LOVERS
十面埋伏
★★★☆☆ 2004年 中国 2時間
監督 チャン・イーモウ(初恋のきた道/HERO)
出演 金城武(神様、もう少しだけ)
アンディ・ラウ(インファナル・アフェア)
チャン・ツィイー(初恋のきた道/グリーン・デスティニー)
唐の時代。中央の政治腐敗により治安が悪化、各地で叛乱勢力が台頭する。その最大勢力「飛刀門」の討伐を命じられた劉(アンディ・ラウ)と金(金城武)は、「飛刀門」と繋がりがあると噂される盲目の踊り子 小妹(チャン・ツィイー)を利用して「飛刀門」への潜入を図る。アクションロマンス。
映像も綺麗ですし(衣装デザイン=ワダ・エミ)、何にもましてチャン・ツィイーが可愛い!
チャン・イーモウ監督作品は「初恋のきた道」以来2作目です。しかし監督はチャン・ツィイーと恋仲なのではないでしょうか。チャン・ツィイーが可愛いのは分かるのですが、あれは恋してる撮り方ですね。モウ!
恋物語としても悪くないです。ぜひ見て下さい。

ブレイブ
THE BRAVE
★★★☆☆ 1997年 アメリカ 2時間3分
監督 ジョニー・デップ
出演 ジョニー・デップ(ギルバート・グレイプ/シザーハンズ)
イギー・ポップ
マーロン・ブランド(ゴッドファーザー/波止場)
貧困な生活にあえぐネイティヴ・アメリカン。明日の糧を得るため仕事を探し続けるラファエル(ジョニー・デップ)は、さびれたビルの一室で、謎の男マッカーシー(マーロン・ブランド)に引き合わされる。マッカーシーはラファエルに、人間を実際に殺す映像を見せる出演と引き換えに、5万ドルを払うという取引を持ちかける。家族のために命を捨てる決意をしたラファエルはそれを受け入れ、三分の一の金を受け取って帰る。彼に残された期限は1週間。ふたりの子供フランキーとマルタのため、もらった金で庭に小さな遊園地をこしらえるラファエル。妻リタ(エルピディア・カリロ)は夫がまた犯罪で不正な金を得たと疑うが、やがて夫の真情にほだされていく。生と死の狭間で男は何を見つめ直したのか…。ヒューマンドラマ。
ジョニー・デップの初で最後の(?)監督作品なので、どんな作品なのか見ました。あら筋は読んでいて暗い映画だとは知っていましたが、やはり暗かった。でもデップがネイティブの貧困や、社会の矛盾を作品にしたかったのだと分かります。彼らしい作品です。でも、当時は売れなかったでしょうね。
しかしデップはジプシーやネイティブなど長髪が似合います。
暗い、汚いという点でレジェンド・オブ・メキシコよりまだいい作品ですし、見て悪くない作品だと思います。

カラヴァッジオ
CARAVAGGIO
★★★★★ 1986年 イギリス 1時間33分
監督 デレク・ジャーマン
出演 ナイジェル・テリー
ショーン・ビーン
ギャリー・クーパー
ルネッサンスにおける最後の最も異端と言われる画家ミケランジェロ・メリシ・カラヴァッジオ(1571-1610)彼のスキャンダルな生涯を自らも画家でもあるデレク・ジャーマンが大胆な解釈で臨んだ問題作。
同性愛、暴力、殺人そして逃亡…。彼の絵画を見せることに主眼を置き、現代の車やタイプライターなどの事物を鮮かに滑り込ませ、観客に認識させる。愛と憎しみを卓越した映像美で描く“絵画による映画”として高い評価を得たデレク・ジャーマン監督の最高傑作。1986年ベルリン映画祭銀熊賞。
以前よりカラヴァッジオが好きで画集を眺めていました。たまたま聖書を読むようになり、カラヴァッジオの宗教画を検索していて、この映画がある事を知ってアマゾンで取り寄せて見ました。
全てのシーンが絵画で出来ているような作品です。それだけカラヴァッジオの絵画を知らないと、この映画を理解するには難しいような気がします。デレク・ジャーマンの独自の解釈で、カラヴァッジオの生涯を描いていくのですが、その物語より、画面に描かれる作品に見とれてしまうのです。
この映画を見て、なおさらカラヴァッジオが好きになりました。


