イージー・ライダー
EASY RIDER
★★★★★ 1970年 アメリカ 1時間35分
監督 デニス・ホッパー
出演 ピーター・フォンダ
デニス・ホッパー
ジャック・ニコルソン(カッコーの巣の上で/恋愛小説家)
マリファナ密売で儲けた大金をタンクに隠し、真のアメリカを求めてオートバイで放浪の旅に出る二人のヒッピーを描いたアメリカン・ニュー・シネマの代名詞的作品。元々は馬をバイクに乗り換えた現代の西部劇を目指して創られた作品だが、そこで描き出されたのはドラッグ・カルチャー、余所者への強烈な排他性、そして名ばかりの“自由”という現代のアメリカであった。'69年という時代性を強く反映させているのにもかかわらず、この作品が未だに色褪せないのは、そこで描かれていることが実は普遍的なものであり、現在でも充分に通用するテーマを内包しているからである。本作の大ヒットは、低予算で現実的な作品でも優れた商品になる事をハリウッドに知らしめた。
僕が美大の1年生の時、八王子の小さな映画館で見ました。そのショックはいまだ忘れる事が出来ず、最近WOWOWでやっていたので、見たのです。やはりバイク乗りには、見るだけで胸が熱くなります。


悲しみよこんにちは
BONJOUR TRISTESSE
★★★★★ 1957年 アメリカ・イギリス 2時間6分
監督 オットー・プレミンジャー
出演 ジーン・セバーグ(勝手にしやがれ)
デビッド・ニーヴン (80日間世界一周)
デボラ・カー(王様と私)
ミレーヌ・ドモンジョ
これを書いた当時は18歳だったフランソワーズ・サガンを、一躍世界の売れっ子作家にした原作。17歳のブルジョアの少女セシール(ジーン・セバーグ)が、父レイモン(デビッド・ニーブン)に新たに出来た恋人アンヌ(デボラ・カー)が母となる現実を受容できず、それまでの若い愛人エルザ(ミレーヌ・ドモンジョ)と共謀して、父と彼女との仲をアンヌに見せつけて別れさせようとする。ところが絶望に車を駆って去るアンヌは運転を誤って崖から落ちて死んでしまう。一年前の出来事だった。今は陽光明るい夏のリヴィエラにいても、少女の世界は晴れることなどないと思われる惨めな悲しみに満ちていた。灰色の現在は白黒、過去は眩いテクニカラーで描かれる。
見て下さい!これがジーン・セバーグです。この映画で、彼女は一躍有名なり、彼女の髪型がこの映画の主人公名からセシルカットと名付けられたほどです。僕がジーン・セバーグを最初に見たのは「勝手にしやがれ」です。「勝手にしやがれ」も、それは衝撃的な映画でした。


ギルバート・グレイプ
WHAT'S EATING GILBERT GRAPE
★★★★★ 1993年 アメリカ 1時間57分
監督 ラッセ・ハルストレム(ショコラ)
出演 ジョニー・デップ(妹の恋人/フロム・ヘル)
ジュリエット・ルイス(ケープ・フィアー/イナフ)
レオナルド・ディカプリオ(タイタニック)
ギルバート(J・デップ)は生まれてから24年間、故郷の田舎町から一歩も出たことがない。夫が亡くなって以来過食症になり異様に太ってしまった母、脳に障害のある弟(L・ディカプリオ)の世話をしなければならないからだ。そこにキャンピング・カーで旅行しているベッキー(J・ルイス)の出現により、ギルバートの内面に何かに向かって一歩踏み出そうとする変化が生まれる。田舎に向かう若者の平凡な生活を等身大にスケッチしながら、R・ハルストレムの冴えた感性が描きあげたヒューマンドラマ。
気楽に何げ見て下さい。最高です。この映画でジョニー・デップに出会い、それ以来ずっと彼の作品を追い続けています。ジュリエット・ルイスにも出会えました。ディカプリオも最高の演技でした。上の写真にもありますが、手の動きだけで知的障害を演じてました。映画って本当にいいなって思います。ところで、原題の意味をご存じですか?ここを参考にしてみて下さい。


