ひとくちに 顔真卿と言えば あの豊満な線を思い浮かべ

筆づかいの巧さ 空間の処理の巧さ をついつい忘れてしまいます

顔真卿の世紀の大傑作 祭姪文稿 争座位帖には

バラエティーに富んだ面白い文字が沢山あり とても勉強に成ります

こんな汚い文字が素晴らしいだなんて 書道の奥深さに驚かされます 

一生懸命勉強する事で この作の本当の良さを学んで行きましょう 

ここで ご紹介することだけが 顔真卿の魅力だとは思いませんが

私が感じた事をご紹介致します 少々お付き合いくださいませ


余白が綺麗  魅力的な文字の造形

     

 

祭姪文稿の一部です 余白が実に見事 

特に 期 と言う字の偏と旁を離し偏の中身に密度を持たせています

(偏と旁を付けたり離したりすると作品効果は 上がります

                共に文字そのものの面白さも生じてきます)

次に来る 戩 と言う字 タスキを上に短く下に長く書いています

あまり上から長く引くと うえの余白が死んでしまいます(上図参照)

下に長く書く事で 次の文字との余白も生きています

作品の中に疎と密を作る 書道の極意を見たような思いです


素晴らしい躍動感

      

何度となく この臨書を試みています しかし難しい文字揃い

誰か教えてくれー書けない

よく リズム良く書いて下さい と言うと すぐに早書きする人が居られます

実を言うと この私もそうであった訳です リズムとスピードは別物で

ゆっくり書く事とは例えて言えばこう言うことです

鈍行列車に乗って外の風景を眺める あっ あの景色綺麗だ

心に残ると思います ゆっくり書くと お手本がよく見えて来ます

昔の人は良い言葉を残してくれています 

「あわてる 少ない もらいは乞食」 何か変だ −−−−−− 

筆に上下動があると 躍動感溢れる作品が生まれます これがリズムです


謙虚な気持ちで古典に接しよう

話は少しそれますが ここで 私が何故ゆっくり書くようになったのかを

お話したいと思います 

私も書歴だけは古く 入門当時から 少々腕に自信がありました

良い気分で早書きをしていた訳です いくら注意されても直らない 

そんな訳ですから展覧会へ出品しても落選を繰り返すばかりでした

率直な気持ち そんな 「あほな」 何でこの俺が落ちるんや

師匠は私のうぬぼれをちゃんと見抜いていたのでしょう 

一から出直しや お手本をよく見よう そんな気持ちに成って行きました

よく見ようという気持ちが働けば 自ずとゆっくり書くはずです

そうしたら お手本が 見えるは 見える 以来 早書きは出来なくなりました

自分の心のあり方が大切だと言う事です 古典から色々教えてもらうんだ 

そんな謙虚な気持ちになって学べば 実力アップ間違いなし

顔真卿 無茶苦茶(心のおもむくままに)書いても本当に素晴らしい 

しかし この楽しい書道 無茶苦茶書いたら 視聴率ダウン トホホー