レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い
LEGENDS OF THE FALL
★★★★☆ 1994年 アメリカ 2時間12分
監督 エドワード・ズウィック(恋におちたシェイクスピア/ラスト・サムライ)
出演 ブラッド・ピット(セブン・イヤーズ・イン・チベット)
アンソニー・ホプキンス(ジョーブラックをよろしく)
エイダン・クイン(ミュージック・オブ・ハート/妹の恋人)
ヘンリー・トーマス(E.T./すべての美しい馬)
ジュリア・オーモンド(サブリナ)
第七騎兵隊の大佐だったウィリアム・ラドロー(アンソニー・ホプキンス)は、除隊後はインディアンを虐殺した過去を忘れるため3人の息子達と牧場を営んでいた。成長した息子達は、勃発した第一次世界大戦への従軍を決意する。三男のサミュエル(ヘンリー・トーマス)の婚約者・スザンナ(ジュリア・オーモンド)は、次男のトリスタン(ブラッド・ピット)に「彼を戦場に行かせないで」と頼む。トリスタンは密かにスザンナを愛していたが、弟の身を自分が守ると約束して戦地へと赴くが、サミュエルは敵の急襲にあって命を落としてしまう。傷心を抱えて故郷に帰った来たトリスタンをスザンナは慰め、その夜二人は結ばれるが、同じく彼女を愛していた長男アルフレッド(エイダン・クイン)は、もう兄弟ではないと告げて街へ去った…。遙かなオールド・ウエストを舞台に、愛に素直に生きられない青年と、彼を想い続けた女性の悲しい愛を描いた大河ロマン。
これも長い映画でした。途中までは感動的なシーンが多く良かったのですが、やはり途中でダレました。そもそも「トリスタン」という名前を聞いた時から、変だなと思っていたのですが、調べるとこれは(注1)ワーグナーの歌曲「トリスタンとイゾルデ」からきてるのでしょう。そしてワーグナーも(注2)中世の伝説「アーサー王と円卓の騎士」を題材にしています。この2つの話を知っているいないでは、この「レジェンド・オブ・フォール」の理解が違ってきます。ネイティブが話のベースにあるあたり村山由佳の「翼」を思い出させ、また長老の語りで始終するところなど、なかなかいい映画なのですが、それでも長過ぎました。ただトリスタンを演じたブラピは非常に良かったですし、風景の美しさはアカデミー賞の撮影賞に選ばれるだけはあると思います。


イングリッシュ・ペイシェント
THE ENGLISH PATIENT
★★★☆☆ 1996年 アメリカ 2時間42分
制作
監督
ソウル・ゼインツ(存在の耐えられない軽さ)
アンソニー・ミンゲラ(リプリー/最高の恋人)
出演 レイフ・ファインズ(シンドラーのリスト/ことの終わり)
ジュリエット・ビノシュ(ショコラ/ポンヌフの恋人)
クリスティン・スコット・トーマス(海辺の家)
第2次世界大戦中のサハラ。追撃された複葉機から全身に火傷を負った男が救出された。記憶の全てを失ったその男、アルマシー(レイフ・ファインズ)は連合国軍に保護され“イングリッシュ・ペイシェント”として移送される。戦争に心傷つき人を愛することを怖れる従軍看護婦ハナ(ジュリエット・ビノシュ)は彼の看護をかって出る。アルマシーはイタリアの片田舎、廃虚と化した修道院でハナの看護を受け、徐々に記憶を取り戻すが、それは友人のジェフリーの妻キャサリン(クリスティン・スコット・トーマス)との激しく哀しい砂漠の恋の物語であった…。原作はイギリスのブッカー賞を受賞したマイケル・オンダーチェの長編小説『イギリス人の患者』。アカデミー作品賞・監督賞・助演女優賞など受賞したラブロマンス大作。
毎年このアカデミー賞の時期になると放映されてた作品を、今年やっと見ました。原作は良かったのでしょうね。でもこの映画は脚本がよくないです。アカデミー賞って、こういう作品を見ると分からなくなる。まず長すぎる。2時間を超える映画はそれなりに長い理由がなくてはダメ。そう思うとこの制作者は「存在の耐えられない軽さ」の人だったんですね。あの映画は退屈するほど(3時間)長かったけれど、あれは許せた。そして、この映画の悪い事は登場人物が多すぎる。助演女優賞を取ったハナ(ジュリエット・ビノシュ)がストーリーの中で賞を取るほど重要な役なのか疑問。原作は知らないけれど、もっとアルマシーとキャサリンだけの話に要約していいはず。そして肝心な事は、この恋が不倫になるほどの恋なのかも、描ききれてないです。もー不満だらけ。見てない人すいません。


