愛がすべてなのさ 「だから違いますよ!!レトルトです!!快盗レトルトがこの街にでたらしいんですよ!!」 「はあ…」 「聞いてますかイッキくん!?」 「きーてるってユウヅル。だから兄ちゃん大暴れなんだろ?」 「だからヒカルさんじゃなくて快盗レトルトなんですって!!」 「つーかオレじゃねーし。」 「そーなの?」 「そう。」 「スクープね」 「あ、アリカ」 「快盗レトルトの偽物現わる!!明日の新聞の一面は決まりね!!」 「それ、なんだが」 「どうした?コウジ」 「これがボクの所に届いてね」 「?おおっ!快盗レトルトからの予告状じゃん!!」 「なになにっ!見せて見せて!!」 「えーっとなになに…『今晩12時スミドロナッドのメダルを奪いにいくロボ』」 「…ロボ?」 「『快盗レトルトより』」 「……」 「……」 「なあイッキ、これって……」 「た、大変ですよコウジくん!!レトルトにスミドロナッドがっ!!」 「これ、ロボロボ団じゃない」 「ロボだよな?」 「ロボだ」 「ロボ?」 「ユウヅル、ロボロボ団知らないっけ?」 バンっ!! 「ヒカル…兄ちゃん…?」 「……ロボのクセに人様の名を騙るとはいい度胸してるじゃねーか……」 「ヒカル…さん?」 「しかもスミドロナッドに手を出すだ…? 殺す…むしろ滅っす…」 「ヒ、ヒカルさん!!」 「なに、コウジ」 「殺人はダメです」 「(そういうことじゃねーだろコウジ!!)」 「………考えておく」 「(しかも考えるだけかよヒカル兄ちゃん!!)」 「よーし!!今晩はコウジくんちでロボロボ退治よ!!」 「げ、元気だなーアリカ」 「諦めろイッキ。類は友を呼ぶって言うじゃねーか」 「(メタビーを指差し)……類」 「オマエが類だっ!!」 で、夜 「あきたー」 「まだ10分しか経ってないでしょ」 「あーひまー」 「あのー」 「なに?ユウヅル」 「そのー、本当に予告状を出したのは快盗レトルトじゃないんでしょーか?」 「なんで?」 「だってもし快盗レトルトが出したものだったら、ぼくたちの手に負える相手じゃ…」 「そうか?」 「オレサマは誰にも負けないぜ!!」 「おうメタビー!!オレたち最強コンビだもんな!!」 「はん。君たちごときに快盗レトルトが倒せるわけないだろう?」 「は?オレたちがレトルトに負ける?ありえないね!!」 「まあまあお二人とも、ケンカはダメですよ」 「はんっ」 「ふんっ」 「(カリンも呼んでおいてよかった…)」 「まったく。ロボ捕まえるってのに仲間割れしてどうすんのよ」 「…スンマセン」 「………レトルトじゃないって断言できる理由な、ちゃんとあるんだよ」 「なんですか?」 「レトルトさんにはスミドロナッドのメダルを盗む理由がないのさ」 「理由?」 「レトルトが狙うのはレアメダル。スミドロナッドのは違うからね」 「狙うならオレのメタビー。だいたいスミドロナッドのこと好きだろうし」 「どなたがですか?」 「快盗レトルト」 「………あのー」 「あ?」 「みなさん、快盗レトルトとお知り合いなんですか?」 「………」 「………」 「………」 「あの…?」 「レトルトさんはとても可愛らしいお方ですわv」 「ゲッホッゲホッ!!」 「だ、大丈夫ですかヒカルさん!?」 「だいじょうぶ…(可愛い…?)」 「オレはとりあえず打倒レトルトかな」 「だから倒せねーって」 「取材対象よ」 「ボクは…一番大切な人だな」 「こ、コウジくんっ!?」 「あーヒカル兄ちゃん顔赤ーい」 「ノロケやがった」 「あのねえっ!!」 「だって本当のことですからね、ヒカルさん」 「ああ、あのなあ!!ノーコメントノーコメント!!オレは答えないからなっ!!」 「あ、あの…」 「なんだよユウヅル。ここまで言ってまだわかんないのか?」 「あのね、快盗レトルトの正体は…」 バチンッ 「キャー!!」 「な、なにっ?!」 「停電っ??」 「まさかっ!!うちには非常用電源が…」 「ロボロボロボロボ」 「…ロボ?」 「我々は快盗レトルトだロボっ!!さあスミドロナッドのメダルを渡すロボよっ!!」 