01:はじめてのメダロット |
君に出会ってからすべてが変わったんだ。 僕の世界が塗り替えられたんだ。 「ほんと、かぶと虫ってスイカが好きだよね。」 ぼくは呆れたような視線を、メタビーに向けた。 ぼくのメタビーは、縁側でべったりと大きく丸いスイカに引っ付いていた。 シャクリと三角に切られたスイカを頬張った。 こっちは冷えていてとっても美味しい。 メタビーがなついているのは、まだ冷やしていないほう。 近所の農家の人からもらったと、おばあちゃんの家にはスイカがいっぱいあった。 その一個を気に入ってしまったようで、メタビーはさっきからずっとスイカに甘えてる。 シャクリとスイカを頬張った。 甘い汁がぽたぽたと垂れた。 「メタビー。」 「んーー?」 タオルで口を拭き、ベタベタになった指を舐めた。 「裏山に遊びに行こうよ。」 「ばあちゃんが帰ってきたらな。」 おばあちゃんはいま、お店に買い物に行ってる。 「遅いなー。」 誰かに捕まって、話しこんでるのかもしれない。 庭にじりじりと太陽が降り注ぐ。 ミーンミーンとセミが鳴き出した。 静かだなあと思ってみると、メタビーは眠ってしまっているようだった。 スイカを抱き締めるメタビー。 ぼくらの二度目の夏。 |