いちごきいちごのいちご



その昔、栃木県というと「森昌子・ガッツ石松・かんぴょう」でしたが
最近では「山口智子・立松和平・いちご」でしょうか。

特産地ゆえか、農家の直売場で市価より安く質のいい苺が真冬から初夏まで
手に入るので、生食はもちろん沢山ジャムにして楽しむことができます。
春先になると宇都宮市内の食べもの屋さんでは「いちごフェア」なるものを
行ったりします。
また、益子の陶器市では苺ジュースや苺ミルクを売る出店もあります。
日光のお土産物やさんには某有名お菓子メーカーの「栃木限定の苺パイ」
なんぞもあります(これが長野だとリンゴやあんず、福岡だと明太子に
変身します。皆さんのお住まいの方ではどんなのがありますか?)。
ちなみに不景気の時お菓子を新発売する時は「いちご味」が確実に
売れていいんだそうです。
日本人には(子供と女性は特に)苺好きが多いのでしょうか? 


子供の時ショートケーキというと、バタークリームを塗ったスポンジに
ゼリーで作った苺がのっているものでした。
生クリームに本物の苺がのったケーキを初めて口にしたのがいつだったかは
忘れてしまいましたが、いまでも「初めて食べたもの」としては
一番強烈な食体験だったと思います。


母親に初めて買ってもらった本は北欧のトペリウスという作家の
「きいちごのおおさま」という童話集でした。
幼い兄妹が森にきいちごつみに行って迷子になり、きいちごのおおさまに
助けられるというお話だったと思います。
木いちごってどんな食べものなんだろう?と思いながら
河原でとってきたグミの実に砂糖をかけて食べて“その気”になっていました。

また「赤毛のアン」にはアンが「いちご水」と「ブドウ酒」を間違えて
ダイアナに飲ませてしまうというお話がありました。
これも長いこと謎の飲み物でしたが、高校生になってからこの「いちご水」とは
「ラズベリーコーディアル」という飲み物だと知りました。

いまではとても身近に存在になったベリー類ですが、
幼い頃のワタシにとっては薔薇の花とともに
憧れの外国のものの象徴だったように思います。


今春買ったワイルドストロベリーに赤い実がつきました。
食べてみたらなんてことないとっても酸っぱいその味も
思えば子供の頃のワタシには夢の味だったんですね。