「……」 「……」 「……」 「レ、レトルトですよみなさんっ!!ど、どうしましょう」 「いや、つか…」 「やっぱりロボロボ団じゃない」 「な、なにを言ってるロボ!!我々は快盗レトルトだロボっ!!」 「レトルトさんがロボロボ言うはずないだろ!」 「ロボ服に変なお面つけてるだけのクセになに言ってやがる!!」 「大体快盗レトルトは……って、ヒカル兄ちゃんがいないっ!?」 「なんだって!?ヒカルさんっ!?」 「ふはははははは」 「こ、この声は…」 「まさか…」 「あ、あそこよっ!!」 「遠い銀河の彼方から地球に降り立ったひと筋の流れ星 人呼んで愛のメダルハンター 快盗レトルトただ今参上!!」 「か、快盗レトルトが二人!?」 「まあv本物の快盗レトルトさんですわv」 「あーあ」 「……あの人は」 「って言うか、さっきのセリフ、宇宙Xと混ざってなかった?」 「ほ、本物っ?!じゃああっちが本当の快盗レトルトなんですか!?」 「「そー」」 「そうだともユウヅルくん!!私が本物の快盗レトルトっ」 「ど、どうしてぼくの名を!?」 「快盗は、なんでも知っているのさ」 「どういう理屈だよ…」 「さてオマエたち…」 「ピ、ピンチだロボー!!」 「勝手に人の名前を騙るとどうなるか、教えてあげよう」 「て、撤収ロボよーっ!!」 「まてっ!!」 「………追いかけて行っちまった」 「あああガラスが……」 「あ、電気ついたみたいだな」 「大丈夫かなーロボロボ団」 「明日の朝刊に『ロボロボ団惨殺!!』という記事が載っているかもしれませんわねv」 「それはさすがにヤバイでしょ」 「どうしたユウヅル?ぼーっとして」 「びっくりしたんじゃないのかい?」 「快盗レトルト…」 「あー、変だろあの人」 「カッコイイ…」 「そうそうカッコ………えっ?!」 「な、なにを言っているんだいキミは!!」 「頭だいじょーぶー?」 「なに言ってるんですかみなさん!!とってもカッコイイじゃないですかあの人!!」 「………ゲームのアンタみたい」 「ゲームってアリカおまえなあ」 「いや〜参った参った」 「ヒカルさん」 「どこまで行ってたんだよヒカル兄ちゃん」 「いや〜それがよ…」 「どうしていなかったんですかヒカルさん!!」 「え?なん、で?」 「快盗レトルトが出たんですよ!!」 「そ、そうかでたか快盗レトルト…」 「ものすごくかっこよかったんですよ!?」 「………え?」 「ヒカルさんにも見せたかったですよ!!」 「かっこ…良かった…?」 「とってもかっこよかったですはい!!」 「そっかぁかっこいいかぁvvv」 「………(頭痛が…)」 「で、どうだったんだよ兄ちゃん」 「あ?ああ。それがさぁやつら逃げ足だけは速くってよ」 「逃げられたわけね」 「そう言うなよアリカ〜さすがに人殺しはヤバイだろ〜?」 「本気ですね…」 「まあ、いいんじゃねーの?スミドロナッドも無事だったんだし」 「あいつらが復活してんのも確認できたしな」 「また忙しくなりそうですわねv快盗レトルトさんv」 「ボクは嬉しくないですけどね」 「まあ、オレは打倒レトルトだし」 「だから倒せねーって」 「そうですよ!!レトルトさんがイッキくんに負けるはずがないじゃありませんか!!」 「………ユウヅル」 「こーいうのって、どういう気分なんだ?」 「………複雑」 「なにコウジに聞いてるのよ、メタビー」 「これからもー頑張ってくださーい!!快盗レトルトさーーーっん!!」 「おーいユーヅルー。なに外に向かって叫んでんだーー」 「頑張らなくっていい!!」 「え゛ー」 「ヒカルさん!!」 まあ、そんな話し 後日談 「またロボロボ団出現だって」 「快盗レトルトもだってよ」 「はあ…レトルトさん…。もう一度逢いたい………」 「……」 「……」 「……」 「と、とにかく今度ロボロボ団徹底取材するからね!!」 「えー(めんどくさー)」 「なになにレトルトの取材??オレ協力しちゃうよ??」 「………兄ちゃん……」 「それは素晴らしい企画ですよヒカルさん!!」 「………(頭痛だ…)」 どっとはらい |