ドンファン
DON JUAN DEMARCO
★★★★☆ 1995年 アメリカ 1時間38分
制作
監督・脚本
フランシス・F・コッポラ
ジェレミー・レヴィン
出演 ジョニー・デップ
マーロン・ブランド(ゴッド・ファーザー/地獄の黙示録)
フェイ・ダナウェイ(華麗なる賭け/俺たちに明日はない)
現代のニューヨークに伝説上の愛の貴公子、ドンファンを名乗る男(ジョニー・デップ)が現れた。21歳の彼は最愛の人に失恋したといい、ビルの屋上から投身自殺を図ろうとするのだが、精神科医(マーロン・ブランド)に説得され精神病院で観察されることになる。その青年は自らを「愛の貴公子ドンファン・デマルコ」と名乗るだけで、本名も住所も過去もわからない。彼は仮面とマントに剣まで携え、時代錯誤も甚だしい。だが、彼の発する甘くロマンチックな雰囲気に看護婦たちはすっかり魅了されてしまい、彼は1500人に及ぶ女性たちとの愛の遍歴を語り始めた。そして、セラピーに当たるジャックもまた次第に影響され始め、妻への忘れかけていた愛情を呼び覚ますのだが…。フランシス・コッポラが贈る、伝説の伊達男ドンファンを名乗る正体不明の青年の華麗な恋の遍歴を描いた、奇想天外なラヴロマン。
ジョニー・デップならではです。彼に口説かれたらと思うだけで、この話はできあがってます。そしてマーロン・ブランドのデブにびっくり。フェイ・ダナウェイも老けました。でもそのマーロン・ブランドとフェイ・ダナウェイのカップルが素敵に見えてくるから不思議です。この映画のコピーは「ロマンス病」です。なるほどです。小品ながら見た後、暖かい気持ちになるいい作品です。


サウンド・オブ・ミュージック
THE SOUND OF MUSIC
★★★★★ 1965年 アメリカ 2時間52分
監督 ロバート・ワイズ(ウエスト・サイド物語)
出演 ジュリー・アンドリュース(メリーポピンズ)
クリストファー・プラマー(ピンク・パンサー)
エレノア・パーカー
1938年のオーストリア。厳格なトラップ家へ家庭教師としてやって来た修道女マリア。彼女の暖かい人柄と音楽を用いた教育法で、7人の子供達はマリアのことを好きになるが、父親であるトラップ大佐とマリアの衝突は絶えなかった。だが、次第に大佐に惹かれていることに気付くマリア。やがて、大佐の再婚話が持ち上がり、彼女は傷心のまま修道院に戻るのだが…。ブロードウェイ・ミュージカルの映画化。巨匠ロバート・ワイズ監督が送る、アカデミー賞5部門に輝いた7人の子供たちとの心の交流、そしてトラップ大佐との恋。実話を元にした愛の傑作ミュージカル。
これもアカデミー賞月間で放送したBS2を録画して見ました。この映画は小学生6年だったと思います。有楽町まで出かけて行って見た映画です。その後この映画のサントラ盤のLPレコードを買い(家の人が買ったのだと思います)「ド・レ・ミの歌」「もうすぐ17才」「エーデルワイス」など、当時中学生だったのにどれも英語で歌ってたのを思い出しました。「私のお気に入り」は今ではJR東海の「京都に行こう」のテーマ曲だと思われてますよね。(^_^) とにかく素晴らしい映画です。ぜひ見てほしい映画です。