雲の中で散歩
A WALK IN THE CLOUDS
★★★☆☆ 1995年 アメリカ 1時間42分
監督 アルフォンソ・アラウ
出演 キアヌ・リーブス(マトリックス/スイートノベンバー)
アイタナ・サンチェス・ギヨン
アンソニー・クイン(アラビアのロレンス/道)
第二次世界大戦が終わり、戦地から戻って来たポール(キアヌ・リーブス)は、出征前に慌しく結婚した妻の元へと急ぐ。ところが久しぶりに会った彼女の態度は冷たく、彼は妻に幻滅する。そんな中、妻の勧めでチョコレートのセールスの仕事を始めたポールは、出張の途中、列車の中で美女・ヴィクトリア(アイタナ・サンチェス・ギヨン)と知り合う。お腹の子供の父親に捨てられ、つわりに苦しむ彼女に同情したポールは、ヴィクトリアの父親(アンソニー・クイン)の前で偽りの夫婦を演じることに。そして広大な葡萄園(ラス・ヌベス=雲)を営む彼女の実家へと向かった2人は、やがて本当の恋に落ちていくのだった…。
ストーリーとして悪くないはずなんだけど、どうも記憶に薄い作品です。ブドウ畑の幻想的な風景は文句なしに美しいかったです。


夏至
A la Vertical de L'ete
★★★★☆ 2000年 フランス・ベトナム 1時間52分
監督 トラン・アン・ユン
出演 グエン・ヌ・キン
レ・カイン
トラン・ヌー・イエン・ケー
ヴェトナムの首都ハノイ。母親の命日に集まったスオン、カイン、リエンの姉妹はとても仲が良い。しかし実はそれぞれ、誰にも言えない秘密を抱えていた。カフェの女主人である長女スオンは、幼い息子がいるものの、夫クオックには愛人とその子供がおり、自分も行きずりの青年と逢瀬を重ねていた。次女カインは新婚で、作家の夫キエンは処女小説に行き詰まっている。妊娠が判ったが、今は夫と二人の秘密にしておきたい。三女リエンはまだ学生で、役者の卵の兄ハイとアパート暮らし。恋人のホアとは最近うまくいっていない。そんな中、命日の酒宴で母の秘めた初恋の話が明かされた。貞節な理想の夫婦を両親に見ていた3姉妹は、母が父以外の男性に恋していた事実に戸惑う。そして三姉妹が抱える秘密も少しずつ露になっていく。やがて父親の命日。彼女たちは問題を抱えつつも、家族の絆を強め関係の調和を保っていくのだった。
独特の映画です。ベトナム映画のせいかと思ったら、このトラン・アン・ユン監督はベトナム戦争から逃れ、フランスで育ったベトナム系フランス人なのですね。だからこの作品全体がエスプリを感じるというか、瑞々しいのです。この監督のデビュー作「青いパパイアの香り」も見てみたいです。


恋する遺伝子
SOMEONE LIKE YOU
★★★☆☆ 2001年 アメリカ 1時間37分
監督 トニー・ゴールドウィン(シックス・デイ/ラスト・サムライ)
出演 アシュレー・ジャド(ダブル・ジョパディ/あなたのために)
ヒュー・ジャックマン(X−メン/ニューヨークの恋人)
グレッグ・キニア(ベティ・サイズモア/恋は負けない)
テレビ局でトーク番組のブッキングを担当するジェーン(アシュレー・ジャド)は、番組の新任ディレクター・レイ(グレッグ・キニア)と付き合うようになる。しかし同棲をしようとしたところで彼の態度が豹変。腹を立てたジェーンは同僚で女たらしのエディ(ヒュー・ジャックマン)がルームメイトを募集しているのを知り、勢いで同居を始めてしまう。ジェーンは失恋の痛手からエディを格好のサンプルに「オスの95%は1夫多妻制をのぞんでいる」という独自の理論を構築して偽名で恋愛コラムを執筆。それは全米中で思わぬ反響を呼び……。いろいろな恋愛を経験しやがて“愛の真実"に目覚めるヒロインを描いたラブ・ストーリー。
「雄牛は一度交尾したメス牛と二度と交尾しない」という「理論」が本当にあるの? 理屈があるような、ないような、でも時間つぶしにはちょうどいい映画でした。