ミスティック・リバー
MYSTIC RIVER
★★★☆☆ 2004年 アメリカ 2時間18分
監督 クリント・イーストウッド(ミリオンダラー・ベイビー)
出演 ショーン・ペン(21グラム/I am Sam)
ティム・ロビンス(ショーシャンクの空に/星に想いを)
ケヴィン・ベーコン(インビジブル/アポロ13)
ボストンの貧困地区。路上ではジミー、デイブ、ショーンの3人組がボール遊びに興じていた。ボールが排水溝に落ちたとき、不審な車が少年たちの傍に停まる。警官を名乗る2人連れは、3人の内からデイブだけを車に乗せ、静かに走り去った。数日後、デイブは暴行を受け、無残な姿で発見される。それから25年、同地区で殺人事件が発生。被害者はジミーの娘だった。捜査を担当するのは、今は刑事となったショーン。やがて捜査線上にデイブの名が浮かぶ。事件は3人の過去を弄ぶようにして、非情な物語を導いてゆく…。
クリント・イーストウッドがベストセラー小説をオールスター・キャストで映画化。アカデミー主演男優賞・助演男優賞、ゴールデングローブ主演男優賞。
話題の映画なのでミステリーでも見てみました。いくつもの背景があり、謎解きの要素を入れながら物語は展開していきます。なるほどショーン・ペンがアカデミー主演男優賞、ティム・ロビンスが助演賞を取った作品だと、納得して最後の結末まで目が離せません。真実は何なのか?
ところが…。終わってみるとC・イーストウッドは何を言いたかったのか分からなくなります。羅生門のような人によって真実は違うという事? それとも9・11以来のアメリカの暴力肯定? 従姉妹同士の二人の奥さんの言葉にも「何を伝えたいのか?」と疑問だらけです。
しかし、C・イーストウッドの監督としての手腕は十分見る事が出来ます。今年の作品賞「ミリオンダラー・ベイビー」が楽しみです。


21グラム
21g
★★★★☆ 2004年 アメリカ 2時間4分
監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演 ショーン・ペン(ギター弾きの恋/I am Sam)
ナオミ・ワッツ(マルホランド・ドライブ/ザ・リング)
ベニチオ・デル・トロ(トラフィック)
夫と2人の幼い娘と幸せな生活を送っているクリスティーナ(ナオミ・ワッツ)。前科を持つジャック(ベニチオ・デル・トロ)だが、今は妻と2人の子どもと平和に暮らし、信仰に生きがいを見い出している。心臓移植手術を受けないと1カ月の命という大学教授のボール(ショーン・ペン)の元に、別居していた妻メアリー(シャルロット・ゲーンズブール)が戻り、彼の子どもを宿したいと申し出る。決して出会うはずのない彼らが、ある交通事故をきっかけに結び付く。その果てにあるのは希望なのか、それとも…。
「アモーレス・ペロス」で世界中の映画賞を受賞したメキシコの新鋭イニャリトゥ監督と、アメリカを代表する演技派俳優3人が集まった。1つの心臓に引き寄せられた3つの運命…。ヒューマンドラマ。
過去、現在、未来と時制が入り乱れ、3人のパートが分かれて進行するので、最初のうちは苦労するかもしれません。初めからそういう映画だと知ってて見たから、理解し易かったかも。なかなか面白い構成です。
ナオミ・ワッツはマルホランド・ドライブから好きな役者になりましたが、乳首まで出す必要があったのかと思います。(良かったんだけど(^^;;) ショーン・ペン、デル・トロ。それぞれ重量級の演技で良かった。
最後はちょっと物足りないのですが、3人を見るだけでもいい映画です。


幸せになるためのイタリア語講座
ITALIAN FOR BEGINNERS
★★★☆☆ 2004年 デンマーク 1時間52分
監督 ロネ・シェルフィグ
出演 アンダース・W・ベアテルセン
ピーター・ガンツェラー
ラース・コールンド
アン・エレオノーラ・ヨーゲンセン
冬、デンマーク・コペンハーゲン近郊のとある町。妻を亡くしたばかりのアンドレアスは、新任牧師としてこの町を訪れ、ホテルに泊まる。そのホテルのお人好しなフロント係ヨーゲンは、レストランで働く親友のハルにクビを宣告する役を上司から押しつけられ当惑する。そのヨーゲンへ秘かに想いを寄せているウェイトレスのジュリア。パン屋の店員オリンピアは偏屈な父親に閉口し、美容師カーレンはアルコール依存症の母を抱えていた。
さまざまなトラブルや悩みを抱え生きている彼らが、それぞれの思いを抱き週に一度、イタリア語の初級講座へ通うことに。いくつもの出来事や偶然の中で、何かが変わり始める6人。受講者みんなで旅に出た美しい街で、彼らに訪れる未来は…。ベルリン国際映画祭・審査員賞受賞した大人のラブ・ストーリー。
地味な映画ですが良かったです。邦題がいいですね。デンマークの映画は初めて見ましたが、デンマークはやはり北国なのですね、暖かく陽気なイタリアに憧れるんですね。以前「マーサの幸せレシピ」も暗いドイツ人と明るいイタリア人の気質の違いに驚きましたが、この映画もデンマークのある種の暗さが印象的です。それだけ太陽が多い少ないという気象の違いが国民性に表れるのだなって思いました。やはり太陽の国、イタリアには皆んな憧れるんですね。(^_^)
女性の監督作品で手持ちカメラ、手書きのラストクレジットなど手法が斬新な映画でした。