エデンの東
EAST OF EDEN
★★★★★ 1955年 アメリカ 1時間55分
原作
監督
ジョン・スタインベック
エリア・カザン(波止場/欲望という名の電車)
出演 ジェームズ・ディーン(理由なき反抗/ジャイアンツ)
ジュリー・ハリス
レイモンド・マッセー
ジョー・ヴァン・フリート=アカデミー助演女優賞
舞台は1917年のカリフォルニア州サリナス。農場を営むアダム(レイモンド・マッセイ)は双子の兄アロン(リチャード・ダバロス)と弟キャル(ジェームズ・ディーン)の2人の息子と暮らしていた。敬虔なクリスチャンで生真面目な性格のアダムは、誠実で成績も優秀な好青年のアロンを可愛いがった。それに引き換え弟のキャルは反抗的でしばしばアダムと衝突し手を焼かせていた。アロンとその恋人アブラ(ジュリー・ハリス)は、キャルを気にかけて優しく接するが、彼は心を開こうとしなかった。ある日キャルは、彼らが幼い頃に死んでしまったと聞かされていた母ケート(ジョー・ヴァン・フリート)が、実は生きていてモントレーで売春宿を経営している事を知る…。旧約聖書「カインとアベル」を題材にしたスタインベックの長篇小説の映画化。愛を求める若者の苦悩、孤独、苛立ちを描く青春ヒューマンドラマの名作。
何年かぶりで見ました。一番最初に見たのは小学校5年生くらいだったと思います。父母と一緒に地元の小さな映画館のリバイバル上映でしょうか。それ以来ジェームス・ディーンに憧れました。「理由なき反抗」「ジャイアンツ」どれも忘れられないです。でもこの「エデンの東」が一番です。最後の場面で、やはり泣いてしまいました。しかし、昨日はお兄さんがちょっと可哀想って思ったな。それにしても50年も昔の映画なのにエリア・カザンの演出、レナード・ローゼンマンのテーマ曲と申し分なく、いまでも十分に見られます。子供の頃にこの作品に出会って本当に良かったと思いました。ぜひ若い皆さんにも見ていただきたい作品です。


普通じゃない
A Life Less Ordinary
★★★☆☆ 1997年 アメリカ 1時間34分
監督 ダニー・ボイル(ザ・ビーチ/トレインスポッティング)
出演 ユアン・マクレガー(スター・ウォーズ/ムーランルージュ)
キャメロン・ディアス(チャーリーズ・エンジェル)
デルロイ・リンド(ザ・コア)
ホリー・ハンター(ピアノ・レッスン)
天国の警察署にて、天使のオライリー(ホリー・ハンター)とジャクソン(デルロイ・リンド)は、署長ガブリエルからある命令を受けた。それは、わがままなお嬢様セリーン(キャメロン・ディアス)と、その父ナヴィルの会社で清掃員をしているロバート(ユアン・マクレガー)をくっつける事。オライリーとジャクソンの策略で、ロバートは仕事をクビになり、ガールフレンドにもふられ、車も没収されてしまう。怒りが頂点に達したロバートは、社長ナヴィルのオフィスに乱入、そこにいたセリーンを誘拐して山小屋へと逃げこんだのだが…。天使の策略で出会った男女の恋の逃避行を、ポップな演出で見せていくオフビートなラヴ・コメディ。
ユアン・マクレガーは僕の趣味じゃない俳優さんです。知性を感じないというか、「ムーラン・ルージュ」も途中で寝てしまい最後まで見れませんでした。スターウォーズのオビ・ワン・ケノービ役も、もっと精悍な人にやって欲しいとずっと思ってました。ところが、この「普通じゃない」のユアンはいいかも。彼にはこのバカぽい役がぴったりです!そういう意味ではキャメロン・ディアスのわがままで、生意気な役もぴったりかも! 3流のラブコメって感じでしたが、気楽に見て、時間つぶしにはいいかもしれません。