サイズが書かれていないが、実測値で45×12mmとなる。G3370の1.35型は実測値で24×24mmであるため、G3360の液晶を縦に割って上下に並べたようなサイズだ。

操作パネル全体
※実際に製品を撮影した写真です。G3370は液晶部だけ別途撮影したものをはめ込んでいます。
G3370 G3360 G6030
G3370.jpg">

 操作パネル全体を見てみると、ボタン配置も大きく変化したことが分かる。G3360では項目の操作に使うのは、左右カーソルと「OK」と「戻る」だけであった。G3370では一般的な4方向カーソルと中心に「OK」、液晶の反対側に「戻る」という配置となり分かりやすくなった他、カーソルが4方向となった事で、項目間の移動の自由度が高まっている。また、G3360では文字表示のみである事から、ホーム画面が無く、直接「コピー」「スキャン」「セットアップ」に入るボタンが用意されており、これがボタン数が増えて煩雑に見える原因だったが、G3370では液晶が改善されたことにより、ホーム画面があり、その中で使う機能を選ぶようになった。そのため、「ホーム」ボタンが追加されているが、G3360と比べると非常に分かりやすい。また上位機種G6030は、G3370と同じく本体前面に取り付けられているため、横長配置だが、ボタンの種類はG3360と同じであるため、上位機種よりも操作性は良くなったと言える。
 G3370のインターフェースは、無線LANとUSBで、有線LANに非対応である点はG3360と同じだ。ただし、無線LANは大幅に強化されている。まず、G3360では一般的なIEEE802.11n/g/b対応だったが、G3370では新たにIEEE802.11ac/aに対応した。これまでは2.4GHz帯の電波を利用していたためBluetoothや電話の子機、電子レンジなどの影響を受けて接続が不安定になる事があったが、G3370ではIEEE802.11ac/n/a使用時は、無線LAN専用とも言うべき5GHz帯の電波を使用できるようになり、安定した。さらに、G3370が対応するIEEE802.11acは、IEEE802.11nより通信速度が向上している。ストリーム数やチャンネル幅などが不明なのでなんとも言えないが、1ストリームの場合、IEEE802.11nは帯域幅20MHzで72.2Mbps、40MHzで150Mpbsだが、IEEE802.11acは最低の帯域幅80MHzでも433Mbpsとなり、3〜6倍の速度になる。プリントデーター量が多い場合や、高解像度でのスキャンなど、通信速度が必要な場合に、待ち時間が軽減される可能性がある。
 G3370の対応OSは、Windowsは引き続きWindows 7 SP1以降(Windows 8は非対応)、MacOSは10.12.6以降から、10.14.6以降に変更されている。耐久枚数は4.8万枚から5万枚にやや強化されているが、大きな違いではないだろう。本体サイズはG3360の445×330×167mmから、G3370では416×337×177mmにに、横幅がやや小型化された。スキャナの原稿カバーの左に操作パネルのスペースが不要になった事も理由の1つだろう。本体カラーはブラックとホワイトの2色から選べるようになった。



 上位モデルのG6030が2019年6月から新機種が登場していない中、2020年11月発売の下位モデルのG3360に、さらに新機種が出たのは驚きだ。とはいえ、毎年新機種を無理矢理にでも出す家庭向けの機種と違い、新機種が出ると言うことは、それだけ改良点が集まったと言う事だ。G3370の場合は、画質や印刷速度など基本的な機能はそのままで、使い勝手の向上が主だといえる。最たる物が操作性で、液晶や操作パネルが使いやすくなった。また、その影響で、QRコードによるスマホとの簡単接続が可能となったのも大きい。また、原稿取り忘れアラームも、細かい点だが使い勝手の向上に寄与している。無線LANの強化も、接続時の不安定さや遅さという使い勝手を改善したと言えるだろう。
 また、それらの、液晶と操作パネルの改良、QRコードによる接続、スキャンしてクラウド保存、IEEE802.11ac/aの対応は、上位機種のG6030に先んじて搭載されたことになる。それに加えて、G3360で既に搭載されていたインク補充時の色間違い防止機能、交換可能なメンテナンスカートリッジ、LINEからのプリントやリモートプリント機能も、G6030に搭載されていない機能だ。G6030は印刷速度や自動両面印刷、前面からのカセット給紙、有線LAN接続などの面ではメリットがあるとはいえ、G3370が単なる下位機種とは言えないほど逆転現象が多くなっている。G3370は自動両面印刷やカセット給紙が不要なユーザーにとって、安価ながら完成度の高い製品と言えるだろう。

(H.Intel)


【今回の関連メーカーホームページ】
キャノンhttp://canon.jp/


G3370BK
G3370WH