おつかれしもつかれ
「しもつかれ」といっても、他県の人はおそらくまず見たことも聞いたこともないだろう。
我“下野の国”が誇る超ディープな郷土料理である。
節分の後の初午の日に作り、これを7軒分食べると中気にならない、という言い伝えがある。

お正月の塩鮭の頭と、節分の大豆・12月の新酒の酒粕・大根・人参・油揚げが主な材料である。
大根と人参を「鬼おろし」というおろし金の竹製巨大版の道具ですりおろし、
他の材料と煮てつくる。

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見た目はすこぶる悪い。
何も知らない人がみたら、とても食べ物には思えないかも知れない。
他県出身の知人は「何年住んでもこれだけは食べられない。
これは人間の食べ物とは思えない。」とまで言った。
郷土料理などというと昨今はテレビで紹介されることが多いが、
しもつかれにいたってはめったなことではお目にかからない。
おそらく見た目の悪さがビジュアル向けではないのだろう。
スーパーで売っているのをみかけても、とても美味しそうにはみえないし、
まして「完成品の食物」にはみえない。
しかも、各家庭で味も見た目も恐ろしく違うので、マズイのに当たったら、
二度と食べる気にはならないかも。

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年中行事なんてほとんど無視して生活してきた我家だが、
どういうわけかしもつかれ作りが数年前から正月の餅つき並みの
大イベント(?)になってしまった。

いつもはうちの両親と叔母の3人でつくるのだが、
今年は病気やら出産やらで親戚一同バタバタしており、作るのをやめるつもりだった。
でも知り合いのおばあちゃんが今年は食べられないのかとがっかりしていると聞き、
じゃあやっぱり作ろうということになった。


大根20本・人参15本を鬼おろしでひたすらおろす。
そこに圧力鍋で軟らかくした鮭の頭と他の材料を煮込む。
家のガスコンロだけでは足りないので、玄関先にブルーシートを張り、
鋳物コンロ4台を使った。
こうして所要約4時間、大鍋2つ・中鍋2つ分のしもつかれが出来上がった。
これを大小様々のタッパウェアに詰めて、あちこちの知人に分けてまわるのである。

今年も御裾分け先から「美味しかった」と御礼の言葉を頂き、
うちの父母はすこぶる満足そう。
おつかれさま!

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