03:ちょうないたいかい


「今年もボクに勝てると思わないでもらおうか」
「フン。オレ達が勝つに決まってる!な、ヒカル!!」
「ああ。行くよ、メタビー」
「勝負だ!ヒカルっ!!」
 レフェリーの合図でロボトル開始。
 ユウキのロールスターとオレのメタビー。
 レーザーをとにかく避けて、ダメージを重ねていく。足場を崩す事はしない。去年と同じことを、ユウキが許すとは思えないから。
「メタビーっ、脚部パーツを優先的にっ!!」
「分かってるっ!!」
 リボルバーは放熱2充填8命中率50。ホップスターは放熱8充填2命中率4。
 メダルのレベルは同じくらい。
 脚さえ止められれば負けやしない。
「もう、ちょこまか動くな!」
「ヒカル、焦るなっ」
「わかってるっ!!」
 サーチレーダーで命中率を上げるべきか。
 否、それより。
「メタビーっ!!」
「分かった」
 ボクの声にメタビーはロールスター目がけて突っ込んでいった。
「何やってんのよっヒカルっ!!」
 叫ぶキララの声も無視だ。
 一発レーザーが左腕パーツに当たる。
 左腕パーツ、サーチレーダー機能停止。貫通の効果がメタビーの脚部パーツにダメージを与える。
 耐えろ。これが通れば勝機はない。
 ダメージカウントストップ。脚部パーツの残り装甲数は。
「もらっったぁっっ!!」
 残り1で踏張った脚で地面を蹴り、メタビーがロールスターの正面を取った。
 右腕には充填済みのリボルバー。この距離ならば頭部パーツも外さない。
 ユウキが指示を出すより早く、メタビーのねらいうちがロールスターの頭部パーツを破壊した。

「勝者アガタヒカルっ!!」

「やったわね! ヒカル!!」
「あったり前だっ!! この俺様が戦ってんだぞ!?」
 はしゃぐメタビーとギャラリー。
 そして真っすぐ差し出された手。
「来年こそはボクに勝利を譲ってもらうよ」
「来年も負けないよ」
 ともだちとのあくしゅ。